もるがなさんの映画レビュー・感想・評価 - 11ページ目

ガールズ&パンツァー これが本当のアンツィオ戦です!(2014年製作の映画)

3.7

TV版では語られなかったアンツィオ戦のOVA。数秒で済まされたのが驚くぐらいの健闘ぶりである。 発射音の振動とキャタピラーの音は毎回胸が高まりますね。特に主砲をガシガシぶつけ合っての鍔迫り合いはド迫力>>続きを読む

ピクセル(2015年製作の映画)

4.0

レトロゲームが現実化して襲ってくるという設定の方ばかりピックアップされるが、SFディザスターではなく本作はユルいコメディパニックである。個人的にはゲームよりもそれに立ち向かう曲者揃いのキャラクターの方>>続きを読む

千年女優(2001年製作の映画)

4.0

恋も知らない頃にすれ違って匿った男を、戦火の中で追い続ける一人の女優の物語。ただの回想ではなく、鍵をきっかけに再び物語が動き出したという演出が非常に良い。出演した映画の内容、演じた役の全てが現実とオー>>続きを読む

タクシードライバー(1976年製作の映画)

4.6

不平不満だらけの世の中に、どうしようもない底辺の男。古い映画だが、描かれている社会の閉塞感はまるで現代のよう。社会の汚さを許容できず、孤独に苛まれる時、人は容易く主人公トラヴィスのような狂人へと変わる>>続きを読む

東京ゴッドファーザーズ(2003年製作の映画)

5.0

「聖夜の奇跡」という言葉が似合う傑作である。ささやかな奇跡の積み重ねが人の絆を繋いでいく。先の読めないストーリーもさることながら、随所に仕込まれた伏線が綺麗に回収されていく様は一種の快感すら覚えてしま>>続きを読む

セッション(2014年製作の映画)

4.3

ファッキンテンポ! 狂気の世界に身を委ねなければ見えない景色がある。突然冷水をぶっかけられるかのような全編に漂う緊張感が素晴らしい!音楽に合わせたカットにシンプルな説明で、あとは狂人の演奏のみで物語は>>続きを読む

冷たい熱帯魚(2010年製作の映画)

3.8

この映画のせいで、朝ドラに出てたでんでんがまともな目で見れなくなった。その残像が焼き付くレベルの怪演である。

園子温映画のコードである主人公の精神状態の変化(翻弄→絶望→狂気)が凄まじく見てて悪酔い
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ヒックとドラゴン(2010年製作の映画)

5.0

ドラゴン殺しを生業とするバイキングの男社会の中で、落ちこぼれの少年ヒック。偉大な父に引け目を感じながらもドラゴンを殺そうとするが上手くいかない。そんな中、偶然撃ち落としたドラゴンは史上最強の一体と言わ>>続きを読む

ジョン・ウィック(2014年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

ロシアンマフィアのバカ息子がムスタングパクるついでに犬ぶっ殺したら、実は相手は伝説の殺し屋の車と飼い犬でした……というお話。

まず動機だが、言われてるほど軽いとは自分は思わなかった。動機の重さ軽さは
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クルーエル・インテンションズ(1999年製作の映画)

3.9

連れ子同士の再婚でできた義理の姉弟。名うてのプレイボーイの弟と、男をかどわかす美貌の悪女である姉は、ゲーム感覚で異性との退廃的な遊びを繰り返す。とある箱入り娘のお嬢様を落とせるかどうか姉と弟で賭けをす>>続きを読む

ヴィジット(2015年製作の映画)

4.1

ヒッチコックのような古典的なスリラーと現代的なPOVホラーのあいのこ映画。

設定や作中に仕掛けられた謎自体はそう斬新ではないのだけど、伏線のバラマキが素晴らしく、思考を上手く散らされて死角に入り込ま
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アナと雪の女王(2013年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

話題になった作品ではあるが、偏見抜きで観てよかったと思える映画の一つである。

アナは最初ちょっとウザい感じではあったけど、能動的に動くので話がグイグイ進むのはいいね。あとオラフの頭を蹴り飛ばしたシー
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ショーン・オブ・ザ・デッド(2004年製作の映画)

3.9

パロディとあなどるなかれ、しっかりとゾンビものの王道展開を踏まえた傑作である。

いつまでたっても大人になれない主人公や悪友との繋がりは大人になればなるほど愛着がわく。ボンクラには身につまされるが、妙
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マレフィセント(2014年製作の映画)

3.8

誰もが知ってるお伽噺「眠れる森の美女」の悪役マレフィセントが主体性を取り戻して悪から立ち直る物語。悪、もといあやまちをしっかり描いている所がこの映画のミソである。

映像は美しく、妖精の住まうムーア国
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ベイマックス(2014年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ケアロボットを魔改造して兄の仇と戦う復讐ものという、当初のイメージを大きく逸脱する流れになりながらも、最後はイメージ通りのハートフルストーリーに落とし込む手腕は見事。

言われてるほど日本向けだとは思
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ゼイリブ(1988年製作の映画)

3.7

資本主義に対するアンチテーゼとなっているSF作品。エイリアンが経済を牛耳って人間を骨抜きにするという、最も静かで恐ろしい侵略が行われている。

サングラスをかけると虚飾が剥がれて現れる真実の世界や、人
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リトル・ミス・サンシャイン(2006年製作の映画)

5.0

喫煙者の母親。意識高い系で自己啓発教師の父親。ニーチェに傾倒しパイロットに受かるまで無言を貫く息子。ヘロイン中毒で老人ホームを追い出された祖父。自殺未遂を図ったプルースト学者のゲイの叔父。そんなギクシ>>続きを読む

ババドック 暗闇の魔物(2014年製作の映画)

3.7

育児のストレスに疲れ果てたシングルマザーと、周りと少しズレた突飛な感覚を持つ子供。その二人が絵本を元にした怪異に襲われる。

薄暗くザラついた色調の中で、不幸な境遇の人間が得体の知れない恐怖に襲われる
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ラッシュ/プライドと友情(2013年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

実話の予備知識0で観たので、色々と意外な展開が多くて非常に面白かった。クラッシュの展開は大体予想はしていたが、てっきり道楽放蕩気質のハントが事故るものだとばかり思っていたので、ラウダの事故には驚いたよ>>続きを読む

ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!(2013年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

大人になりきれない主人公が悪友たちと青春時代に果たせなかった目的を果たすためにハシゴ酒をやる……話かと思いきや、途中から事態は急変する。『ゼイリブ』や『光る眼』等のカーペンター作品を彷彿とさせるSFオ>>続きを読む

ユージュアル・サスペクツ(1995年製作の映画)

4.7

面白い脚本の映画は数あれど、綿密な脚本といえば本作を除いて他に知らない。それほどミステリーとして完璧な脚本である。

伏せられた作中一番の謎もそうだが、それに対する仕掛けとミスリードの巧さこそが素晴ら
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パプリカ(2006年製作の映画)

5.0

筒井康隆原作の悪夢的な世界観を極彩色のビジュアルで再現しているのに驚き。夢と現実の境目がどんどんあやふやになってトリップしていくくだりは非常にスラップスティック。 そんなグロテスクな世界に咲く一輪の花>>続きを読む

ギヴァー 記憶を注ぐ者(2014年製作の映画)

2.4

設定を見るとハードなディストピアものかと思いきや、それは表面だけで、ディストピアもの特有のドライさもあまり感じない。SF的な仕掛けの面白さを期待すると裏切られた気分になる。

過去の記憶=封印された歴
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ゾンビーバー(2014年製作の映画)

4.1

例のごとく廃棄物でゾンビ化しちゃった愛くるしいビーバーちゃんたちがIQ80以下のバカ大学生たちと血みどろの生存競争を繰り広げる!登場人物全員がバカすぎて見てるこっちのIQも下がっちまうぜ!

ゾンビ+
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アルモニ(2014年製作の映画)

4.3

写実的なアニメーションに釘付けになり、夢中になって気がつけば30分経過していた。ファンタジックな設定とリアリティのあるオタク描写のマリアージュが素晴らしい。

特に主人公の属するスクールカーストや、オ
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ピエロがお前を嘲笑う(2014年製作の映画)

3.7

トリックありきの映画かと思いきや、意外に構成面がしっかりしていて、サイバーミステリなエンタメ作品として普通に楽しめる出来。ギーグな主人公が身を投じるカリカチュア化されたサイバー空間のビジュアルは独創的>>続きを読む

クリード チャンプを継ぐ男(2015年製作の映画)

5.0

これはただの伝説の足跡を追うだけのスピンオフ映画ではない。まだ「何者」でもない男が命を賭けて戦う物語である。

今までのシリーズのファンにとって老いたロッキーを見るのは一抹の寂しさを感じるものの、これ
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ガールズ&パンツァー 劇場版(2015年製作の映画)

4.1

「ガルパンはいいぞ」
それしか言えなくなるぐらい、戦車戦はまさにド迫力の一語。初っ端の砲撃の爆音で文字通り度肝を抜かれて言葉を失ってしまった。劇場で見ると戦場のど真ん中に放り出されたような錯覚に陥る。
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ディアボリカル(2014年製作の映画)

2.5

ポルターガイスト×タイムトリップ要素のホラー。アイディアや気概は買うのだが、肝心のホラー要素にあまり怖さを感じず。SFネタの理由の必要な部分と、理由のないホラーの怖さの部分の相性がとことん悪くて消化不>>続きを読む

サプライズ(2011年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

動物マスクの殺人者集団が家族パーティに乱入するホームインベージョンムービー! 巻き込まれた恋人の女は昨今流行りのバトル系サバイバル女子!獲物かと思いきやランボーだった!

まさかのヒロイン無双に、趣向
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アジョシ(2010年製作の映画)

3.8

韓国アクション映画の傑作。例のごとく、冴えないワケありおじさんかと思ってナメてたら元特殊工作員でしたシリーズ!

この元特殊工作員の質屋ウォンビンがとにかく格好いい!黒いフードに片目を隠したヘアスタイ
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デンデラ(2011年製作の映画)

3.7

現代の姥捨山物語。高齢化社会に警鐘を鳴らす重苦しい話かと思いきや、まさかのディザスター・アニマルパニックムービー。村に捨てられて復讐を誓ったエクストリームババア集団が、共同体「デンデラ」を結成し、極寒>>続きを読む

ダイ・ハード2(1990年製作の映画)

3.8

クリスマスに再視聴。大味ながらも脚本に無駄がなく、とにかく話が早い。犯罪の理由付け、社会的規模への拡大、危機的状況と、事件がスムーズに移行していく様がいい。

やはりマクレーン刑事は魅力的で、その魅力
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海街diary(2015年製作の映画)

4.2

漫画原作の実写化作品の中では、かなり面白いほうです。加えて姉萌え映画の極北であるため、姉萌え属性の人にはたまらない作品。

しっかり者の長女役の綾瀬はるかはイメージに合わないが、その無理している感じが
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カリフォルニア・ダウン(2015年製作の映画)

3.5

自粛も納得のディザスタームービー。人が無慈悲に 巻き込まれていくわけだが、それがあくまで背景の一部でしかないのが一番怖い。建物が倒壊していく中で、人がバラバラと落ちていったりグシャグシャに潰される様は>>続きを読む

8 Mile(2002年製作の映画)

4.2

今見ると身につまされるものがあって非常に面白かった。ただの貧困層の成り上がりものじゃないのがいい。

夢追い人にありがちな、先の見えない虚無感と閉塞感が凄い。ただ仲間内でつるむのは楽しいのだけど、日々
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