ぺんじんさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

ぺんじん

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ある男(2022年製作の映画)

3.9

愛した男は実はその名前の男では無かった…。そのアイデンティティを巡る謎に、妻夫木聡演じる若き弁護士も巻き込まれてゆくのだった…
謎の男のアイデンティティだけではなく、弁護士の出自や死刑制度などの問題も
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いつかの君にもわかること(2020年製作の映画)

4.1

ドラマティックな演出をあえて避けて、余命わずかな父親と小さな子供の日常的な関係をじっくりと見せてゆく演出にグッときた。
養子縁組にはあまり知識は無かったけど、養子縁組を受ける側の家族も家族の数だけ色が
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オマージュ(2021年製作の映画)

4.0

現代の中年女性監督が60年代に活躍した女性監督の映画フィルムの再現に取り組もうとする映画。
中年女性監督の家族の描写とかは結構コミカルだけど、全体的にはドキュメンタリー的なタッチで結構真面目。もう少し
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.3

くぅ〜、渋い!自伝的な映画なんだけど、あえてクライマックスな盛り上がりを持って来ない!いぶし銀のような輝きを見せるスピルバーグ最新作は、映画を作る事では無く、カメラのその先にある対象について語った映画>>続きを読む

サンセット大通り(1950年製作の映画)

4.8

うわー、毒気があるダークコメディ笑
無声映画からトーキー映画の移り変わりによって、一転「過去の人」になってしまった俳優たち。過去の名声に縋り付く俳優の姿を虚実交えながら描いていて、なんか意地悪なんだけ
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バニシング・ポイント 4Kデジタルリマスター版(1971年製作の映画)

4.1

アメリカのだだっ広い荒野と砂漠を駆け抜けるダッジ・チャレンジャー。若者の反抗と敗北を描いた本作はまさにアメリカン・ニューシネマを代表する一作だ!
主人公はダッジ・チャレンジャーを買い手に届けるべく、ス
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.4

あの時あの選択をすればああなったかも…中国系移民おばさんの不満と後悔が並行世界を救うために大爆発!ユニークで奇妙な世界がもう盛りだくさんなんだけど、でもギリギリでお皿からは溢れない!映像表現の表面張力>>続きを読む

アラビアンナイト 三千年の願い(2022年製作の映画)

4.0

ジョージ・ミラーはやっぱり神話を愛するストーリーテラーだ!『マッドマックス』シリーズで神話的な物語を映像化してきた監督の最新作は「物語を物語る人」の話だ!メタ的〜。
小瓶から出てきた魔人が物語学の博士
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逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

4.2

リューベン・オストルンド最新作は意外と真っ直ぐなお下劣ブラックコメディ。世界中からありったけのお下劣スタイルを集めた、お下劣小話集だ!
ストーリーは3章に分かれているんだけど、一本のストーリーがあると
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エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)

3.6

舞台は1981年のイギリスの海辺に面する映画館。そこで働くベテランの女性従業員と黒人青年のラブストーリーを中心に、映画館とそこに働く人々の様子が描かれていく。
とにかくロジャー・ディーキンスの撮影が素
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ワース 命の値段(2019年製作の映画)

3.9

アメリカ同時多発テロ後すぐに作られた、政府補償金プログラム。この命の値段を決めるような難しいミッションに対して、特別管理人の弁護士団の苦闘が描かれた、実話を基にしたストーリーになっている。
主人公の弁
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別れる決心(2022年製作の映画)

4.3

おおっ!ラブストーリーだけど、カットの繋ぎ方が独特!事件を追っていたはずの既婚男性警官が被疑者の中国人女性に恋に落ちてしまうという視線のドラマ。一見シンプルなストーリーに、見る側と見られる側、映像と声>>続きを読む

ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

4.1

おおっ?めちゃめちゃ食人しているのに、どこか爽やかな青春ロードムービー風味。このアンバランスな感じが不思議だけど、なんだかクセになる…ルカ・グァダニーノは曲者だな…
序盤から主人公の少女が友人仲間の指
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BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.1

原作は未読だったけど、激しく力強いジャズセッションに胸を動かされた!やはり映画館で観ると音響が良い!
ちょっと前半はダイジェスト気味かなとは思ったけど、チーム結成後からは3人それぞれの特徴が出てくる感
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アントマン&ワスプ:クアントマニア(2023年製作の映画)

4.0

ねぇ『アントマン』でもスペースオペラやりたいよ〜!いいよ〜!という感じで既視感たっぷりの『アントマン3』!『スターウォーズ』は一旦終わっちゃったけど、ディズニーにはMCUがあるもんね!でも量子世界とは>>続きを読む

ベネデッタ(2021年製作の映画)

4.4

みんなで行けるとこまで行こうよ!ポール・バーホーベン最新作は、聖なるヴィジョンに突き進む修道女の物語だ!イッチャッテル〜。
少女の頃から結構リアルなキリストのビジョンが見えていたベネデッタ。修道女にな
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戦場のメリークリスマス 4K 修復版(1983年製作の映画)

4.1

これはまた不思議な映画…戦場なのに死んでいく人は切腹と拷問ばかり…「個人」と「システム」の関係性を繰り返し描く本作はまさに大島渚監督作品だ!
この作品はカンヌ映画祭で賞を取る可能性もあったらしいんだけ
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コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

4.1

思った以上に真正面の旅先ロマンス映画!携帯電話も無い90年代後半の寝台列車の一室で、たまたま同室になった男女が友情を深めていく…クーっ!なんだかいじらしくて、鼻血が出ちゃうね!(出ません)
フィンラン
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対峙(2021年製作の映画)

4.2

銃乱射事件の被害者家族と加害者家族が教会内の一室で対話を繰り広げる、舞台劇のような作品。
正直遺族たちが来る前の準備シーンは長過ぎて冗長だとは思うけど、被害者家族と加害者家族の対話が始まってからは一気
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バビロン(2021年製作の映画)

4.2

舞台は1920年代のハリウッド黎明期。おおらかで粗雑で割と下品なショービズ界に飛び込んだ2人の男女を中心に、無声映画からトーキーへの大きな流れに飲み込まれてゆくハリウッドを描いた一作。これはまさに裏『>>続きを読む

バイオレント・ナイト(2022年製作の映画)

3.6

舐めてたサンタが激強だった⁉︎ サイレンスでは無く、バイオレンス満載の今作は大人のためのクリスマスコメディだ!
ポスターで想像しているより、意外とマトモだった酔っ払いサンタ!金持ち一家の子どもを救うた
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詩人の血(1930年製作の映画)

-

上映時間51分。ジャン・コクトー初期の映像作品という事もあってか、映画というよりも短編映像を組み合わせたアヴァンギャルドアートというような作品。
多様な死の表現を通じて、死の欲動(タナトス)とその先に
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美女と野獣(1946年製作の映画)

5.0

うぉ…凄いな…隅から隅まで埋め尽くされた美術にまさかの逆再生…モノクロの画面から溢れ出るような豪華さ…これが映画なんだな…
ディズニー版『美女と野獣』は勿論観てるけど、こちらは末の妹が姉から邪険に扱わ
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オルフェ(1950年製作の映画)

4.8

うひゃー、凄い…ギリシャ神話のよく知られた話をこんな斬新なSF展開にするなんて…やられたよ…
ストーリーもSF的で楽しいけど、それに加えて映像技術も凄い!鏡の中に入っていくシーンに逆再生に映像in映像
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ブローニュの森の貴婦人たち(1944年製作の映画)

4.3

ジャン・コクトー映画祭で観たけど、これロベール・ブレッソン監督作だったのか!ジャン・コクトーは台詞監修か。
フラれた腹いせに遠回りの方法で男に復讐を図る女性とその計略に巻き込まれる「踊り子」の物語。似
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カンフースタントマン 龍虎武師(2021年製作の映画)

4.1

生身の人間が跳ぶ、そして落ちる!宙を飛んでるというよりも、スタートがもう高過ぎてほぼ自由落下だ!本当に命懸け!
スタントする事に体と命をかけた男たち(少ないけど女性もいる)の栄枯盛衰を捉えたドキュメン
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モリコーネ 映画が恋した音楽家(2021年製作の映画)

4.2

2時間30分越え!流石に長いけど、エンリオ・モリコーネの音楽家の独自性を余す事無く追った、背骨の通った真面目なドキュメンタリー。ジュゼッペ・トルナトーレが監督するのもニクイね!
もうインタビューに出て
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

4.5

いや〜ジーンと沁みるな…持たざるおっさんたちの悲哀が沁みる…
親友だと思っていたおっさんに突然嫌われてしまうおっさん…なんとか寄りを戻そうとするんだけど、一度掛け違ってしまったボタンは戻るどころかギョ
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キャバレー(1972年製作の映画)

4.6

舞台は1931年ベルリン。ナチスの影響力が次第に強まっていく中、退廃的な雰囲気漂うキャバレーで一人の女性が夢に向かって突き進んでいくストーリー。
いや〜これは元気が出る映画!ライザ・ミネリ演じる主人公
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サタデー・ナイト・フィーバー(1977年製作の映画)

3.7

ビージーズの音楽に合わせて、リズミカルに踊るトラボルタが印象的な映画なんだけど、ストーリーは貧しい青年の鬱屈した雰囲気を反映しているので全体的には暗め。『エデンの東』の雰囲気を70年代ディスコブームに>>続きを読む

ノースマン 導かれし復讐者(2022年製作の映画)

4.3

9世紀アイスランドで半裸の男たちが血みどろのバトルを繰り返す!怪しげな雰囲気一杯のロバート・エガース最新作は悪夢に満ちた武骨な歴史劇だ!
もうちょっとアクション活劇っぽいのかなと思いきや、ストーリーは
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SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

4.1

回想シーンを最低限に抑えつつ、ジャーナリズム視点からハーヴェイ・ワインスタイン事件解明の難しさをドライに描いた力作。ここまで組織ぐるみだったとは…それは時間かかるよな…
ワインスタイン結構相手を選ばず
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ドリーム・ホース(2020年製作の映画)

4.0

子どもは家を出てゆき、両親は高齢で介護が必要。そして夫は一日中椅子の上。生きがいを見失ったウェールズの小さな村の主婦が見つけたものは、競走馬の馬主になる事だった…
奥さんはレース鳩の有名ブリーダーだっ
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ノベンバー(2017年製作の映画)

4.0

中世エストニアを舞台にした、モノクロファンタジー映画。科学発達以前の寂れた農村を黒魔術とギミック満点に描く感じが、大人の絵本みたいで楽しい!
最初のクラットという魂が入った金物の寄せ集めみたいのがギッ
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非常宣言(2020年製作の映画)

4.1

ソン・ガンホにイ・ビョンホン、世界を股にかける韓国の大スター大集合!お正月にふさわしい、ハリウッド的飛行機パニック映画だ!めでたい!
舞台はコロナ禍前になっているんだけど、飛行機内でのテロがバイオテロ
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かがみの孤城(2022年製作の映画)

4.3

いや〜、良かったですね…なんかしみじみしちゃうな…
SFファンタジーではあるんだけど、この設定とかをケレン味たっぷりに描くのではなく、現実世界と地続きの世界として落ち着いて描く感じが、子どもたちの境遇
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