WillowMarraisさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

WillowMarrais

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夢が作られる森(2015年製作の映画)

3.5

森の中で孤独を求めて暮らすおっちゃんが
自暴自棄に独白するシーンと
鳩を大事にしてるおっちゃんのシーンがよかった。

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.5

今年見た新作で一番興奮した。
これまでのジョーダンピールの理詰めな感じとそれによるアウトプットのマジカル感と社会性や政治性は好きな方だったが
今作はそれが薄くても凄いものをまた作ったなという印象。
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オカルトの森へようこそ THE MOVIE(2022年製作の映画)

-

黒石くんのカムバ。
これまでの白石ワールド総集編。

「傑作を撮る」という謎のバイタリティが
物語を推進していく。
凡庸なストーリーの中に彼のキャラ付けの魅力や過去作からの小ネタが詰まっている。
白石
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拘束のドローイング9(2005年製作の映画)

-

展覧会で見たので
映像になったものだけじゃなく
細かなドローイングから立ち上がるイメージの痕跡みたいなものも堪能できた。

トムサックスもそうだけど
外からみた日本の伝統文化が
何か再魔術化される動き
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灼熱の魂(2010年製作の映画)

4.5

友達が昔おすすめしてくれた作品。
リマスターを劇場で見ました。

脚本の出来がいい。
目が離せなくなる。
陰鬱さの背中にトムヨーク。

(フェイク)ジャーナリズムとフィクションが混ざり合って不思議な気
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北の橋(1981年製作の映画)

3.8

厨二病全開のひょうきんリヴェット。
双六と空手の型と「無敵の人」のマジカルワールド。
ドラゴンひょうきんすぎる。

終わり方がさらにひょうきんでよかった。

プティ・カンカン2:/クワンクワンと人間でないモノたち(2018年製作の映画)

3.8

ベトベトの地球外の物質出てきちゃって
終わり方も雑すぎて(?)
前作よりは好き。

アフロフューチャーを皮肉ってるのか
描いているのかわからんけど
何かとブラックジョーク(笑)で済ましてしまうのが彼の
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最低(2009年製作の映画)

3.7

割とこの頃から今泉力哉はやりたい事がはっきりしてたんだなと。
人の最低さをコメディで描く。

不気味さと笑いの境界線を突く感じが
山下敦弘と同じ系譜だとこの作品を見てより強く感じた。

心霊写真(2004年製作の映画)

3.5

なるほど小中千昭や高橋洋、黒沢清をはじめとするJホラーの発明した手法は素晴らしい物だったんだと思う。
その上で中田秀夫や清水崇の逆転の発想。

それらを大いに含んだ今作はどこか見覚えのある作品。
なん
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水のないプール(1982年製作の映画)

3.7

その昔彼の渇きの根源がどこにあったのか。

濡れ場が静かで聖性を感じるようで
途中からギャグの域に入るそのリアリズム。
彼の所作が面白かった。

内田裕也の静かさの中の熱みたいなもの。
ジンジャーエー
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ヒルコ 妖怪ハンター(1991年製作の映画)

3.6

昔ナンジャタウンでみた顔から手足の生えたバケモン。
トイストーリーでも出てくるあやつ。
小さい頃のトラウマやった。

今作でもそれが「ヒルコ」として登場する。
これ諸星大二郎原作なんや。
普通に塚本晋
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女神の継承(2021年製作の映画)

4.0

モキュなのかフィクションなのか
ブレブレなのはさておき
映画としてかなり好みだった。

タイのエクソシズム。アニミズム。
あのおばちゃんが奮闘するのかっこよかった。
陰から現れるあやつが怖すぎた。。。
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戦慄怪奇ファイル コワすぎ!最終章(2015年製作の映画)

4.5

白石ワールドの集大成(?)
コワすぎといいつつ全然怖くはなくて
やりすぎなくらいハチャメチャ超エンタメオカルトSF。
人類を巻き込んだ最終決戦へと向かう道のりはありとあらゆるムー的なものを経由していく
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こちらあみ子(2022年製作の映画)

4.7

素晴らしかった。
映像言語と漫才のようなテンポ感(それはかえって非現実的な)、そして独特のカット編集と録音と整音。

「こちら」か「あちら」かで
評価が分かれそうだけれど
自分は割と「こちら」的な小中
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マルケータ・ラザロヴァー(1967年製作の映画)

4.2

カメラに目を感じる映画だった。
モノクロの強靭なショット。
中世ってこんな決闘ばかりなのかな。
マルケータのラストがすごくよかった。
神は死んでる。それはあの頃から。

夜明けの夫婦(2021年製作の映画)

3.4

演劇的な映画でありながら
細部をつく「関東」感が結構滲み出てる。
コロナ禍の人間関係の齟齬。
テーマがあんまり肩入れできなかったのが残念。
家族(近代)の問題はみんな直面するだろうけど、その先を考えて
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殺人ワークショップ(2012年製作の映画)

3.7

POVの白石晃士に慣れすぎてしまったせいか
ENBUゼミと作った今作のカメラの綺麗さ(そうでもないんだろうけど)に驚いた。

江野氏が渋谷スクランブルに現れるシーンから始まり、それは『オカルト』のラス
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哭悲/The Sadness(2021年製作の映画)

3.7

ウイルスを前に全てが平等化する(コンプレックスの解放)のが中々に面白かった。

グロいグロい言われてたけど
生理的に無理なグロさではないというか
痛さが消失していた。
ゲーム的グロテスク。
やはり近年
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X エックス(2022年製作の映画)

3.5

ロメロの『アミューズメントパーク』がありなら、こっちもありだな。
老人の若者への嫉妬心。
老夫婦の愛?に少し感動。
所々、笑えるゴアシーンあった。
色々古典オマージュありで良質でした。

桐島、部活やめるってよ(2012年製作の映画)

4.5

青春版「ゴドーを待ちながら」

再見。
10年前ですかこれ。。
中学生の当時見に行ったの覚えてる。
今振り返ればその後の高校でみた風景と一致するなあ。
震災のあとだったから余計に桐島のメタファーが鋭く
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あなたの顔の前に(2020年製作の映画)

4.4

やさしき死の匂い。
内なる神に真理を見出し
人生を回想する。


最後まで大いなる他者が存在して
そこに及ぶことのできなさ。
静謐でいてコミカルで真をつくのがよかった。
やはり彼の目とカメラすごいと思
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呪詛(2022年製作の映画)

3.8

モキュメンタリーホラーの皮を被った
反出生物語。
と思いきや、ラストがイカしてた。

POVモキュホラーは前例がたくさんあるのでそこまで新奇性はなかったけれど(高品質なのは間違いないが)
「良き母には
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リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

4.0

映画や音楽っていいよねという素朴な想い。
時代のスピードと動きがマッチしてた。
回顧録のパッチワーク。
逆行からラストに行き着くのが
なんとも正解らしい正解なんだろうな。

もうちょっと変な感じを期待
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スラック・ベイ(2016年製作の映画)

3.2

久しぶりに迷作を見た気がする。
リンチ感は増したが
まだカンカンの方が面白い。

ブギーナイツ(1997年製作の映画)

4.4

トンデモ設定だけどちゃんと面白い。
そこまで言うなら、いつブツを見せてくれるのかと考えてしまったが、トンデモだった。
キャラクターの作りがうまい、というか一度見たら忘れられん感じ。

わたしは最悪。(2021年製作の映画)

4.0

「最悪」なままでいいと思う。
これが21世紀ってくらいの凝縮度。
自分のために生きる。
けど近代の規範は残ってる。その葛藤。
わたしはあなたにとって最悪だが
わたしにとって最高であれば
それでいいと思
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マグノリア(1999年製作の映画)

5.0

映画として、小説的として素晴らしい。
長々と断片を同時系列で語り、収束に同じ圧倒的な(怪)現象を持ち出してくるあたり、そしてそもそもフィクションじゃないかもしれないというお灸を据えておくことで、よりフ
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恋の秋(1998年製作の映画)

5.0

偶然を装い作り出す。脚本の妙。
ト書きそれ自体を作ることがそもそも必然なのに、またさらに必然を偶然かのように作り出し必然にしていく。
晩年(というか四季シリーズ)の集大成?に感じた。

なんというか出
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イントロダクション(2020年製作の映画)

4.5

そう、すべてこれから。
すべてそこから始まる。
煙草と海と友達。
そして恋人。


抱擁をまっていた。胸の中で。
からだの中を流れる血潮。
暖かいね。ぎゅっと。
「抱擁」/ カネコアヤノ

冬物語(1992年製作の映画)

4.4

あんだけ自由に振り回しておきながら
やっぱりロメールのリアリズムはそこに落ち着くんだな。
愛についてよく話していた親友のいっていたそれはきっとこの映画にあるんだろう。

一心不乱の愛。わたしとそれ以外
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囚われの女(2000年製作の映画)

4.7

断絶した男と女のデカダンス。
視線とカメラの関係が凄み。
内容は『Pola X』を思い浮かべて見ていた。

引き返した時、「Jesus…」と思ってしまったが、最後で巻き返してきた。
あの暗い海に囚われ
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PLAN 75(2022年製作の映画)

4.0

非常に恐ろしい映画だった。
冒頭から黙示録的シークエンス。
平日の回に行ったからか
とりわけ年配の方が多く
彼ら/彼女らが何を想ったのか気になる。
いくつのも横顔に憂いを見た。
この映画の結末が希望に
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野蛮人として歴史に名を残しても構わない(2018年製作の映画)

4.6

ジェレミー・デラーの≪オーグリーブの戦い≫よろしく、この映画のもっているドキュメント性、そしてアートとしての矜持を映画に昇華している気がした。

00年代にヨーロッパのアートで起こり始めた
歴史への直
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麻希のいる世界(2022年製作の映画)

3.6

あらゆるマイナー性が相対化され
ステータス化された令和を
90sの塩田明彦がどう描くのか。

いってしまえばネット漫画的な描写、アニメ世界に似たようなフィクションを感じたが、それもそれで彼なりの今日的
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EUREKA ユリイカ(2000年製作の映画)

5.0

自分を映画好きにさせてくれた作品のひとつに青山真治の『Helpless』がある。
何か自分の中に落ちるものがあった。
この『ユリイカ』もいってしまえば
その感覚を持って見ていた。

善悪の彼岸ともいう
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ノロワ(1976年製作の映画)

4.0

ひょうたん島かな?
13人も殺さなあかんのかい!
フランス6人組みたいな音楽
そこで奏でるん?
なんやその殺し方と死に方は。
ギャグなのか真面目なのか。。

『燃ゆる女の肖像』の海辺のシーンはこれのオ
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