るるびっちさんの映画レビュー・感想・評価 - 15ページ目

チャッピー(2015年製作の映画)

3.5

お転婆魔女ではないが(アニメ・チャッピー検索を・・・)「お茶目でチャーミング♬」。
神が自分に似せて人を創ったように、人は人に似せてロボットを創るものらしい。
だから、人間の愚かさをそのまま受け継いで
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吹けば飛ぶよな男だが(1968年製作の映画)

3.6

山田洋次喜劇の本質は、社会学者の視点があることと感じた。
「人間の幸せの追及」ことに、はぐれもの達の追及に関心を寄せている。
社会の底辺で浮き上がれずに蠢く彼らを、平等の視点で克明に描く。
緑魔子演じ
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チャンブラにて(2017年製作の映画)

3.0

おしゃぶり代わりに煙草を吸う幼児。
「おはよう」の代わりに「ぶっ殺す!」。
家業は泥棒。警察やマフィアの介入に怯えて暮らす。そんなイタリアのロマ(ジプシー)の生活。
最初から最後まで救いのない生活を永
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月蒼くして(1953年製作の映画)

3.0

→この月はそんなに蒼くない。
1953年当時、ヒロインのセリフが過激として規制を受け、反骨の塊プレミンジャー監督が映画協会脱退してまで上映し、物議をかもした作品。
今見るとどこが過激か不明。「プロの処
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蛇のひと(2010年製作の映画)

4.0

面白いのか詰らないのか判別しづらい、正に蛇のように掴みどころのない作品。
サスペンスのようだが、そうでもない。
人間の不可思議さを描いたようだが、そこまで一般的な深さはない。
最後の「だったら私が見張
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IT/イット “それ”が見えたら、終わり。(2017年製作の映画)

3.5

トトロの語源(諸説あり)となったトロールは子供にしか見えない。
この殺人ピエロも子供にしか見えず、大人には見えない。
それは、大人になったら失うたぐいの恐怖を表しているのではないか。
子供にとって一番
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ボーダーライン(2015年製作の映画)

4.2

前の奴です・・・
ラスボスが目をパチクリと驚く顔。
それは、この瞬間の観客の表情と一致している気がする。
「え? マジで?」という驚き。
正にボーダーラインを超えた瞬間。それやっちゃう? という瞬間だ
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メアリーの総て(2017年製作の映画)

3.6

クズと結婚すると不幸になるが、傑作は書けるという話。
『フランケンシュタインの怪物』を生み出したメアリー・シェリーは18歳の女性だった!!
なぜ18にして、恐怖と絶望と孤独に満ちた怪物の物語が書けたの
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マックスとヘラジカの大冒険 クリスマスを救え(2013年製作の映画)

3.3

サンタの世界にも格差がある。
ヘラジカの彼はテストパイロットとしてしか橇を引かせてもらえない。本番はトナカイに譲らねばならない。一軍入りを夢見ながら大失敗。サンタと橇を落として少年の家の納屋に墜落して
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ジゴマ(1911年製作の映画)

5.0

映画における珍品で骨董品。
元祖クリフハンガー(連続活劇)。歴史的記念碑、ジゴマが見られるだけで大感動。
なので、中身がかなり端折っていて、つぎはぎだらけでも大満足。
変装を得意とすると言いつつ、化け
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不壊の白珠(1929年製作の映画)

3.7

菊池寛のメロメロドラマ。清水宏監督がシャープに切り取っている。
好きな男性が自分の妹と結婚する。孤独な姉。
しかし天真爛漫な妹は結婚後、他の男と遊び惚ける。
姉に相談する男。密かに彼を慕っている姉の複
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ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生(2018年製作の映画)

2.5

謎の男の親、その正体がビックリ!! という程度のオチ。
2時間以上かけてそれって・・・脚本担当している原作者は相当な自信家だな。
「だから?」としか思わない。

キャラへの思い入れやハリポタに繋がる歴
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くるみ割り人形と秘密の王国(2018年製作の映画)

2.9

「飾りの多い砂糖菓子。但し人工甘味料でコクや深みはない」


あけましておめでとうございます。
今年は長々書かず、核心だけ一行コメントで書き切ります!!
嘘です。(笑) 正月から嘘つきました。

女王エリザベス(1939年製作の映画)

3.7

生涯結婚しなかったエリザベス女王。
寵臣エセックス伯との愛と猜疑の物語。
映画では30歳年上の女王が、エロール・フリン扮する若く美男子のエセックス伯の愛を信じ切れず、愛と猜疑心に苦しむ姿が描かれる。
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メアリー・オブ・スコットランド(1936年製作の映画)

3.6

王位安定のため、男子誕生を望んだヘンリー八世は妻を次々と変える。
その呪いが、異母姉妹・従姪(従妹の娘)の女同士の殺し合いに発展した。
「ブラッディマリー」なる真っ赤なカクテルは、メアリー1世の名から
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ヘンリー八世の私生活(1933年製作の映画)

4.4

前妻の処刑日が新妻との結婚式という、ブラックな幕開けで始まる喜劇。
アレクサンダー・コルダ監督と言えばメロドラマの人という印象しかなかったが、
本作では初期ビリー・ワイルダーのブラックさとエルンスト・
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ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

3.7

「ママァ~♬ やっと観たよ~ 泣けてくるよ~」
歌の力は偉大だね。

漫画『がきデカ』に、「練馬変態クラブ(パンツ一丁のムキムキ集団)」が出るが、その当時ゲイと言えばこんな扱いだった。
『マカロニほう
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オーシャンズ8(2017年製作の映画)

3.5

知人に「正義の泥棒」でないから嫌だという人がいる。私利私欲で盗むのは不道徳だからダメ。悪人の財宝を盗むなら良い。マジメか・・・😅
それは義賊という奴で、大昔の『鼠小僧次郎吉』の世界だーね。
オーシャン
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こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話(2018年製作の映画)

4.0

障害者と健常者は、人として対等の存在。
「世話してやっている・面倒見てあげている」という態度では相手が辛いし、どちらも心が休まらない。
だから大泉洋演じる鹿野は横柄にものを言う。偉そうなのではなく、お
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恋は雨上がりのように(2018年製作の映画)

3.6

彼女の心はどしゃぶりだった。
足の傷は心の傷となり、常に雨雲がかかる。
一見輝かしい彼女には言い寄る男が多く、それも雨雲のように鬱陶しい。
彼女と逆で一見輝きのまったくないダメ中年の店長。
我が子を楽
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私は、マリア・カラス(2017年製作の映画)

3.5

波乱に満ちた人生である。
美貌のオペラ歌手、世紀の大富豪との不倫。
大富豪の裏切り、恋のライバルは暗殺で未亡人となった元ケネディ大統領夫人。
天井知らずのスキャンダル。文春でなくとも飛びつく大ネタ。
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描かれた人生(1936年製作の映画)

3.5

主演は高木ブーではない。名優中の名優チャールズ・ロートン!!
ビリー・ワイルダー監督の『情婦』が騙されるのは、シナリオの凄さもあるがロートン演じるウィルフリッド卿の魅力にやられて彼の発言を鵜呑みにして
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子連れ狼 地獄へ行くぞ!大五郎(1974年製作の映画)

3.4

雪中、乳母車を押した拝一刀が行くだけでワクワクする。だって今回、乳母車は橇使用ですから。
次いで、「お手玉の剣」で文字通り脳天勝ち割られる柳生の手下に爆笑。(マーベルでリメイクして欲しいなぁ。先日亡く
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密林の怪獣群(1938年製作の映画)

3.3

『キングコング(1933年)』の影響で作られた形跡があるとのことだが、むしろ『類猿人ターザン(1932年)』の影響を感じる作品。
大都映画製作の無声映画(サイレント)。大都映画というのは、ロジャー・コ
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暁に祈れ(2017年製作の映画)

2.8

ほぼ主人公の視点だけで捉えている生々しい映像。
没入感が高く、直截に刑務所の地獄ぶりが体感できる仕掛け。
映画を観ると言うより、体感ムービーだと思う。
その為、現実的だがウエルメイドな物語の面白さはな
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マガディーラ 勇者転生(2009年製作の映画)

3.7

『バーフバリ』の原点のような作品。監督も同じ。
共通しているのは秀でた男と女のラブストーリーがあり、秀でてはいないが悪知恵の働く敵役が二人の仲を裂く。一旦は敵役の策略によって破れるヒーローだが、見事に
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ヴェノム(2018年製作の映画)

3.7

おいしく頂きました。
しかも大画面・爆音上映だったので大満足でした。

次は七色のヴェノムに活躍して欲しい。
人間の「7つの大罪」でなく「7つの欲望」を色分けして吸収する感じで。
ピンク・・・注目欲望
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ファイティン!(2018年製作の映画)

3.3

腕相撲対決映画と思われてるが違う。
マ・ドンソクと子役オク・イェリンの「カワイイ対決」映画だ!!

先手ドンソク:屈強な体で長い階段にヨタヨタ・・・カワイイ💛
後手オク:「オジサン怪物?」と、ドンソク
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パッドマン 5億人の女性を救った男(2018年製作の映画)

4.5

書籍『バカの壁』で養老孟司氏が、「わかっているつもり」で実は解っていないバカの壁を指摘している。
「出産」の番組を見て女子生徒は未来の実感を持って見るので小さな発見をするが、男子生徒は所詮他人事なので
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グッド・オールド・サマータイム(1949年製作の映画)

3.4

ルビッチの『街角/桃色の店』のミュージカル版。
『ユー・ガット・メール』の元ネタ。

恋は思い込み、愛は発見。
人は自分の立場からしかモノを見られない。
男にとって自分のポジションを脅かす嫌な女。
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阿波の踊子/剣雲鳴門しぶき(1941年製作の映画)

3.2

デコちゃん(高峰秀子)がかわいい!!
それにつきる。
あと長谷川一夫は、大河内伝次郎や片岡千恵蔵とは違うタイプのスターだ。
男性的豪快さより、やさ男の色気が際立つ。
セリフ回しも「です・ます」調で丁寧
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若おかみは小学生!(2018年製作の映画)

3.8

評判を聞いてハードルが上がったせいか、泣きはしなかった。
泣けない理由はそれだけではない。
クライマックスに向けて全ての伏線や仕掛けが入念に組み込まれており、シナリオは巧みだと思う。
監督が述べている
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ルイスと不思議の時計(2018年製作の映画)

3.3

亡くなった母親への悲しみを乗り越えて、少年が疑似家族を築く話。
ルイスは学校で友達ができないとか、唯一の友達の気をひきつける為に禁断のルールを破ってしまったとか、彼の悩みは一見そう見える。
だが真の願
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マンディ 地獄のロード・ウォリアー(2018年製作の映画)

3.0

悪夢のような映画。
残酷とか観るのを後悔するという意味ではない。
主人公の体験した悪夢を再現したような映画なのだ。
非現実的な暴力にさらされる主人公。
そのことで彼の中の暴力が覚醒する。

闇の深さが
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チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛(2017年製作の映画)

4.2

中々の拾い物だ。
まず美術力が凄い。
フェルメールの世界を再現している。
17世紀オランダの街の感じ、室内の陰影や空気感。
ラピスラズリを原料にしたウルトラマリンブルーの衣装の色など、正にフェルメール
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教誨師(2018年製作の映画)

3.5

教誨とは、教えさとす意味だと言う。
本作は6人の死刑囚との対話の内に、教誨師である主人公自身が逆に何かを教え諭され、感じとる話と見た。
生きるとは何か、死とは何か。
そもそも「生きる」ことを説くのでは
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