TakayukiMonjiさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

4.2

シリーズラストらしい⁈
ガーディアンズたちの友情、ファミリー愛、ポップで痛快、コミカルでいて、熱くて、シリアスさも兼ね備えた、鉄板のシリーズは、最後まで抜群の安定感だった。
出だしからこの曲かぁ、と気
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気狂いピエロ(1965年製作の映画)

3.9

ゴダールマラソン。

「勝手にしやがれ」と同じくらい有名なゴダール。このマラソンを機に初鑑賞。
ゴダール作品、シナリオの面白さを探求するタイプの自分の好みとは真逆にいることを再認識させられる。だから敬
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ママと娼婦(1973年製作の映画)

3.9

長尺のエリック・ロメールみたいな会話劇。220分。会話劇中心でダレると思いきや、案外飽きずに観られた。
今で言うとフリーターのようなプー太郎である主人公は典型的なヒモでいて、ナルシストで、2人の女性の
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軽蔑(1963年製作の映画)

3.5

ゴダールマラソン。
63年作。
ゴダール自身の私生活(結婚生活)と映画制作を結び合わせたようなテーマ設定。
様々な意味が込められているであろう”軽蔑”。特に、妻が自分を売った夫に対する軽蔑。その感情か
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波紋(2023年製作の映画)

4.0

前作「川っぺりムコリッタ」に続いて、荻上直子監督のトークイベント付き試写会へ。監督の話面白いから、終了後トークが楽しみだった。(何と、主演の筒井真理子さんとみなみかわさんも登壇!)

事前の情報だとか
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ダゲレオタイプの女(2016年製作の映画)

4.0

黒沢清の初の全編フランス語作品。
全編にわたって、黒沢清の世界観のダークラブロマンス。黒沢清映画を語る上で、外せない”廃墟”について、西洋の古い洋館が見事にその役割を担う。陰影の付け方も、ドアの軋む音
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スイート・マイホーム(2023年製作の映画)

3.5

昨年夏のスニークプレビューで鑑賞。
情報解禁まで寝かしておく必要があり、しっかりメモを残したはずなのに、iPhoneから消えていた、、、。
記憶が定かでなくなってしまったが、斎藤工の監督作で、主演の窪
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ピアニストを撃て(1960年製作の映画)

3.7

トリュフォー長編2作目。
アメリカ映画、犯罪ものへのオマージュ的なコンセプトがあったようだけど、若きトリュフォーの遊び心や実験的な精神が添えられた、フィルムノワール。この3年後に撮られた「柔らかい肌」
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恋人のいる時間(1964年製作の映画)

3.5

ゴダールマラソン。64年作。
マーシャ・メリルが恋人と夫の間で揺れる人妻シャルロットを演じる。マーシャ・メリルを観ているだけで満足ではあった。
映像と音のコラージュで実験しまくってて、人妻と夫、人妻と
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小さな兵隊(1960年製作の映画)

3.6

ゴダールマラソン。
ゴダールの長編2作目で、アンナ・カリーナのデビュー作。

敬遠し続けてきた、ゴダール映画と向き合うため、会社の放出図書にたまたまあった「ゴダール的方法」という本を手に取り、連休中に
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アスファルト・ジャングル(1950年製作の映画)

3.8

1950年の犯罪ノワール。「マルタの鷹」と「キー・ラーゴ」のジョン・ヒューストン監督作。
犯罪者たちの視点で描かれる強盗の裏側のプロセスと群像的な人間描写が見応えがあった。何かにしがみついていく男たち
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鉄の男(1981年製作の映画)

4.0

アンジェイ・ワイダ監督の81年作で、カンヌのパルム・ドールを受賞した社会派ドラマ。
77年作の「大理石の男」の続編で、前作が共産主義国家とりわけスターリン時代のポーランドの忘れられた英雄を描いたのに対
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

4.1

久々の家族映画と思い、昨年の「ドラゴンボール」以来の一家揃っての映画鑑賞。
自分が小学生の時に夢中で遊んだマリオ(1〜マリオワールド、マリオカートまで)は、自分の息子世代にも絶大の人気で誰もがテーマ曲
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はなればなれに(1964年製作の映画)

4.2

タランティーノもベストにあげているこちらを初鑑賞。
ゴダールの中で一番わかりやすくて、センスだけが際立ってた。オープニングからしてイケてる。よく見ると実験的なシーンが多様されているのに、全体がエンタメ
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カラビニエ(1963年製作の映画)

3.8

追悼ジャン=リュック・ゴダール映画祭。
なかなかソフトでの鑑賞難易度が高いと思われるこちらの作品をチョイス。

全編モノクロの63年作。低予算を逆手にとって、戦争の無意味さをユーモアをもって、チープに
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大理石の男(1977年製作の映画)

3.9

アンジェイ・ワイダの77年作。
「コルチャック先生」に次いでワイダ監督は2作目の鑑賞。
映画学校に通う女生徒アグニシェカが卒業制作の題材に、忘れ去られた国の労働英雄を追った、ドキュメンタリー作品を選び
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インディア・ソング(1974年製作の映画)

3.8

前衛小説の作家マルグリット・デュラスが自身の小説を映画化。
もはやこれは映画なのか、小説なのか、戯曲なのか、ただの脚本なのか。映像と台詞の関連性はほぼないようで、関連性を観客に妄想させるような作り。映
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サマーフィーリング(2016年製作の映画)

4.0

新作の前に観たかったけど、時間足りず、新作がよかったから、すぐに鑑賞。
ミカエル・アース監督のデビュー作。

新作は少し演出が強めになってたけど、「アマンダと僕」に近い、過剰な演出がなく、丁寧に紡がれ
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午前4時にパリの夜は明ける(2022年製作の映画)

4.0

「アマンダと僕」のミカエル・アース監督の新作。
何ともまぁノスタルジックな80sのパリで、とにかく風景と空気感が美しかった。
監督がいつもテーマの中心に沿える”心の喪失”から自分を取り戻していくプロセ
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AIR/エア(2023年製作の映画)

4.3

エア・ジョーダン誕生秘話。
「ザ・タウン」、「アルゴ」、「ゴーン・ベイビー・ゴーン」など監督としての才能も見せてきたベン・アフレックの久々の監督作ということで期待してたけど、劣勢の中成し遂げていくスト
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クローズ・アップ(1990年製作の映画)

4.2

盗作、セクハラ告発のおかげで、ユーロスペースの上映が無期限延期中、キアロスタミの観たかったこちらを。

ドキュメンタリーと映画創作を行き来するような構成。実在の事件を本人たちが演じるという試みで、なか
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暗殺のオペラ(1970年製作の映画)

4.0

初期名作を全然観ていないベルトリッチ。U-NEXT配信終了詐欺じゃないとふんで、駆け込み鑑賞。

想像してたのと全然違ったけど、最近でいうと「イニシェリン島の精霊」のような全編を覆う、政治批判の暗喩的
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コルチャック先生(1990年製作の映画)

4.1

アンジェイ・ワイダ監督作品を初鑑賞。
1939年ナチスのポーランド侵攻が始まり、日に日にユダヤ人への弾圧が強まってくる中で、ユダヤ人の孤児たち200人を引き取った小児科医のヤヌシュ・コルチャックを描い
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アダマン号に乗って(2022年製作の映画)

3.5

オンライン試写会にて視聴。
ベルリン映画祭金熊賞。
パリのセーヌ川に浮かぶ木造船のデイケアセンターの人々をまっすぐと捉えたドキュメンタリー作品。
精神疾患を抱える方へのインタビューやアダマン号で過ごす
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ウイークエンド(1967年製作の映画)

4.0

ゴダールマラソン。
67年のゴダール史上でも問題作と言われてるこちらを鑑賞。

シーンの繋がりを無視したり、構成軸を入れ替えたり、音楽をぶつ切りにしたり、抽象的な会話を挿入したり、映画の枠組みを壊すス
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路(みち)(1982年製作の映画)

3.7

82年カンヌパルムドールを受賞したトルコ映画。政治犯として勾留それていたユルマズ・ギュネイ監督が獄中からこの映画を完成させたという逸話とこの物語がもつ反体制的なメッセージはセットで語られるべき作品。>>続きを読む

女と男のいる舗道(1962年製作の映画)

4.0

ゴダール強化月間。62年作。
夫と子供を置いて、舞台女優を目指す主人公が転落していく物語。12の章からなる構成で、冒頭の各章のテーマのようなテロップ、物語がしっかりとストレートに繋がっていくわけじゃな
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シングル・ガール(1995年製作の映画)

3.7

ルドワイヤン19歳の頃の作品。
ひたすらルドワイヤンのアップの表情が映し出される、ルドワイヤンを愛でるための映画。
若く透明感に溢れる表情のルドワイヤン、次第に”シングルガール”として成長していくルド
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アルファヴィル(1965年製作の映画)

3.9

ゴダールは語れるほど観てないし、好きでも嫌いでもなかったけど、観なきゃいけない案件が飛び込んできたのでプチゴダール集中月間へ。

ゴダールのSF作品。
サスペンスの空気感で始まる序盤のカットと音楽から
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一晩中(1982年製作の映画)

3.7

アケルマン映画祭2023。ということで、昨年に続いて劇場へ。まずは今作から。
タイトルの通り、ある一夜であろう風景たちを繋げたような作品。名もない様々なカップルたちのやり取りにはあらすじなどはなく、連
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

3.9

アロノフスキー監督新作。
評判良く期待値マックスで行ったものの、ややコンディション不良もあり、思ったよりもテーマにはハマりきれず。ただ、登場する俳優陣の素晴らしい演技に圧倒される場面が多数。前作「マザ
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愚なる妻(1921年製作の映画)

3.8

エリッヒ•フォン•シュトロハイム監督の1921年のサイレント映画。オリジナルは360分あるらしいが、dvdになってる108分バージョンで。冒頭、淀川長治氏の解説付きで、日曜洋画劇場の冒頭の心持ちで鑑賞>>続きを読む

パサジェルカ(1963年製作の映画)

4.0

製作途中で、アンジェイ・ムンク監督が事故死してしまい、未完成のままだったものを友人たちが再構成して完成。
本当にこのプロットが監督が意図したものかは確かめようがないのだが、その不確かなあたりも観客の想
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神田川淫乱戦争(1983年製作の映画)

3.3

黒沢清の劇場デビュー作。
DVD版のジャケットはインテリジェンスなエロスを感じさせるが、当時のポスターやvhsのジャケットを見る限り、いかにもB級な雰囲気。

黒沢清と同じく、立教ヌーヴェルヴァーグ派
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黄金時代(1930年製作の映画)

3.6

「アンダルシアの犬」に次いで、ルイス・ブニュエルの2作目。ダリは少しだけ噛んで離脱した模様。

前作よりも長く60分の短編。
前作同様にシュルレアリスム期の芸術作品。夢の具現化を試みた内容で、全体的に
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アンダルシアの犬(1928年製作の映画)

3.4

ルイス・ブニュエルのデビュー作でありながら、かのサルバドール・ダリとの共作。アート系の匂いしかしない短編を初鑑賞。

明確なプロットは存在せず、それぞれの夢を映像化したという作品。理解を求めずに、感じ
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