プライさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.8

12歳の時に惹かれ合っていた男女が、12年後の24歳、さらに12年後の36歳の時に再会を果たす恋愛ドラマ。

超傑作。恋路を描いたドラマとして最高の出来。誰もが観た後に、今まで遭遇しては辿ってきた恋路
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12日の殺人(2022年製作の映画)

4.0

女性を焼殺した犯人を探す刑事たちや関係者を描いたサスペンス・ドラマ。

実際に起きた未解決事件を題材とした本格派。謎解きを期待すると「なんだよ!風呂敷を畳む気がないじゃないか!」となる。しかし、現実世
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ずっと独身でいるつもり?(2021年製作の映画)

3.6

結婚が近づいてきた女性・恋人と別れたばかりの女性・子育てに追われる既婚女性・若さで世の中をサバイブする女性という4者4様の状況が描かれる。結婚との距離が違っても、全てに共通してるのは他人からの都合や価>>続きを読む

エイプリルフールズ(2015年製作の映画)

2.0

1年に1度、嘘をついてもいい日こと4月1日にて多くの人間たちの運命が交錯する群像劇コメディ。

本作のテーマ的にも映画作り的にも「嘘は使いよう」というのが分かる。嘘がプラスに働くことは伝わってきたが、
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ハント(2022年製作の映画)

4.0

武力的な国家に対して民主化運動が展開され、南北対立が生じていた1980年代の韓国を基に、2人の諜報員が各々で北からのスパイを探し出すサスペンス・スリラー。

諜報戦だけに情報が常に錯綜して頭を休める暇
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ゴーストバスターズ/フローズン・サマー(2024年製作の映画)

3.7

シリーズ4作目。

前作『アフターライフ』は序盤で画に動きが少なくてノッペリしており、英語音声にすると字幕をひたすら読むだけの苦行を強いられた。だが、本作はゴーストバスターズが既に稼働しているため、冒
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ゴーストバスターズ/アフターライフ(2021年製作の映画)

3.6

『ゴーストバスターズ2』の続編。主人公チームを少年少女に設定してジュブナイルに仕上げた新たな試み。前2作から変わらずに継承した要素。前作から20年以上の時を経てからこそ合わせることを許されような新しさ>>続きを読む

FLY!/フライ!(2023年製作の映画)

4.4

外の世界を恐れて住処の池で暮らし続けるカモ一家が、翼を広げて外の世界へ旅立つ冒険アニメ。

超ド王道。「怖いけど未知の世界に旅立てば、新しい感動に触れることが出来る!」という普遍的な生き甲斐がカモ一家
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フォロウィング 25周年/HDレストア版(1998年製作の映画)

4.1

創作のヒントを得るために他人の尾行を繰り返す作家志望者が、不法侵入を繰り返す男と出会って思わぬ事態に巻き込まれていくスリラー映画。

時間または時系列の操作を題材とする作品を数多く手掛けてきたクリスト
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「生きる」大川小学校 津波裁判を闘った人たち(2022年製作の映画)

4.8

東日本大震災が発生した宮城県石巻市にある大川小学校にて、津波の情報伝達と避難する準備が整っていたにも関わらず、多くの児童と教員が亡くなる事態が起きてしまい、その後の遺族たちの10年間を収めたドキュメン>>続きを読む

私ときどきレッサーパンダ(2022年製作の映画)

4.8

親の言うことを必ず守るいい子ちゃんが、ある朝レッサーパンダに変身する能力を身につけてしまうアニメ映画。

超傑作。

第一に、アニメ表現がエンタメとして面白い。肌触りが良さそうなレッサーパンダのモフモ
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パレード(2024年製作の映画)

3.0

未練を残したまま亡くなり、魂が現世に留まり続ける人々を描いたヒューマン・ドラマ。

もう2度と触れたり言葉を交わしたり出来ない大切な者を影から見守る葛藤や思い出浸りにキャスト陣の熱演と藤井監督の透き通
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ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

4.2

身の毛がよだつ凶悪なクライム・サスペンス。あらゆるコンテンツで「この作品はフィクションです」の決まり文句が表記されて流し見するけど、本作においては、その表記を見ることで「まだ、これはフィクションなんだ>>続きを読む

WILL(2024年製作の映画)

4.8

2020年の騒動後、東京を離れて狩猟や田舎暮らしを始めた名優・東出昌大さんの生活に密着したドキュメンタリー。

東出昌大さんや関係者を撮り続けた映像を、編集にて大量のカットを導入しては繋ぎ合わせて見せ
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あの夏のルカ(2021年製作の映画)

3.7

海に住むシー・モンスターの少年が友達と共に陸へ上がり、人間の世界に足を踏み入れるアニメ映画。

主人公ルカがムカつかないほど丁度いい具合でオドオドしながら夢を叶えようと励んでおり、友達のアルベルトが丁
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僕らの世界が交わるまで(2022年製作の映画)

3.9

DV被害者のシェルターを運営して社会奉仕をする母と、ネットのライブ配信で人気を獲得した政治的無関心な高校生の息子を巡る現代人を風刺したヒューマン・ドラマ。

2020年代あたりの親子像を写した凄く現代
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コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

4.7

母親の出産を機に、親戚に預けられることになった寡黙な少女が、迎え入れた夫婦の愛情により日常に彩りが加えられていくヒューマン・ドラマ。

子牛は母乳を飲まずとも粉ミルクで育てられる。同様に、直系血族では
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.7

圧巻で怒涛の映画体験。前作を遥かに凌駕する。前作は良くも悪くも静かであり、良くも悪くもシームレスで起伏が少なく、良くも悪くもいかにもドゥニ・ヴィルヌーヴらしい荘厳なSF大作としてまとまっていた。だが、>>続きを読む

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

3.8

砂の惑星を巡り、2つの一族と宇宙帝国の陰謀が入り乱れるSF映画。

眼福ポイントが多い。広大で黄土色に輝く砂漠のロケーション。砂上にマッチした荘厳かつクラシカルなメカやガジェット。人を粒サイズにしない
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宇宙人のあいつ(2023年製作の映画)

3.4

仲良く暮らしていた三男一女の四兄妹だったが、実は次男が地球の調査に訪れた宇宙人であり、調査期間が終了するまでの日々を描いたコメディ・ドラマ。

スルッとシュールに差し込む宇宙人ならではの設定を活かした
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猫とピットブル/キットブル(2019年製作の映画)

4.2

野良猫と闘犬の出会いを描いた短編アニメ。

わずか8分で生まれる感動と希望。セリフを全く用いることなく、動物たちの表情・鳴き声・キビキビしたムーブだけで異種の溝を埋めて友情へと変える過程に感動を覚える
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タクシードライバー(1976年製作の映画)

4.8

ベトナム戦争帰還兵で不眠症を抱えるタクシー運転手の青年の鬱屈した日々と凶行を描いた物語。

社会を悪化させては駄目だと思えるし、悪化したら人々に十分なケアが必要だと思える作品。ベトナム戦争時の主人公を
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梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

4.6

17世紀の朝鮮王朝時代に宮廷で起きた、王子の怪死事件を基にしたサスペンス・スリラー。

痺れる面白さ。真実の暗黙が自分と家族の身の安全となり、真実の明言が自分と家族の身の危険となる主人公の立場を活用し
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カラフルな魔女~角野栄子の物語が生まれる暮らし~(2024年製作の映画)

4.3

『魔女の宅急便』の原作者として知られる児童文学作家・角野栄子さんに密着したドキュメンタリー映画。

角野さんが持つ、目に見えるもの全てからインスピレーションを受けて物語を作り上げてしまう感性と創造力に
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52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)

2.9

東京から田舎へ引っ越しきた女性が、親から虐待を受けている少年と出会い、かつて同じく虐待を受けていた過去と命の恩人に想いを馳せたことから始まる、苦境に陥っている者たちを巡るヒューマン・ドラマ。

志尊淳
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.9

PMSを抱える女性とパニック障害を抱える男性を中心に人々の日常を描いたヒューマン・ドラマ。

病気を抱える主人公たちの見せ方がリアル。主人公たちの1人称視点を徹底的に排除して徹底的に3人称視点でカメラ
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犯罪都市 NO WAY OUT(2023年製作の映画)

3.8

『犯罪都市』の3作目。麻薬の奪取を巡り、マ・ドンソク扮する怪物刑事、汚職刑事、日本のヤクザ等が入り乱れて闘いを繰り広げるクライム・エンタメ。

安定の続編。暴力描写の見せ方は相変わらず。マ・ドンソクの
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ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

4.5

自身が執筆したスパイ小説が現実世界で起きてるらしく、それを書いた小説家が得体のしれない敵に襲われ、本物のスパイと一緒に世界を駆け巡るアクション・エンタメ。

快作。目に映るものの見え方をガラッと変える
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TAR/ター(2022年製作の映画)

4.8

音楽界の最高位に君臨する天才指揮者が、演奏の録音と新曲の創作と自身を揺るがす事件に追い詰められていくホラー(?)映画。

権力者の苦悩を描いた映画。そのような作品は歴史上の偉人たちを中心に多々あったが
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DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)

4.3

数十匹の犬を従えて「ドッグマン」と呼ばれる男が壮絶な自身の半生を物語るダークなスリラー・ドラマ。

一見すると取って付けたようなストーリーテリングである。(劇場パンフレットの解説を読むと凄く緻密な脚本
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コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)

4.4

アフガニスタン紛争にて、米軍曹長が部隊とアフガン人通訳を率いて敵地に向かう戦争映画。

数多の演出と編集を駆使し、静けさから物音をスイッチとして、静から動へ切り替わる緊迫感とスタイリッシュに満ちた極限
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映像研には手を出すな!(2020年製作の映画)

4.4

映像研究会に所属する女子高生3人組が、部活の統廃合や取り締まりを横行する生徒会の魔の手から逃れながらアニメ作品を完成させる奮闘記。

原作未読。アニメおよびTVドラマ未視聴。それでも面白い。

大人の
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淵に立つ(2016年製作の映画)

4.6

夫婦と娘の3人で暮らしていた一家に突如として夫の知り合いである謎の男が現れて住み着いてしまう怪異を含んだヒューマン・ドラマ。

開幕数10分後には謎の男を演じた浅野忠信さんから脳が侵食される。他人と空
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熱のあとに(2023年製作の映画)

4.0

2019年に起きたホスト殺人未遂事件から着想を得た作品。殺人未遂事件から6年後、愛するホストを刺し殺そうとした女性と周囲の人間を描いたヒューマン・ドラマ。

「愛するホストを刺し殺そうとした」という事
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離ればなれになっても(2020年製作の映画)

4.4

3人の男と1人の女性による1982年から2002年に渡る40年間の人生を描いた愛と友情の物語。

年代と環境ごとに求めたい愛の変遷および友情の存在意義というベタで普遍的な物語を、長回しカメラによる登場
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千夜、一夜(2022年製作の映画)

4.8

30年前に失踪した夫を待ち続ける女性を巡るヒューマン・ドラマ。

傑作。公開された年に鑑賞していたら年間ベストだった。田中裕子さんは主演女優賞で尾野真千子さんは助演女優賞だった。

前半は失踪者がいる
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