regencyさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

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友達やめた。(2020年製作の映画)

2.5

ハンディキャップを持つ者同士が織りなすコミュニケーションの齟齬。しかしその原因はハンディキャップではなく心の問題。
ハンディキャップとは、友達とは、そしてコミュニケーションとは何かを、ひたすら追究して
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プリズン・エスケープ 脱出への10の鍵(2020年製作の映画)

4.0

これまでの脱獄映画で見られがちな「知力、体力、時の運」の要素を踏まえつつ、本作では「観察力」もプラス。
脱獄道具をDIYする作品といえば『アルカトラズからの脱出』がすぐ思い浮かぶが、こちらはDIYする
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新しい街 ヴィル・ヌーヴ(2018年製作の映画)

2.5

枚数にしてわずか10ページ程度の原作短編を、よくもまぁ膨らませたなぁというのが第一の感想。原作は、元妻とよりを戻そうとするアル中な男の未練と挫折に終始しているが、アニメ化した本作は、カナダ・ケベック州>>続きを読む

れいこいるか(2019年製作の映画)

1.0

自然災害をきっかけに家族の離縁や再生を描く映画やドラマは、国内外でたくさん製作されている。
日本は地震が多い国ゆえに、そうしたジャンルの作品が作りやすい…といったら語弊があるだろうけど、個人的にはどう
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シリアにて(2017年製作の映画)

3.5

戦乱渦巻くシリアが舞台の映画だと、今年は『娘は戦場で生まれた』というドキュメンタリーの傑作が公開されたが、こちらは銃器や戦車を出すことなく、とある一家とその隣人が隠れる密室状態のアパートが舞台というサ>>続きを読む

ディエゴ・マラドーナ 二つの顔(2019年製作の映画)

2.5

エミール・クストリッツァが溢れるマラドーナ愛を全面に押し出して撮った『マラドーナ』とは異なり、こちらはイタリアのナポリチームに移籍した84年から91年までの記録に密着。
残されたフィルムに刻まれた栄光
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エレファント・マン(1980年製作の映画)

3.5

確か月曜ロードショーで放映されたのを観て以来、実に数十年ぶりに4Kで再見。
デイヴィッド・リンチがどういう監督なのかを知った今となっては、フリークスへの偏愛ぶりやホラー的演出などは、いかにも彼らしい。
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グッド・ボーイズ(2019年製作の映画)

3.5

あの青春映画の名作『スーパーバッド/童貞ウォーズ』の製作コンビが手掛けたジュブナイル映画…なのだが、やっぱり中身は下ネタ満載。
むしろ『スーパーバッド』よりも下ネタ度がパワーアップ。メインの男子キャス
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コリーニ事件(2019年製作の映画)

4.5

とかくシブい内容になりがちな法廷サスペンスものだが、本作もご多分に漏れず。被告人役のフランコ・ネロがそれにさらに輪をかけてシブい。
誰にもほじくり返されたくない過去はあるが、かといって看過するわけには
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アングスト/不安(1983年製作の映画)

3.0

この手のホラー映画は、被害者側からの恐怖を描く事が多い。しかし本作は、主人公でありシリアルキラーを主観におき、彼が狂気に走るのかをじっくりと捉えた、犯罪検証VTRの意味合いが強い。
ステディカムやズー
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バルーン 奇蹟の脱出飛行(2018年製作の映画)

3.5

まるでゲシュタポのような秘密警察に、彼らとつながる一般の密告者たち。
疑心暗鬼に満ちた、国全体が監獄状態だった東独からの脱出を図る名もなき家族の姿は、戦時中の脱獄サスペンスを観てる感覚になる。
これが
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イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり(2019年製作の映画)

3.0

実話をベースにした本作だが、フェリシティ・ジョーンズ扮するアメリアは、実際は男性。
そのため、エディ・レッドメイン演じるジェームズとの恋愛要素を高めるための変更かと思いきや、主人公の2人が、愛ではなく
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17歳のウィーン フロイト教授人生のレッスン/キオスク(2018年製作の映画)

3.0

ナチスドイツに併合される暗雲立ち込めるオーストリアを舞台に、ウィーンから来た多感な少年の成長を描く。
少年が働くキオスク(煙草屋)は、大人になるためのツールが詰まった、ある意味“大人のおもちゃ箱”。戦
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ルース・エドガー(2019年製作の映画)

3.0

アメリカで暮らす黒人へのレッテルやステレオタイプの苦い部分を暴いた一作。
中心人物のルース・エドガーの容姿やスピーチ時の佇まい、さらに劇中で出てくるフレーズ「YES WE CAN」に象徴されるように、
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ハニーランド 永遠の谷(2019年製作の映画)

2.0

北マケドニアの小さな村で、自然で巣を作るミツバチから半分蜜を採取して暮らす女性が、トルコ人一家が近所に住み着いたことで、生活様式が激変していく。
ミツバチとの共存共栄の方法を知り尽くしている彼女と、と
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アンナ・カリーナ 君はおぼえているかい(2017年製作の映画)

2.0

女優アンナ・カリーナに、パートナーだった監督が捧げたフィルム式ラブレター。
そのレターをアンナが観ると同時に、彼女を観て応援してきた映画ファンへの謝辞も含まれている。
ただこの監督、アンナと結婚する前
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SKIN/スキン(2019年製作の映画)

4.0

本作が特筆すべきなのは、ネオナチ集団が新メンバーを加入させる経緯を見せている点。貧困ゆえに生活苦で学校にも行けない少年少女たちをスカウトして、“構成員”にしていく。だから、差別主義からではなく、生きて>>続きを読む

ぼくが性別「ゼロ」に戻るとき 空と木の実の9年間(2019年製作の映画)

2.0

男性らしさ、女性らしさとは何か。そもそも「性別」とは何なのか。性同一性障害を持つ空雅は、自身の性別がなんであるかを追求していく。
中盤で登場する、78歳で性適合手術を受けた大学の元音楽学部長の言葉が、
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グランド・ジャーニー(2019年製作の映画)

2.5

本作のあらすじのベースとなっている、人間が“親鳥”となって渡り鳥を保護するプロジェクト自体は確かに驚嘆するし、賛同できる。
しかし、このプロジェクトをフィクションドラマ化した本作で描かれる、プロジェク
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誰がハマーショルドを殺したか(2019年製作の映画)

3.0

1961年9月発生の、国連事務総長が乗った飛行機の墜落事故の真相を求める監督と調査員だが、事態は予想だにしない方向へ。
こう書くと、ドキュメンタリーの域を超えた陰謀がらみのサスペンスドラマだが、実際こ
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ライブリポート(2019年製作の映画)

2.5

警官と配信サイトリポーターがコンビを組み、誘拐事件を追うという、変則型バディ・ムービー。
64分というタイムリミットが設けられているものの、変にユーモア描写を盛り込んでいるために緊迫感がなく、話の求心
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ひまわり(1970年製作の映画)

3.5

作品自体は知っていたものの今まで観る機会がなく、今回のHDレストア版で初鑑賞。
前半での夫婦の軽妙なやり取りから一転、後半は哀愁のメロドラマ展開。
タイトルにもなっている花の「ひまわり」のように、芯が
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アキラ AKIRA(1988年製作の映画)

5.0

4Kリマスター版をIMAXシアターで鑑賞。
内容に関しては改めて語るまでもないので、ここでは劇場鑑賞の感想をば。

映像に関しては、既存のバージョンとの比較ができないので何とも言えないものの、ドでかい
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ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY(2020年製作の映画)

3.0

マーゴット・ロビーのハーレイ・クインはすっかりハマり役になった感。といっても『アイ、トーニャ』で演じていたトーニャ・ハーディングともちょっとダブっているので、こういった役は天職なのかも。
ハーレイのナ
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デッド・ドント・ダイ(2019年製作の映画)

3.5

詳細レビュー↓
https://cinemarche.net/horror/the-dead-dont-die-matsu/

ゾンビ映画の始祖であるジョージ・A・ロメロは、自作に必ず何らかの皮肉を込
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ジュディ 虹の彼方に(2019年製作の映画)

3.0

まずはレネー・ゼルウィガー演じるジュディ・ガーランドの、時おり怖さを醸し出す表情のインパクトたるや。とても47歳とは思えないほどの老けぶりに驚く。あれでも晩年の本人に似せたメイクらしいが、ちょっと『愛>>続きを読む

娘は戦場で生まれた(2019年製作の映画)

5.0

開始冒頭、幼き我が子を映す母親。でもその途端、凄まじい爆音が響き、周囲から白煙が噴き出てくる。
この世に生を受けたばかりなのに、いきなり死の危険に晒されてしまう現実。
その後もカメラは、周囲で次々と起
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イップ・マン 完結(2019年製作の映画)

4.5

ドニー・イェン先生の当たり役シリーズもついにこれで完結。
実際はほぼ交流のなかったブルース・リーとのエピソードを膨らませ、それでいてしっかりとリーの映画をオマージュしたりと、ドニー先生の忖度がしっかり
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オーバー・ザ・リミット(2017年製作の映画)

3.5

あくまでもメインの被写体は、新体操選手のマルガリータ・マムーン(リタ)…のはずなのに、観終わって一番インパクトを残すのが、彼女のヘッドコーチのイリーナ・ヴィネル。
とにかくリタへの怒涛の罵詈雑言が、笑
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1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

4.0

巷で言われているように、『彼らは生きていた』とセットで観ることを推奨。
『彼らは~』も本作も、100年前の戦争を、最新デジタル技術を駆使して異なるアプローチで描くという離れ業を、見事にやってのけている
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わたしは分断を許さない(2020年製作の映画)

2.5

フリージャーナリストの堀潤が、東日本大震災後の福島をはじめとする、シリア、パレスチナ、朝鮮半島、香港、沖縄など、国内外の様々な社会課題の現場で生まれた「分断」をテーマに取材。
一番大きいのは、堀自らカ
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ザ・ピーナッツバター・ファルコン(2019年製作の映画)

3.5

ハンディキャップを抱える者を「弱き者or守られる者」というくくりにしない作品は、それこそファレリー兄弟映画が有名だが、本作はそこから一歩飛び出し、ロードムービー形式に仕上げた。
何よりも、実際のダウン
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ハスラーズ(2019年製作の映画)

3.5

製作にアダム・マッケイが絡んでいるということもあってか、全体的なルックは、女性版『マネー・ショート』といった印象。
ただ、『マネー・ショート』は男達が頭脳を使ってウォール街を暗躍しようとするのに対し、
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ナイト・オブ・シャドー 魔法拳(2019年製作の映画)

3.0

中国で広く知られる怪奇短編小説作家・蒲松齢がモデルの妖怪ハンターをジャッキーが演じるファンタジーアクションで、日本に置き換えればゲゲゲの鬼太郎meets妖怪ウォッチといったテイスト。
ただ、厳密にいえ
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世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ(2018年製作の映画)

4.0

とにかく、被写体となるホセ・ムヒカ元大統領の人間力に惹かれる。
旧型ワーゲンに乗って公務に向かえば、職務の合間にはトラクターで農作業。「世界を変えることに忙しすぎて子どもが持てなかったから」と、貧困層
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血筋(2019年製作の映画)

2.0

中国朝鮮族出身の青年が、音信不通となっていた画家志望の父親を訪ね、自分のルーツを振り返えようとするドキュメンタリー。
久方ぶりに会った父は、不法滞在の日雇い労働者として、借金取りに追われる、兄弟からも
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