otomさんの映画レビュー・感想・評価 - 39ページ目

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恋愛日記(1977年製作の映画)

3.9

『私のように美しい娘』の害虫駆除のイメージの強いシャルル・デネ。ほかにやる事ねーのかよってくらいに女性を漁る訳だけれども、キングダムのウド・キア化してもなお失われないストイックさで最後は何となくイケメ>>続きを読む

セブンス・コンチネント(1989年製作の映画)

5.0

十年ぶりくらいの鑑賞。オチが分かっていてもドキドキ、キリキリする。淡々と、あくまで淡々と日常からの...ショッキングな引越し映画。長編デビューにしてハネケ節は完成されている様に思われる。もちろん傑作。>>続きを読む

人生スイッチ(2014年製作の映画)

3.7

リミッター振り切れ過ぎで胃が痛くなってくるオムニバス。リンチやハネケなんかで味付けで挿入されそうなフラストレーション系を行けるとこまで行ってやったッて感じ。映像もなかなかのもんで、疲れるけど面白い。出>>続きを読む

豚と軍艦(1961年製作の映画)

5.0

インターナショナルゥ! 先日に続いて掃除してたら出てきたので久々の鑑賞。ま〜絶望的に惨めで貧しい。冒頭の「これは架空の物語である」とは日活の米軍に対する配慮か今平監督の悪い冗談か、いずれにせよ本編のそ>>続きを読む

グランドフィナーレ(2015年製作の映画)

4.1

デビッド・ラングの曲も含めて、構成がなんとなくグレート・ビューティーと被っている気もしなくはない。にも関わらず圧倒的な映像美と粋な台詞の数々で細かい事はどうでも良くなってくるクオリティ。あそこの場所の>>続きを読む

ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

3.9

主要パートでのクイーンの使い方とリズムのアタック感がまぎれもなくエドガー・ライト。個人的にはサイモン&ニックでイギリスな雰囲気の方が好きではあるけれども、良作。

さよならの微笑(1975年製作の映画)

3.8

変な映画だな。不倫ものでここまでドロドロしてないのは初めてかもしれない。オープニングからエンディングまで一貫して突き抜けたポップさ。なかなか。

荒野のダッチワイフ(1967年製作の映画)

4.9

掃除してたら出てきたので久々の鑑賞。脚本的に殺しの烙印と同時期の大和屋竺監督作って事で、とめどなくスタイリッシュ。感嘆するレベルの気の利いた台詞の数々と演出、熱量の高い山下洋輔クァルテットの音とで鮮烈>>続きを読む

追憶の森(2015年製作の映画)

2.5

なんかもう設定、役者、オチの全てに無理矢理感がある。マシュー・マコノヒーが渡辺謙のハンサム発言に焦ったところと、アクロバティックな垂直落下くらいしか面白さを見出せなかった。

アポロンの地獄(1967年製作の映画)

4.8

この間観た『薔薇の葬列』にチラッと出てきたので、久々の鑑賞。あるあるなこの世の地獄のテンプレで今更言うまでもなく古典中の古典。呪われた宿命の中でもなんだかんだで善を渇望するってのが唯一の救い。でも哀し>>続きを読む

ラッキー(2017年製作の映画)

4.8

色即是空でナッシング。あるがままの生を受け入れる難しさよ。達観の末のマリアッチの下りは目から汗が吹き出しそうになる。実に良かった。

セクシリア(1982年製作の映画)

3.8

カオス。うーん、この初期アルモドバル作品のゲテモノ感...すごい好き。ややもするとスペイン人に妙な偏見を抱きかねないほどの変人尽くし。アントニオ・バンデラスのデビュー作でもあるそうで、なんだかぷりぷり>>続きを読む

ネオ・ファンタジア(1976年製作の映画)

5.0

久々の鑑賞。あぁ、なんという躍動感。そしてディズニーをリスペクトしつつ、ディスるというイタリア式アニメーション。絵心やバックボーンがキッチリある人がアニメを作るとこうなる良い見本。ブルーノ・ボゼットも>>続きを読む

野獣都市(1970年製作の映画)

3.8

まぁ一応、野獣都市。無理矢理な気もするけど。それよりも何よりも小松方正の顔面から始まりメイク班の気合いが入ってるんだか、入ってないんだかよく分からん仕事ぶりが実に印象的。全体的にクオリティが高い気はし>>続きを読む

モア(1969年製作の映画)

5.0

グルーヴィー。いーなー、この頃のイビザに行って脳みそパーンしたい。ダラダラして大した映画じゃないんだけども、若い頃より何故だかことある度に観ている。ひとえにどろーんとした雰囲気とロケーションが心地良い>>続きを読む

華氏451(1966年製作の映画)

4.3

このあいだ『修道女』を観たので鑑賞。うーん、未来系。TVばっか見てると馬鹿にナルヨー的な。抑圧されたあれやこれはナチスの焚書のそれとも通ずるものがある。そしてトリュフォーのエンディングの上手さは異常。>>続きを読む

最後の審判(1965年製作の映画)

3.9

読める、展開が読めるぞッ...なんて思ってたら普通に前に観てた一本。嫌だねぇ。何か計画がフィーリング重視で手抜かりまくりな仲代達矢。筋書きとしてはイマイチなんだけども、どこかお洒落で嫌いになれない堀川>>続きを読む

少年たち/『カラマーゾフの兄弟』より(1990年製作の映画)

4.0

原作が名作中の名作なのは勿論として、そのチョイスの仕方が良いんじゃないかと。長文にて以下。
http://monaminami.com/malchiki/

ハッピーエンド(2017年製作の映画)

4.7

とりあえず携帯を投げ捨てたくなる。劇中を終始支配するキリキリ、ヒリヒリとしつつ、違和感を感じ続ける嫌〜な感じはセブンス•コンチネントの頃から一貫している。しかし、今作に関しては露骨な表現なくしてそれを>>続きを読む

ひき裂かれた盛装 「夜間飛行」より(1967年製作の映画)

4.0

主役級の成田三樹夫(レア)が観たくて久々の鑑賞。色気な藤村志保とプリプリした安田道代を相手にいつになくモテてる男前3割増しのキャラ設定。大した筋じゃないのに、唐突に無理矢理上手い事言おうとしている感じ>>続きを読む

メッセージ(2016年製作の映画)

3.5

とりあえず、R.I.P.ヨハン・ヨハンソン。で、OPEDがマックス・リヒターとはこれいかに。似てる系統ぶつけてくる意味が分からんなぁ。基本的にドゥニ・ヴィルヌーブ作品は好きではある。時間軸が大前提の映>>続きを読む

クリード チャンプを継ぐ男(2015年製作の映画)

4.0

うーん、胸熱。フルートベール駅での監督か。シリーズ中のありとあらゆる様式美を上手いこと踏襲。元々ネタみたいなお約束の数々がなんかもう、ギャグみたいな仕上がりなのに、何故だかグッとくる。ポーリーの墓とか>>続きを読む

薔薇の葬列(1969年製作の映画)

5.0

か〜わ〜いーいー。何となく久々の鑑賞。まとめは淀川長治が簡潔かつ的確にやってくれる。なんか匂ってきそうな'60年代終盤の新宿のゴールデン街的空気感と色んな意味で時代を先取りしまくる松本俊夫。モノクロ作>>続きを読む

1984(1984年製作の映画)

4.4

未来世紀ブラジル、リベリオンどころじゃなく、ド直球に映画化したマイケル•ラドフォードの心意気。二重思考の下りなんかはリベリオンとかの方が良く表現できている気はするものの、地味ながらかなり忠実にジョージ>>続きを読む

狂った夜(1959年製作の映画)

3.7

立ちんぼからってのが実にイタリア映画っぽい。敗戦からなる貧しさ故か若さ故か、ともかく徹底した各々の利己主義で夜を突き進む...末の虚しさよ。金で埋められる事は限られているんだゼと逆に思わせる。秀逸なO>>続きを読む

美しいひと(2008年製作の映画)

3.1

ニック•ドレイクの妙な使い方からして色々と納得がいかん。親父や巨匠作品以外のルイ•ガレルはただのスケベ教師にしか見えないなぁ。相変わらず彫刻みたいでかっこいいけど。レア•セドゥが好きか嫌いかで大きく評>>続きを読む

修道女(1966年製作の映画)

3.8

何となく女子が集まる学園ものにも見えてくる。筋書き自体は面白いと思うのだけれども、敢えてなのかなんなのか場面が飛びまくっていささか付いていけん。

東ベルリンから来た女(2012年製作の映画)

3.7

最小限の説明だけでもって不自由さ息苦しさを狙ってやってるとするならば成功している気がする。にしても何と云う間の悪さ。医師としてか人としてか国家にも侵略できないもんが確かにそこにあるって事で最後は何やら>>続きを読む

忍者武芸帳(1967年製作の映画)

4.3

最初こそ、なんで映画にしようと思ったかと感じるけれども、絵のお陰か演出のお陰かあまりの躍動感に次第に動いて見えてくる。割と聞き慣れた大島組の面々のアフレコも違和感なし。終わってみれば、とてもないボリュ>>続きを読む

バロン(1989年製作の映画)

4.3

鬼セットに鬼特撮とCGのない時代にこのスケール感。だけに留まらず、未来世紀ブラジル等々と同様にドラッギーな演出でより濃厚さが増す。スティングは何しに出てきたんだか良く分からんが、良作。

モダン・タイムス(1936年製作の映画)

5.0

サイレントとトーキーの絶妙至極の組み合わせ、筋書き、演出と映画的エンターテイメントの全てがこの時代にして既に詰まっている。名作なのは言わずもがな。素晴らしい。

紳士は金髪がお好き(1953年製作の映画)

3.6

軽く鑑賞。ティファニーで朝食を地で行くかの如く。パッパラパーのフリしてしたたかなモンローといかついジェーン•ラッセルが唐突に歌い出すのを愛でると云った感じ。それにしてもオリンピック選手団の水着はあまり>>続きを読む

迷子の警察音楽隊(2007年製作の映画)

4.3

個人レベルでは大っきな戦争もどこ吹く風と。酸いも甘いも知っている大人達だけれども、子供の如く人生に迷いまくる。静寂ゆえに切なさが一際大きく、優しさが胸を締め付ける一本。沁みるなぁ。良作。

鮮血の処女狩り(1970年製作の映画)

3.2

中世感が満載のオープニングでちょっとワクワクしたものの、終わってみればなんと雑な事。エロもグロもひたすら中途半端でむしろ笑えてくる。まずまず。

強迫/ロープ殺人事件(1959年製作の映画)

4.3

ラスコーリニコフみたいな若い2人の導入からの法廷劇。筋に無駄部分を描かずに進めるあたりに好感が持てる。いつ出てくるかと思いきや中盤以降に実にさり気なく現れるオーソン•ウェルズ、散りばめられる粋な台詞も>>続きを読む

天井桟敷の人々(1945年製作の映画)

5.0

回転木馬の様な190分。そんな中で噛み合う月夜があまりにドラマチック。そして洒落た台詞の宝庫でもある。圧巻。