真魚八重子さんの映画レビュー・感想・評価 - 24ページ目

真魚八重子

真魚八重子

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残酷!少女タレント(1984年製作の映画)

3.0

ジャケを見て高部知子のニャンニャン事件なのかなーと思ったら、そもそも主人公カップルが、真昼間に恋人同士がセックスするのを放送する番組に出演という、トチ狂った出だしだった。そこで少女だけが注目されて芸能>>続きを読む

美姉妹肉奴隷(1986年製作の映画)

2.2

やっつけ仕事的。姉妹が容姿に似合った性格で相反するあたりは良いかも。顔をそらした姉が、外の激しく降る雨と首筋が平行になる場面もハッとしたけれど、基本的には『白い肌の異常な夜』でまとめてみたオチ。

オーガズム・真理子(1985年製作の映画)

4.0

桂千穂の北関東吸血鬼幻想。女の生理と赤く輝く満月。

出だしの、女が復讐に燃える簡単なきっかけの見せ方が心地よい。ミステリーではないので犯人のばれ方もあっさり。ブドウをつぶしながらのセックスも、奇妙に
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3つの鍵(2021年製作の映画)

4.0

ナンニ・モレッティ新作。ある自動車事故に関わった人々。主に同じアパートに住んでいる。飲酒運転をしていた青年、事故の引き金となった陣痛中の妊婦、車に突っ込まれたため、幼い娘を一晩だけ隣人の老人に預けた夫>>続きを読む

秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

1.8

わたしは頭が固いので、理屈のないファンタジーの意味が理解できない。

女の秘めごと(1969年製作の映画)

3.5

土ワイでもありそうな、「死んだ妻が現れた!なぜ?!」という話で、ミステリーなので当然仕掛けがある。
えらい度胸がないと無理だよなと思う。どこまで人生を賭けて危ない橋を渡るんだと驚くけれど、まあ映画だか
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川沿いのホテル(2018年製作の映画)

4.0

父と息子たちの物語。ホン・サンスの子どもは娘なので、自分を息子と父親の両方に重ね合わせているのかなと思う。
自分が老境になったときの死生観だろうか。いつも待ち合わせをしている息子たちとはすれ違って、な
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あなた自身とあなたのこと(2016年製作の映画)

4.0

キム・ジュヒョクの可愛らしさ。意外にホン・サンス映画の男前たちに連なる系譜の顔だけに、早逝が本当に悲しい。きっとまだ何本もホン・サンス世界を担えただろうに。

女が開き直ってある筋を通す部分が、寓話的
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草の葉(2018年製作の映画)

4.5

カフェで聞き耳を立てる女。周りの男女の客たちは、みなそれぞれの身近な人や、本人の自殺についての会話をしている。深刻なはずなのに、他責的で滑稽な二人組ばかり。男たちはなぜか俳優が多いようだ。
カフェでは
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RAW〜少女のめざめ〜(2016年製作の映画)

4.5

公開時以来2度目。パンフレットに寄稿したので、試写も2回くらい見せてもらったかもしれない。
フランスって大学の描写でたまに思うけれど、獣医学部の都心からはるばる離れた立地が、意外に神経にくる。一人の時
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クレイジー・キラー/悪魔の焼却炉(1969年製作の映画)

3.0

嫌がらせとして「一生離婚してやらないわよ」と断言する奥さんと、まだ若くてハンサムな旦那。でも彼は花嫁ばかりを狙う連続殺人鬼で、映画の開始早々に自信満々でそう自己紹介する。
焼却炉のライトがマリオ・バー
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ルチオ・フルチのマーダロック(1985年製作の映画)

3.5

息抜きでぼんやりしたいときに、フルチは良い。真面目に撮ってるかもしれないフルチに対して失礼だけれど、やはり夢のような映画である。
エアロビ的なモダンダンスを踊る若い女性たち。みんな綺麗で脱げる。これだ
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団鬼六 妖艶能面地獄(1988年製作の映画)

2.5

にっかつが末期に来て男優さんも顔馴染みでなくなってくると、なんとなくうら寂しい気持ちがするうえに、田舎を舞台にしているから侘しい。
引きが多く、何をしようとしているのかいまいちわからない。でも満開の桜
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パーフェクトブルー(1998年製作の映画)

3.5

公開以来久々に見返した。アイドルをビジネスとする危うさにヒリヒリする。アイドルや女優進出をめぐる業界やファンの闇深さは、何も変わっていない。
自己否定の妄想が外部にまで漏れ出して、出演中のドラマとリン
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レイプハンター 通り魔(1986年製作の映画)

4.0

犯罪しか誘わなさそうな郊外の叢にポツンと建つコインランドリー。このロケーションだけでイイ。殺伐とした音楽と、レイプを介在させることで複雑に関係が生じる男女。レイプに快楽を見出した人妻の、最後の夫への冷>>続きを読む

ソングバード(2020年製作の映画)

2.0

コロナのような病を安易に人間関係に利用した映画。
基本、家にこもるだけで防げる病気だが、免疫のない人もいて、家に菌を持ち込まないようにしなければいけない。スケールの小さい数人単位のお話が同時進行してい
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晩菊(1954年製作の映画)

5.0

偏愛する映画をメモしておく(no.15)

成瀬巳喜男の偏った傑作。なんなんだろう、これは。金と昔の色の話をするババア映画。
元芸者で金貸しをする杉村春子と、彼女から金を借りている細川ちか子と望月優子
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非情の標的(1972年製作の映画)

4.5

冒頭の夜が明けてからの一連の演出良かった。エンニオ・モリコーネの青春の哀切が溢れるような曲とマッチしていて。
不穏な映画でばかり見かけるオリヴァー・リードとファビオ・テスティが、なんとも微妙な距離感を
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みんなのヴァカンス(2020年製作の映画)

3.3

ギヨーム・ブラック監督作品。好きは好きだし、心地よい映画ではある。ムカつく態度に「こういうヤツいるよね」と笑っちゃう感じも。男の子のヴァカンス映画。

男性が「女の子ってサプライズ好きだろ?」って企ん
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囚われの美女(1983年製作の映画)

2.2

わたしの中ではアラン・ロブ=グリエと武智鉄二と実相寺は同じ引き出しに入ってて、一番才能があるのが実相寺だと思っている。
最後の切り札的に死の天使という言葉が出てくるあたり、たいしたことない話では?とし
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ザ・ディープ・ハウス(2021年製作の映画)

3.4

『屋敷女』以降、ことごとく期待を裏切ってきたジュリアン・モーリー&アレクサンドル・バスティロ監督コンビ。でも今作はわりと良い方じゃないだろうか。
水中での幽霊による恐怖体験。男はタチの悪い意地悪をしが
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団鬼六 薔薇の肉体(1978年製作の映画)

2.8

これもやくざ映画のパターンで、刑に服している夫を待つ水商売の妻の話。夫は借金があって、妻が体で返済をしているという、ポルノ版背広やくざ映画なんだけど、ラストの佳境で雰囲気が少し変わって面白くなる。
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団鬼六 縄と肌(1979年製作の映画)

4.0

『団鬼六「やくざ天使」より 縄地獄』を観たら、あまりにつまらなかったので、同じ任侠映画SMものでも面白い作品はあるということで、こちらを。
任侠ものは善悪の戦いで、悪が跋扈し善人がギリギリまで耐え忍ぶ
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団地妻 尻奴隷(1985年製作の映画)

3.8

喜劇を演じるときの下元さん、すごくいい。黒沢清監督の『勝手にしやがれ!!』シリーズなんかでも、真顔でふざけるのが本当にいい味出していた。
80年代の軽い感じのコメディで楽しい1本。ヘヴィーな映画の多い
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パリは霧にぬれて(1971年製作の映画)

4.0

小さい頃、この時期のフェイ・ダナウェイを見て、(なんて美しい女性だろう)と思っていた。
冒頭の舟下りのシーン、完璧。捨てカットがひとつもない。
これも会話つながりで出来事がジャンプしてしまったりするが
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雨の訪問者(1970年製作の映画)

3.5

ジャプリゾが何を考えていたかはわからないけれど、とにかくルネ・クレマンの映画。ソフトフォーカス、情緒や会話の内容優先で出来事は平気でジャンプする。
ブロンソンの挙動の意味もよくわからないが、そういう男
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エンジェル(1983年製作の映画)

3.8

9月にリバイバル公開予定。『ザ・モンスター』の脚本家ロバート・ヴィンセント・オニール監督作。本作もハリウッドの通りを流す娼婦たちが、殺人鬼に狙われるという姉妹編のような作品。

主人公のモリーは15歳
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きっと地上には満天の星(2020年製作の映画)

1.5

N.Y.の地下道で暮らす母と娘。周辺の取り壊しが迫っており、査察に来た市の委員たちから逃げ出した母子は、街をさまよう。

学校にも行けない娘のリトル。自分が哀れな境遇ということも知らないのは、母親の罪
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キングメーカー 大統領を作った男(2021年製作の映画)

5.0

ポリティカルドラマとして、非常に水準が高い出来。これまで韓国映画の政治物は悪徳を描くのが多くて食傷気味だったし、まじめな『KCIA南山の部長たち』は話が走りすぎで演出がまずく、『工作 黒金星と呼ばれた>>続きを読む

殺人鬼(1983年製作の映画)

2.7

いずれ観ようと思ってて、ずっと放置していた作品。被害者がブロンソン刑事の娘の友人という、世界観の狭さ。

看護婦寮の大量殺人はリチャード・スペック事件から着想を得ているんだろうか。返り血を浴びないため
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ポルターガイスト3/少女の霊に捧ぐ…(1988年製作の映画)

2.5

ゲイリー・シャーマンを集中的に観ようかなと思って配信を購入したら、間違って夫のアカウントで入っていて、請求の来た夫に「なんで今ポルターガイスト3観てるの?」と言われて恥ずかしかった。

ジャケにもなっ
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呪詛(2022年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

白石晃士を発見したときのような感覚。

観客に巻き添えを食らわす心意気が憎い。ちょっと冗長で、蛇足や説明の足りない部分もあるけれども、山奥に伝わる邪教の忌まわしさはもちろん大好きだ。頭を打ち付ける呪い
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ニューヨークの恋人たち(1981年製作の映画)

3.2

ドロシー・ストラットンが殺害される原因になった映画、と言えるかもしれない。でもヒモに若くして捕まった女性は、遅かれ早かれ悪いヒモとは切れただろうと思うけれども。
『華麗なる相続人』で不倫関係になったオ
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スター80(1983年製作の映画)

5.0

偏愛する映画をメモしておく(no.14)

これもバカみたいに何度も書いているけど、本当に好きで好きでたまらず憂鬱になる。こんなにどん底の気分になる映画もそんなにない。
エリック・ロバーツの口ひげと、
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少女暴行事件 赤い靴(1983年製作の映画)

5.0

傑作。未解決の「新宿歌舞伎町ディスコナンパ殺傷事件」を基にした作品。

茨城を舞台にした映画って、侘しさや焦燥感のような情感を駆り立てる良作が多い気がする。冒頭のバイクを飛ばす主観シーンの撮影から素晴
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マザーズデー(1980年製作の映画)

2.5

トロマへの自分の無関心を改めて感じるなど。

ところどころ良いんだけど、冗漫だなあと思ってしまう。女子旅なら『ディセント』みたいなヒリヒリするものの方が好き。