WillowMarraisさんの映画レビュー・感想・評価 - 11ページ目

WillowMarrais

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少年の君(2019年製作の映画)

4.0

良質な中国映画。
政治性が多分に含まれたノンフィクション。
素晴らしいショット、編集が独特。

そしてチョウ・ドンユイという稀代の存在。
なぜあんな簡単そうにボロボロと涙を流せるのだろうか。

不気味なものの肌に触れる(2013年製作の映画)

4.5

『THE DEPTH』を見た時も感じたが
彼にいっぺん本当に不気味な映画を撮って欲しい。高橋洋なんかと組んで。
WeirdではなくEerie。

魚と水のメタファーしかり
汽水域としての距離。
人間の
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FORMA(2013年製作の映画)

5.0

日本のハネケはここにいました。
「べニーズビデオ」や「71Fragments」。
気持ちの悪さだけが最後まで続きます。

冒頭、安倍公房「箱男」のオマージュなのか
映画の覗き見的性質なのか。

とにか
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やさしい女(1969年製作の映画)

4.6

言われているとおり手本のような撮り方だ。
対象が過ぎ去った後、残響のようなものが画面に残る。感情を抑えつけた彼/彼女が我々に向かって置いていくもの。

とかく、本質的な部分でこの別離は円環を成している
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ハズバンズ(1970年製作の映画)

4.4

親友が死んだという前置きは非常に重要だが
彼らの不安の煽りなのか、本来そういう杜撰な人間なのかはわからない。
どこまで演出で即興なのかも。
ハズバンドに戻る瞬間の絶望感すごい。

『フェイシズ』を見た
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べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

4.2

めっちゃ笑った。
デュラララ読んでて好印象。
メイドさんがスイートブール食ってた。

だらだらみれる映画。
たまには肩の力を抜こう。
阪元ユニバース。
高品質のB級映画。

あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.3

様々なup & downメタファー。
時折、人生を噛み締めるような瞬間が特によかった。時岡美紀。
世界は分断されてて、いかにその溝を超えてゆけるのか。
この映画が残した問いだと思う。

カナルタ 螺旋状の夢(2020年製作の映画)

4.0

夜の撮り方が素晴らしい。

映像に参加していくような感覚。
映像人類学。

マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)

3.8

様々な名作ホラーのオマージュを感じた。
『屋敷女』『サスペリア』『スキャナーズ』
etc.

こっちが「What the fuck!?」な映画だった。笑いました。

どうやって撮るんだこれ?みたいなす
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COME & GO カム・アンド・ゴー(2020年製作の映画)

4.4

こういうタイプの群像劇?は初めてかもしれない。それぞれのアクチュアリティをなるべくエンタメ的に描こうとしている。
とかく、それぞれの人生にオチはないし、必要はない。
この映画にもいらないんだろうな。
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まだらキンセンカにあらわれるガンマ線の影響(1972年製作の映画)

4.6

どんなにガンマ線に曝されても
咲き誇ろうとする、咲き誇っていい
そんなほんの小さな希望がこの映画にはある。

夢の向こうに(2020年製作の映画)

3.6

画の説得力はかなりありました。
レベル高いなあ、と。
香港トラムのシーンとか美しかった。

もっと遠くへ連れてってほしくなるタイプの映画。
始まりと終わりはよかったです。
これからが楽しみ。

パリ、テキサス(1984年製作の映画)

4.8

心に残る映画。
10年ぶりくらいに見た。
リマスター。

すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.3

役所広司は本当に衰えしらずだ。
彼の目や表情、体の動き
本当に素晴らしい。

動くな、死ね、甦れ!(1989年製作の映画)

4.8

急に惨酷なシーンが挿入されたり
急に無音になったり
時たま滑稽になったり、うるさかったり
波打つような映画だった。

あと、カメラワークがとてつもなかった。
あんだけ動いてる対象を逃さない感じ。
モノ
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スウィート・シング(2020年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

素晴らしい映画。
この時代にあえて16mm。
ただただ愛おしくなる。

最後の病院から車椅子を車に乗せて
思い出の地で思い出の歌を歌うところで
映画って最高だなと思った。

犬神家の一族(1976年製作の映画)

4.0

子供の頃ぶりにみた。
大変優れたサスペンスのスタンダードな名作。

草の響き(2021年製作の映画)

4.4

生と死。
その狭間で狂わないために何をするか。
潔く生き、潔く死ぬ。その中間。
「走る」という行為が崇高に思えたのは初めてだ。
では、自分を調律してくれている「行為」はなんなのか、そんな問いだけが残さ
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四月の永い夢(2017年製作の映画)

4.2

岩井俊二『四月物語』
小津安二郎『東京物語』を想起。

オープニングとエンディングの
詩(手紙)を読む一幕、本当に美しい。
大林的でもある。

喪失感を軸にしていながら
そこに溺れない機微を捉え
少し
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ノロイ(2005年製作の映画)

4.3

トラウマ原体験の作品。
久しぶりに鑑賞。

愚直に民俗学ホラーを虚構として作り出し織りなしていく面白さ。
こういうの増えてほしい。
禍話。

『オカルト』『カルト』に出てくるウニャウニャはここでの霊体
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ねじ式(1998年製作の映画)

-

なんというか、つげ義春のよさは漫画にあって、実写化するならもう少しリアリズムのある作品のほうがいいなと感じた。
『リアリズムの宿』なんかは映画としてよかったけど、『ねじ式』は少しえっちな寺山修司風映画
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ソナチネ(1993年製作の映画)

4.9

乾いた喉を潤すこともなく
死ぬまで芥を飲み込む。
ニヒルな天上の世界。
シンプルなタナトス。突然の暴力。
すごい映画。

JUNK HEAD(2017年製作の映画)

4.0

一作でも相当な苦労だと思うが
三部作とは壮大な物語。

弐瓶勉や星新一などを思い浮かべ
造形と声がとてもツボだった。

ゆるくみれるのがいい。
一コマ一コマの躍動感がよかった。

廃市(1984年製作の映画)

4.4

日本の風情を惜しみなく写している。
ロケ地が素晴らしいのもそうだが
それらを切り取るショットが素晴らしい。
儀礼である葬式や夏祭りでの歌舞伎。
廃れていく都市に芸術性を見出した主人公にいちばん共感した
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台風クラブ(1985年製作の映画)

4.6

子供という不安定な存在を
狂気に全振りして撮っている。
バキバキなのに
それを忘れさせるような
ダンスダンスレボリューション。
素晴らしい青春映画。

エルミタージュ幻想(2002年製作の映画)

4.5

豪奢で可憐で荘厳な映画。

まさに方舟に乗ったかのような
かつての亡霊を眼差す。
ワンカットもすごいけれど
衣装や動線もすごい。

「現在の喧騒は世界を知らないが、過去の喧騒は世界を知る」とはまさにこ
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オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

4.8

この作品の静謐さや、かつて確かにあった「Old Joy」への眼差し、戻れなさに対する姿勢が素晴らしかった。
これぞ、揺らぎの、機微の映画だ。

自分も大切な友人と異世界みたいな変な場所にいってみたい。
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サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~(2019年製作の映画)

4.2

喪失と解放のヒューマンドラマ。

くぐもった音やヘルツの高いフェイザー音によって聴力を失った感覚を追体験する。
森の音は自然と調律されているが
都市の音は調律されていない。
そういうS/N比をよく再現
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ソワレ(2020年製作の映画)

4.0

どことなくキムギドクを感じた。

主演女優の方の顔の変化というか
他者によって少しずつ解放されていく
顔面の変化が凄まじかった。

逃避行劇はこんくらい雑がいい。
セカイ系。

生きちゃった(2020年製作の映画)

4.1

不思議な映画だった。
カット割は多いのにモンタージュが美しい。

家族の描き方が素晴らしい。
悪魔のようになった家族像が印象的。

太賀の『淵に立つ』に並ぶ絶望顔。
若葉竜也の「ダメだこりゃ」

ライトハウス(2019年製作の映画)

4.3

のっけから『Solaris』のような海の映像。
終わりまでバキバキのモノクロでもはやサイレントでいいのでは?と思うほど美しかった。
だが、奇しくも音が非常によかった。
これぞ重低音という感じの、人工物
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サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)

4.1

主演女優の方の地の身体性が目を張るものがあった。表情もそうだが、指先から足先までその人の生活が滲み出ているようだった。

映画的には細田守みたいだなと思った(実際に作中でも言及される)。
両義的に軽さ
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

3.8

「軽薄さ」の描き方はよかった。
今の時代のありふれた若者像だろうし。
ペラい人間の話。

拡張版テレビドラマっぽい。
ここまで説明セリフが多いのは久しぶりに見た。
坂元裕二だからかな。

こわれゆく女(1974年製作の映画)

4.6

素晴らしい作品だった。

ここまで感情の切り替えを演じ切るのはあまり見たことはない。
振幅していく感情と表情と手癖。
そして夫や子供たち、周りの反応。
全てが正しく導かれているみたいだ。

そして狂気
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ロブスター(2015年製作の映画)

3.8

リアリティショウのようなカップリングを作るために狩りをするというディストピア映画。

色んなところに蹴りをつけず、微妙な立ち振る舞いを操れる監督だと再認識。
性、ダンス、流血。モチーフは健在。
ラスト
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プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

3.5

期待していたほどの内容ではなかったが
この作品が伝えるメッセージややり切れなさは強靭な説得力があると思う。

昨今ウケの良さそうなテーマではあるが
それ以上にエンタメとしていかに、現状を扱うかが問われ
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