TakayukiMonjiさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

ゴングなき戦い(1972年製作の映画)

3.9

ジョン・ヒューストンの72年作。
ボクシングの試合がメインでないボクサーの映画。ステイシー・キーチ演じる落ちぶれたボクサーの哀愁がすごい映画。30歳手前?そんな若者に見えない哀愁ぶり。哀愁のある音楽が
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ピクニックatハンギング・ロック(1975年製作の映画)

3.3

「今を生きる」、「トゥルーマン・ショー」のピーター・ウィアー監督。
ただただ幻想的な世界観で、はっきりと何かがわからない妖しいストーリー展開。不思議な世界観にハマれれば、ふわふわと楽しめるかも。少女た
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トランスフォーマー/ロストエイジ(2014年製作の映画)

3.6

新作”ビースト覚醒”の試写会が当選したため、見逃し作品を鑑賞。シリーズ4作目。マイケル・ベイか自らメガホンを取る。
キャストも一新されて、マーク・ウォルバーグが主演。
165分!を感じさせない、さすが
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ブリティッシュ・サウンズ(1969年製作の映画)

3.5

ゴダールマラソン再開。
商業映画から一線を引き、ジガ・ヴェルトフ集団期の極めて政治的な活動期の作品。
若き毛沢東主義者のジャン=アンリ・ロジェとの共作。前作の「ワンプラスワン」に続いて、英国での撮影。
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ガートルード/ゲアトルーズ(1964年製作の映画)

4.1

ドライヤー監督の遺作。

過去作の宗教や神話、迷信的なテーマと比較すると、平凡なテーマで地味な印象を受けるが、個人的には激刺さりした。
妻と夫のすれ違い、男女の愛について、ドライヤー監督ならではのシン
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怒りの日(1943年製作の映画)

4.1

ドライヤー監督、1943年作。
「裁かるるジャンヌ」、「奇跡」などと同様で、物語の構成、緊張感やカット割が素晴らしく、全く古さを感じさせない。
鑑賞した前述した2作は“宗教”をテーマにしていたが、今作
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ペトラ・フォン・カントの苦い涙(1972年製作の映画)

3.7

初めてファスビンダー作品を鑑賞。

今作は先にオゾンのリメイク版を観てからの鑑賞だったが、オゾンのリメイク版が噂通り、かなり忠実に再現をしているのがわかった。
一方でファスビンダー版は、ストイックな構
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奇跡(1954年製作の映画)

4.1

カール・テオドア・ドライヤーの54年作。

まずもって、映像の美しさに目を奪われる。そして、ほとんどをボーオン家の部屋の中のやり取りで展開されていくが、会話と物音の音の密度がすごい。インガーの苦悶の叫
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嘘の心(1999年製作の映画)

3.9

シャブロル99年作。これもDVD廃盤。渋谷蔦屋のVHSで。
主演のサンドリーヌ・ボネールはアニエス・ヴァルダの「冬の旅」の女優か。

教え子の少女が森で遺体で発見され、重要参考人となったのは、画家で絵
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ふくろうの叫び(1987年製作の映画)

3.8

シャブロル87年作。
主人公はまともそうに見えて、すぐにある主婦を庭から覗いているやばいやつだということが序盤でわかる。そんな主人公と並ぶかそれ以上の異常な登場人物がいっぱい出てきて笑った。
明らかに
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ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)

4.5

「ブラックアダム」のあと、「シャザム」は飛ばしてのDCユニバース。前情報なしで鑑賞。
傑作だった「ジャスティスリーグ スナイダーカット」でもフラッシュはそこまで人物の深掘りはされてなかったけど、今作は
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二重の鍵(1959年製作の映画)

3.9

シャブロルマラソン。59年作の初期作品。初めてのカラー作品とのこと。VHS鑑賞。

ブルジョワ一家の関係性に歪みが起きていくプロセスを皮肉も込めつつ、気色の悪い空気感で物語は進行。
隣人と公然と不倫す
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氷の微笑 4K 30周年記念レストア版(1992年製作の映画)

4.1

色々な変遷を経て、ポール•ヴァーホーベンが大好きになった今、30周年の4K上映がやるということで、再鑑賞するしかないと劇場へ。ちゃんと全編を観るのは25 年ぶりくらい。当時は10代で性に多感だったから>>続きを読む

小説家の映画(2022年製作の映画)

3.6

ホン•サンス監督の試写会。
上映後のトークイベントゲストに、筒井真理子さんも登壇。

ホン•サンスはそんなに観てないけど、ホン•サンス空気感の92分のコンパクトで余韻のある作品。それにしても淡々と小刻
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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

4.5

待ちに待った続編。IMAXで。

前作も“新次元の映像体験”だったが、それをさらに上回る、超革新的な映像体験だった。すごいっ!!!
自分はマルチバースの世界観は大好きだったけど、もうここまで来ると自由
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女鹿(1968年製作の映画)

3.9

フランスのサスペンスの巨匠シャブロルマラソンを緩やかに開始。
何となく、ジャケットが気になってた68年作をチョイス。VHSにて。

シャブロル作品は「石の微笑」に次いで2作目だが、気持ち悪い空気感がた
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ワン・プラス・ワン(1968年製作の映画)

3.3

ゴダールマラソン。
68年、ゴダールが撮った、ローリング・ストーンズのドキュメンタリー。ということだが、ドキュメンタリーのシーンがあるだけで、ゴダールの政治映画じゃん。

スタジオのシーンから切り替え
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.0

周りの評判も高かったこちらを鑑賞。

想像していたよりも余白の多い自由な作風。
かなり観る側の映画偏差値みたいなのを試されるようなA24が選びそうな作品。(今回は、自分の偏差値の低さに失望笑。)
とい
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怪物(2023年製作の映画)

4.0

怪物だーれだの予告編がすごく印象的だった本作。
まず持って、巧みに構成されたプロットも、美しい映像も、俳優陣の名演も、坂本龍一の音楽も含めて、凄まじい完成度の高さだということは書いておきたい。

以下
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ロバート・アルトマンのイメージズ(1972年製作の映画)

4.0

アルトマン特集上映へ駆け込み。
72年のサスペンスものだろうという前情報だけで見に行ったけど、想像のだいぶ上をいくエッジの効いた作品でかなり度肝を抜かれた!アルトマンすげぇ。

スザンナ・ヨーク演じる
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キャット・ピープル(1942年製作の映画)

3.7

ジャック・ターナーの1942年作。
ホラーの個展。直接的なホラーシーンではなく、猫族という設定、恐怖を煽る映像演出、真実は何なのかの物語のプロットなどが掛け合わされた心理ホラーとして、古さを感じさせず
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ありきたりの映画(1968年製作の映画)

3.0

ゴダールマラソン。

ゴリゴリの政治映画期に突入。
五月革命後の空気をそのままパッキングしたような作品。ひたすらに、政治ディスカッション。ディスカッションしている人の顔は映さず撮られた対話シーン。そこ
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ボディ・アンド・ソウル(1947年製作の映画)

3.9

異色ノワールという触れ込みを聞いて、過去にクリップしていたこちらを鑑賞。

富と名声を得たものが欲望の落とし穴にハマっていくような流れはフィルムノワールの空気感だが、全体を通して、ひとりのボクサーの人
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君は放課後インソムニア(2023年製作の映画)

3.5

試写会鑑賞。
原作漫画は未読、アニメシリーズをこの試写会の後から3話まで視聴。
不眠症に悩む高校生2人がたまたま物置と化した学校の天文室で出会い、秘密の隠れ家をシェアし始めることで深まっていく、青春も
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裁かるゝジャンヌ(1928年製作の映画)

4.2

100年近く前のサイレント映画とは思えない完成度。
タイトル通り、捕えられたジャンヌ・ダルクが裁かれる姿を描いた作品。おおよそ顔の表情をアップで撮ることで全てを語る、これぞ映画だなと。
神の子として、
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石の微笑(2004年製作の映画)

3.9

クロード・シャブロル初。
こんな妖しいサスペンスを撮る監督なのか、好きかも。
「石の微笑み」という放題をつけられているが、原題は”ブライドメイド”。ローラ・スメット演じるセンタがこの花嫁(主人公の妹)
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中国女(1967年製作の映画)

3.9

ゴダールマラソン。

ゴリゴリのプロパガンダ映画だと聞いていたから毛沢東と文化大革命から後の5月革命や世界の学生運動、マルクス、レーニン共産主義や当時の国際政治の背景を改めて復習して臨んだのがよかった
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愛の誕生(1993年製作の映画)

3.6

フィリップ・ガレルの93年作。初ガレル。

ジャン・ユスターシュの「ママと娼婦」のような会話劇と映像としっとり挿入されるピアノ。
上部だけの会話から見る愛の空虚さ。妻に愛していると言えない夫。未練たら
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メイド・イン・USA(1967年製作の映画)

3.2

ゴダールマラソン。1967年作。
クライムサスペンスの様相なのに、気付いたらゴリゴリの政治映画になってて、ポカーン。
原作はリチャード・スタークのアメリカの犯罪小説とのことだが、あまりにも原作からかけ
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アタラント号(1934年製作の映画)

3.8

ジャン・ヴィゴ監督長編。
新婚旅行でパリに向かう夫婦と乗組員たちとパリの喧騒が相まった、ロマンティックなドラマ。シンプルなプロットながら、人生の輝きが詰まった作品だった。1934年?!全く色褪せない。

苦い涙(2022年製作の映画)

3.8

フランソワ・オゾン新作を試写会にて。
ライナー・ヴェルナー・フォスビンダーの「ペトラ・フォン・カントの苦い涙」のリメイク作とのことで、元ネタは未見だが、一部キャラクターの設定は変わっているものの、かな
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男性・女性(1966年製作の映画)

3.7

ゴダールマラソン。
60年代ゴダールの後期、66年作。

これは先日観た「ママと娼婦」にも通じる男性と女性の関係性。奇しくも、ジャン=ピエール・レオが主演。
でも、ゴダールはもっと自由にやりたい放題や
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彼女について私が知っている二、三の事柄(1966年製作の映画)

3.3

ゴダールマラソン。

映画を使って、実験的な編集の試みが随所に感じられる構成。主人公と思わし団地妻がこの”彼女”なんだけど、時折様々なパリの”彼女”たちが観客に語りだすシーンが織り交ぜられてるので、ひ
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歴史は女で作られる(1956年製作の映画)

3.3

実在したダンサーであり、公妾(高級娼婦)のローラ・モンテスを描いた伝記物。
マックス・オフュルスはドイツ出身で、のちにフランスへ帰化した監督。今作は唯一のカラー作品とのこと。
とにかく、豪華爛漫なセッ
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ゴダールのマリア(1984年製作の映画)

3.5

ゴダールマラソン。
ゴダール映画祭にて鑑賞。

ミエヴィル監督の「マリアの本」とゴダールの「こんにちはマリア」の2部構成。
“マリア”(マリー)と”神”のくだりがあるから、キリスト教の受胎告知の話をテ
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TAR/ター(2022年製作の映画)

4.5

「インザベットルーム」、「リトルチルドレン」のトッド・フィールドの16年ぶりの監督作ということで、期待値マックスで劇場へ。(監督はもう映画は作らないかもしれなかったが、コロナ禍で何かをしないと狂ってし>>続きを読む