結末の開放感が尋常ではない。
実在の人物をモチーフとしていながらも、史実に隠された真実を追うことを主旨とした映画ではなくて、抑圧された女性が自分にとって一番大切な存在を取り戻すまでを描いた女性映画であ>>続きを読む
夫人と警察との戦いで引っ張っていくのかと思いきや、その裏で起きているもっとヤバい事件が警察に攻撃される恐怖とは別の最悪な結末を想像させてきて、自分は観ていて全く飽きなかった。
また後半になると、警察>>続きを読む
他コミュニティを侵害してまで自分たちを正当化しようとする集団心理への回答と警鐘を提示するラスト。
極限状態で集団錯乱が起きる要因って、単なる恐怖や不寛容さとか価値観の違いによる分断だけでなく、麻痺し>>続きを読む
デヴィッド・フィンチャー監督は生理的に嫌悪感を催すビジュアルをスタイリッシュに見せる天才だと思う。
七つの大罪をモチーフにした殺人が行われると判明した時点で次にどんな凄惨な現場が来るのか身構える訳だ>>続きを読む
スカジャン。笑
ジャニス・ジョプリン最高だな。
ヴィレヴァン通いが好みそうなキラキラポップとバイオレンスの融合に、オッサンホイホイな映画オマージュがてんこ盛りにトッピングされた偏差値下げて楽しめるエ>>続きを読む
アマプラに全然宣伝されてないけどかなり好みだった。
アフリカ系とラテン系の若者が不条理に巻き込まれてドタバタと奔走するブラックコメディで、笑ってしまうようなシーンを挟んで進みながらも、ラストに垣間見>>続きを読む
男の見栄や世間体が女性に迷惑かけるのは中世でも変わらずで、それが名誉至上主義の騎士の価値観なら尚更なんだろうな。
女性映画ではあるけど、MeToo以降の価値観を説教的に押し付けるのではなく、最後にち>>続きを読む
理性で鑑賞するの諦めたくなるくらいシュールでナンセンスな映像の連発で、“イレイザー・ヘッド”に思い知らされた記憶が蘇ってくる。
道徳観を挑発する凄惨な暴力描写や、針小棒大に感情を爆発させて本能のまま>>続きを読む
上映当時よりも現代の方が刺さりそうなエッジの効いた風刺。
いわゆるリアリティショーなるものって当事者のありのままの姿が映し出されることの面白さを観客は期待してるのだと思うのだけど、そこに演出(強く言>>続きを読む
大富豪に文句言いに行っただけなのに目まぐるしく不条理に巻き込まれまくるヒッピーおじさんの哀愁が愛おしい。
やめときゃいいのに余計なことしてあらぬ方向に行ってしまい、それが重なってカオスな展開になって>>続きを読む
可愛い。
北欧からまた妙なアイコンになりそうなホラーが出てきたという印象。
同じ北欧ホラーのミッドサマーが大分まともに見えてくるくらいシュールで突き放した内容だけど、見方によっては非常に多角的な解釈>>続きを読む
少女達がただ森で遊んだり家でクレープ作ったりして過ごすだけの70分ちょいの映像が異様に尊い。あと4時間くらい観てられそう。
このポスターの二人、お顔にヒーリング効果があるというか、凄く「見ていたい顔>>続きを読む
キツめのテーマの物語をどことなく素朴で親しみやすいアニメーションが緩和してくれてると同時に、可愛らしくデフォルメされている故に不意に子供たちの内情に隠れてる暗い部分が垣間見えたときの切れ味が鋭く、より>>続きを読む
やっぱりセリーヌ・シアマ監督が描く青春は、そこだけ別の時間が流れているかのような不思議な幸福感がある。
一人の少女が鬱屈した日々からグレて仲間をつくり自立するまでを描いていて、グレてる時は言ってしま>>続きを読む
リンカーンの手紙の件と冒頭の並んで車を引く白と黒の馬が結末とテーマを暗喩してて後から効いてくる。
南北戦争直後の隔絶された密室に黒人と白人、さらにはメキシコ人なんかも入り混じり、そこで終始尋常ではな>>続きを読む
冒頭のショシャナの身に起きる出来事でナチ側の残忍さを見せつけられて戦慄してると、直後にバスターズ側の観客もナチ側もドン引きするような暴力性が上回ってきて、もう何かちょっと笑ってしまう。
ナチを攻撃す>>続きを読む
所謂タランティーノ節みたいなのは薄めなのに主演が彼の青春時代のマドンナでほぼ趣味みたいな作品なのが笑う。
元ネタを観ていないけど、冒頭の登場シーンからパム・グリアの魅力を見せつけまくるカットが満載で>>続きを読む
「ちょっと違う子」の生き方に社会性が介入してきたとき、それを周囲の肯定する眼差しでどこまでも幸福に向かわせてくれる作品。
自分だけの世界で生きてる子に周囲が巻き込まれた時、例えば「こちらあみ子」みた>>続きを読む
KOTEKOで皆が繋がっている感覚が良い。
アニメーションのクオリティが高すぎて笑っちゃう。
徹底的して事件や衝突が回避される映画というか。
ヤバい奴かもしれない元父に会いに行くことになったり、合宿>>続きを読む
よそ者に日常生活が邪魔されて、でも満更でもない役所広司が可愛い。
二人の間に何か大きな事件がある訳でなくて、幸一くんは撮影に参加する岸さんによって責任感と自覚を自分から持つようになるし、一方の岸さん>>続きを読む
“恋する惑星”や“天使の涙”のようなサブカル色の強い演出が鳴りを潜め、より詩的でアート色の強い仕上がりな印象を受ける。
不倫手前の男女が過ごす時間を淡々と羅列した作品だが、二人の伴侶の姿は映らず、時>>続きを読む
恋する惑星がどことなくおとぎ話じみた恋愛を描いていたのに対して、こちらより現実に根ざされた、退廃的で陶酔感のあるムードを感じる。
尋常でない色気のミッシェル・リー。
飯食う顔面を超ドアップで撮ってあ>>続きを読む
恋愛映画の美味しい所からちょっと外れてる、けど確実に恋愛の美味しい所であろう瞬間を、これぞ90年代というような空気で写し撮ったサブカル好きホイホイな映画。
渋谷系とかにも距離が近い感じがする。
中国>>続きを読む
日本好きのアメリカ人が最高級の食材を片っ端から鍋にブチ込んで煮て出来た何かを「お味噌汁だよ」って出されて飲んだみたいな気持ちになる映画。
個人的に海外の方のJAPANへのズレてる視点が微笑ましくなっ>>続きを読む
ホラー映画に働き方改革。
こういう大人の悪ふざけみたいな映画たまに観るとメンタルバランスが均等化される。
業務と休憩をきっちり分け、制服が(返り血で)汚れたら着替えていつでも清潔にし、文句の一つも>>続きを読む
観た後からずっと矢野顕子の歌詞を考えてる。
《どんなに離れていても 愛することはできる》
《もう何も欲しがりませんから そこに居てね》
自分はこの曲は大切な人と距離的な意味で遠くへ離れてしまった人>>続きを読む
他者からの悪意の介入によって、夫婦がそれぞれ内に秘めてた悪意と無理矢理に対峙させられ堕ちていく姿に一切の救いがない。
前半ラストの絶望的な悲劇にこれでもかと悲劇が上塗りされていって終始胃がヒリつく。>>続きを読む
クストリッツァ流のロミオとジュリエットで、戦争下での二人のロマンスにどうしても幸せな結末を期待してしまうが、そこはクストリッツァ監督なので切なさの中に終始引いた笑いが連投されて純粋なセンチメンタルには>>続きを読む
一度観たら絶対に忘れられないようなクレイジーなカットが凄まじいハイテンションで乱発されて終始和まさせられる。しかもカオスなのに謎に感動すら覚える。
ヒマワリ畑のシーン良すぎる。
戦争を背景にしてた「>>続きを読む
もう自分の最後の役目を覚悟したであろうじいさんが、その仕事に向かう途中で自身が関わった人や場所に再び触れて、人生のしこりとなった過去と一つ一つケリをつけていく姿が胸にくるし、それに伴ってほぼ不審者同然>>続きを読む
セリーヌ・シアマ監督が切り取る時間は、なにか突拍子も無い事が起きるわけでもないのに、そこだけに別の時間が流れてるかと錯覚するようなファンタジー味がある。
だからこそ、そこで過ごす登場人物達がなにかの>>続きを読む
お祖母ちゃんに病気がバレないように親戚一同で躍起になるだけの話なのだけど、一方は何も知らず、一方はもう会えないかもしれないと分かっていながらも別れなければならないシチュエーションが切なくてやられる。>>続きを読む
ほぼザ・ノンフィクションだった前作から格段に飛躍した印象を受ける。
密着対象が国岡さんとその周辺から研修生6人になったことで、色んなところでワチャつかせられたり、合宿にすることでそれぞれのキャラクタ>>続きを読む
男の子趣味全開。
月刊誌とかでめちゃくちゃ連載してそう。
ザ・B級アクションて感じで好きな人はたまらないのだろう。必要以上にバンバン人死ぬ。
刺客のクセ。
ちさとさんとまひろさんのキャラがそのまま>>続きを読む
ベイビーわるきゅーれの着想元のモキュメンタリーというトリッキー過ぎる設定ゆえに、日常にふらっと殺戮が入り込んできては直ぐに「お疲れっす」みたいに平穏に戻るゆるさが面白い。
社会の煩わしさから殺し屋を>>続きを読む
相変わらず鑑賞直後より考察していくとジワジワ美味しくなってくる監督の作品。
正直テーマが乱立して散らかってる印象は否めないにしても、お得意の社会風刺の切れ味は健在で、しかもより射程範囲が広くなってる>>続きを読む