TakayukiMonjiさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

抵抗(レジスタンス)-死刑囚の手記より-(1956年製作の映画)

4.0

ブレッソン監督の初期。2本目の鑑賞。
ブレッソン的ミニマリズムと脱獄サスペンスが見事に結実。脱獄までの牢獄の中のプロセスも淡々と映し出され、脱獄中のプロセスも無駄がない。ナレーションのように語られる主
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カンダハール(2001年製作の映画)

3.7

フィクションだけど、ドキュメンタリータッチに描く。2001年のアフガニスタン。
絶望に屈している妹に会うために、亡命した主人公がアフガニスタンのカンダハールを目指す。
直接的な悲劇のシーンを描くのでは
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search/#サーチ2(2023年製作の映画)

3.8

試写会。
「サーチ(原題:searching)」はスマホとパソコンの画面だけで構成され物語が進行していく、斬新な切り口のミステリーだった。監督、脚本も変わって、同じ手法で見せる「サーチ2(原題はmis
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ハピネス(1998年製作の映画)

3.9

「Welcome to the dollhouse」鑑賞からだいぶ間あいちゃったし、大学時代から観ようと思ってたから20年越しで鑑賞。
トッド•ソロンズ、独特の風貌からわかるように、捻くれた人間模様を
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セイ・エニシング(1989年製作の映画)

3.6

ローリングストーンズ誌のライターたったキャメロン・クロウ監督のデビュー作。
ザ定番な展開の80sの恋愛映画。若きジョン・キューザックが真っ直ぐなアプローチで、ヒロインにぶつかっていくのがあまりにも真っ
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ベネデッタ(2021年製作の映画)

4.0

公開終了間際に駆け込み。
全くブレないポール•ヴァーホーベン節が炸裂した見応えのあるサスペンスドラマだった。
ヴェネデッタが憑依する瞬間が本気すぎて、あれらも含めて、観客は騙されているのか、真実を見せ
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ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023年製作の映画)

3.9

緩さと骨太暗殺アクションのバランスが面白かった前作のテンションそのままに、ちさととまひろコンビの安定の緩さが詰まった続編だった。くだらないんだけど、飽きさせないアクションコメディ。
アクションシーンよ
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回転(1961年製作の映画)

3.9

クリップしててずっと見たかった古典ホラーのこちらを鑑賞。
主役は「黒水仙」のデボラ・カー。苦悩の表情を本作でも健在。
屋敷である富豪の兄妹の面倒を見ることになった主人公が怪奇現象に巻き込まれていく。い
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グリッドマン ユニバース(2023年製作の映画)

4.3

初日鑑賞。
アニメシリーズもどちらとも大好きで、総集編2作とも初日鑑賞して臨んだ本作。

これもまた今流行りのマルチバースだけど、元々そういう別世界のシリーズ2作だから必然の流れ。しっかりファンの期待
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少女は卒業しない(2023年製作の映画)

4.2

信頼のおける先輩からのオススメで駆け込み鑑賞。観に行ってよかった!

卒業までの2日間を描く青春群像劇。物語の構成軸も演出も登場人物たちの存在感もどれを切り取ってもエモさがあり、素晴らしかった。丁寧に
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

4.0

初日鑑賞。Dolby atomos。
いやぁ、冒頭のバイクシーンからめちゃくちゃテンションあがった!監督が樋口氏だった「シン・ウルトラマン」は全くハマらなかったけど、今作はしっかりと“仮面ライダー”で
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マッシブ・タレント(2022年製作の映画)

3.9

ニコラス・ケイジによるニコラス・ケイジ!!!ニコラス・ケイジが全力のテンションで振り切っていて、自虐ネタも含めて、最高に笑った。
「コンエアー」とか「フェイスオフ」とか全盛期の彼を懐かしみながら、現在
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.0

スピルバーグの自叙伝ということ以外、前情報を全く入れずに鑑賞したから、良くも悪くも想像を大きく裏切られた。映画史の大回顧的な感動ぎっしり作を勝手に想像していたせいか。
観終わった直後はこのGAPに戸惑
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雑魚どもよ、大志を抱け!(2023年製作の映画)

3.8

試写会。
1988年の飛騨を舞台にした少年青春活劇。
懐かしい小ネタの描写(pcエンジン、ジャッキー・チェン、エアガンとか)から、多感な小学生たちの不器用でストレートなやり取り、大人に翻弄されながらも
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劇場総集編 SSSS.DYNAZENON(2023年製作の映画)

3.8

「グリッドマンユニバース」に向けて、ダイナゼノン総集編を初日鑑賞。
「グリッドマン」もいいけど、「ダイナゼノン」も同じくらいに熱いんだよな。
オリジナルの感想はアニメシリーズの方に。

総集編はおさら
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BLUE GIANT(2023年製作の映画)

3.9

フォロワーさんの評価も高く、原作未読ながら期待して鑑賞。
評判通り、演奏シーンの迫力がすごかった。ピアノとサックスが際立ってたけど、上原ひろみの全面監修なんだな。
ベタな展開ながら、高評価も頷けるドラ
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きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

3.9

緩やかに三宅監督マラソン。
これジャケットのイメージがフワフワしてたから、ポエティックな作品を想像してて、少し敬遠してたけど、いい意味で全然違った。何作品か観て、三宅唱らしさというのが何なのか掴めてき
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エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)

4.5

信頼できる友人が絶賛していたので優先順位をあげて鑑賞。

めちゃくちゃいい映画だった。
美しいカットの連続で、トレント・レズナーの音楽が見事にハマっていて、全ての演出が抜群に素晴らしかった。
映画史を
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対峙(2021年製作の映画)

4.1

周りで高評価が目立った作品だったため、急ぎ劇場で鑑賞。
銃乱射事件の加害者と被害者の両親が対話する119分。まさに”対峙”するわけだが、原題のmassは、宗教的な集いのミサと、mass shootin
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有り、触れた、未来(2023年製作の映画)

3.6

コロナ禍で命のあり方を発信したいということで、監督の呼びかけに応える形で実現した自主制作映画。映画の中身自体は、粗さや古臭さのある演出、ストーリーの唐突感などもあったりしたが、伝えたいメッセージが真っ>>続きを読む

ノートルダム 炎の大聖堂(2022年製作の映画)

3.9

オンライン試写鑑賞。
2019年に起きたノートルダム大聖堂の大火災を描くドラマ。
前情報ほとんどなかったけど、大掛かりなセットとIMAXカメラで撮影したという迫力の映像、当時の実際の映像などを織り交ぜ
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犬猿(2017年製作の映画)

3.6

安定の胸糞作品を作り続けてる吉田恵輔監督の2017年作。
ある兄弟とある姉妹の話、喧嘩するほど仲が良いとも言うし、近しい人ほど犬猿の仲になりやすい部分もあったりで、ひたすら噛み合わない兄弟の様子に、キ
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アントマン&ワスプ:クアントマニア(2023年製作の映画)

3.8

MCUフェーズ5突入。
フェーズ4は新たなキャラクターや初のドラマシリーズの展開で、今後の展開のための世界観の広がった。加えて、“マルチバース”という何でもありな賛否両論の展開で、複雑化の一途を辿って
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.0

上半期、個人的に最も期待度の高い今作を試写会で視聴。

前日に観た「バビロン」も凄まじい濃度だったけど、濃密さでいったらそこを軽く超えてくるくらい、”観たこともないような映画”がそこにあった。何だこれ
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バビロン(2021年製作の映画)

3.7

今月は観たい劇場作品多すぎるし、仕事も期末に向かって忙しくなってきて、時間を捻出した後の皺寄せがすごいけど、何とかやり繰りして劇場へ。
過去のデイミアン・チャゼル監督作品の特徴である”音楽”による盛り
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エロス+虐殺(1970年製作の映画)

4.0

ロングバージョンじゃなくて、レンタルできた166分バージョンで鑑賞。
アヴァンギャルドな作りで、カットも音楽もびっくりするくらいに、抜群にセンスがいい。

現代(1970年)と大正時代が交錯していく構
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ワース 命の値段(2019年製作の映画)

4.0

試写会にて鑑賞。
9.11の遺族向けの補償基金プログラムがあったということ自体、全然知識がなかったが、遺族向けの補償金制度に取り組んだケネス・ファインバーグ氏の裏側を描いた実話ドラマ。想像していたより
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冬の旅(1985年製作の映画)

4.3

アニエス・ヴァルダの見たかった作品。菊川ストレンジャーで。
ロードムービー風のタイトルとジャケ。ポスターからは「ノマドランド」あたりの空気感を感じていたが、アニエス・ヴァルダは全く手を緩めない。そう、
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密使と番人(2017年製作の映画)

3.4

実験的作品⁈かっこよさはあった。
三宅唱監督の時代劇。プロットはシンプルでカメラワークと音楽で魅せるスタイル。
静けさの中に、キック強めのブレイクビーツが被せられて、盛り上げる。
時代劇×ヒップホップ
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エクソダス:神と王(2014年製作の映画)

3.5

リドリー・スコットマラソン、未鑑賞のこちらを。

あの「十戒」の再映画化。(「十戒」は小さい時に横目で見てて、海が割れること以外たいして覚えてない。)
壮大な紀元前エジプトを舞台にした一大スペクタクル
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ファースト・マン(2018年製作の映画)

3.6

観る環境を間違えたかも。音のメリハリが効いていて、宇宙の緊張感が高まる演出だが、やや雑音のある移動中の空間で鑑賞したため、ちょっとだけ効果半減。劇場で観ておくべき作品だった。

シリアスなトーンでぐい
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スリーパー(1973年製作の映画)

3.4

ウディ・アレン初期。
B級感のある未来のSF設定のドタバタなスラップスティックコメディ。風刺が効いたシーンもあるが、基本的には馬鹿げた笑い。
セックスマシーンとか、銀の玉がドラッグみたいな効果があった
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アルジェの戦い(1966年製作の映画)

4.0

アルジェリア独立戦争を描いた作品。
戦争直後に制作された本作には、しっかりとその歴史が刻み込まれていた。過度な演出なしで、”アルジェの戦い”が映し出される。終盤の群衆のシーンはドキュメンタリーのような
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セッション(2014年製作の映画)

4.0

レビュー数20万もあるのか、すごい。
当時、独占レンタルで話題となり、社内でも大多数の人が観ていたが、波に乗れず、今までほったらかしてた案件。新作に向けて予習されてる人が多いので、つられて鑑賞。

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バイオレント・ナイト(2022年製作の映画)

3.7

ムビチケが当選したので初日鑑賞。
「セブンシスターズ」のトミー・ウィルコラ監督。バイオレンスコメディというのが1番しっくりくる。
「ホームアローン」のドタバタをサンプリングしつつ、痛快なバイオレンス描
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ワイルドツアー(2018年製作の映画)

3.8

三宅監督の野心作。なんとなくこの人のスタイルがわかってきた。

今作は濱口監督にも通ずるような制作スタイル?ドキュメンタリーのような荒削りな撮り方が妙にリアルさを感じさせる。
どうやら、山口の地元の中
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