HAL8192さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

言の葉の庭(2013年製作の映画)

3.9

ずば抜けた絵作りと丁寧過ぎる心理描写が売りの新海誠作品。数年後にもっと一般受けを撮るが、この頃のやや渋い味わいがたまらない。

鑑賞するのは、今回で二回目だったが、初見時と随分と印象が違う。自分が年齢
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パーム・スプリングス(2020年製作の映画)

3.8

最高のリゾート地での「ループ」物。

妹の結婚式で訪れたリゾート地で、不可思議な男性と「ループ」に巻き込まれる話。基本設定はもはや説明するまでもない「ループ物」ただ、違うのは「ループ」地点がリゾート地
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プラットフォーム(2019年製作の映画)

3.5

ギミック系のスリラー映画

キューブやサークルのような不思議な密室での物語。上下に無数に続く部屋は連続しており、中央に巨大な穴が空いて、そこに食料が上の階層から順番に降りてくる。すなわち、下にいくほど
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トップガン(1986年製作の映画)

3.5

エリートの苦悩、もしくは持つ者の青春映画。

最高のルックス・イカした航空技術・更に選ばれし者の血筋で、実力を兼ね備えた主人公が、トップガンという軍隊のエリート部隊の養成施設で、頂点を目指す物語。
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劇場版 生徒会役員共2(2020年製作の映画)

3.6

OVAとしては長く、映画としては短い作品。
良くも悪くも、いつもの展開を番外編的に行っているだけなので、映画館で(1800円)払って見るのはオススメ出来ないタイプの作品。

TSUTAYAとか配信サイ
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

4.1

夕飯の時間、ブラウン管テレビの向こう側のヒーローを応援するあまり、お箸を持つ手が止まった。そして、親父に叱られた。

という、存在しない記憶が溢れ出るタイプの映画。逆に言えば、最高の大人帝国(クレしん
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犬王(2021年製作の映画)

3.7

猿楽能×平家×ロック演出!?

日本独特のアニメーション文脈を保ち続ける 「サイエンスSARU」と湯浅監督。アニメだからこそ表現できる世界は楽しめる。

ただギミック自体は、能楽という格式ばった世界に
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ビール・フェスタ 無修正版 〜世界対抗・一気飲み選手権(2006年製作の映画)

3.8

バカ映画サイコー!!!

酒と女の裸以外マトモに魅せる気がないタイプのB級映画作品。良くも悪くも、バカ方向に全振りし、ストーリー展開はバカ丸出しの演出を繰り返す。

無意味な人間ドラマや感動展開はギャ
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カモン カモン(2021年製作の映画)

3.7

子供の未来は、普遍的に不安と希望に満ちている。

9歳の甥っ子との交流が全ての映画。良くも悪くも、甥っ子を愛でる映画で、主要人物は主人公・その妹・そして甥っ子とこの3人で映画の90%は構成されている。
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ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022年製作の映画)

3.8

多次元宇宙の便利屋さんになってきた魔法使いの話。

マーベルでの、マルチバースというお話を構築する上では、便利な設定・機能が膨らんできた印象が強い作品。ある意味、ギャグ漫画でよくある次週には持ち越さな
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ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密(2022年製作の映画)

3.8

よく出来た外伝主人公アルバスの物語。

良くも悪くも仕切り直し感が強い本作、シリーズ5部作構成の3作目となるが、かなり無難に仕上げた内容。

構成としては、ハリー・ポッターシリーズの死の秘宝前編をリブ
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THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)

3.9

ワンシュチュエーションの物語

緊急連絡のオペレーター視点でのストーリーで、映画内で映される風景は殆ど2部屋のみ、現場も画面情報はまるでなく、電話口での情報を頼りに事件を探っていく。

究極の安楽椅子
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バブル(2022年製作の映画)

3.8

セカイ系映像表現を堪能せよ!

空色を基調とした背景表現に、作画パワーが割り振られた映画が作られ続けているが、ある意味本作は振り切れている。

見せたい「場面優先」の為に作られた世界観はストーリーを添
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モービウス(2022年製作の映画)

3.9

愛すべき吸血鬼ヴィランの誕生!

ここ最近のアメコミ映画の傾向は政治的思想やジェンダー問題に大きく関わり、シリアス雰囲気の作品が多い印象だった。

ただ、本作は滅茶苦茶シンプルな「オリジン物」で娯楽系
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ペット2(2019年製作の映画)

3.7

異様にデフォルトされたデザインで織りなす動物達の群像劇!

子供向けアニメに求められた奇抜な可愛さのあるキャラクターデザインで、王道な運びのお話は良くも悪くもお約束感はある。想像を絶することはないが、
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THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

3.8

ノアールの住民の為のヒーロー

完全にシリアス路線に切り替わった「DC」の濃厚なバットマンムービー。

今までの積み重ねもあったか、シンプルなタイトルながら、オリジンものではなく、活動から数年後の話で
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JUNK HEAD(2017年製作の映画)

3.9

一人の熱狂が創り出したダークで、可愛らしいSF神話。

物語は遠い未来世界、人類が創り出した奇妙な生命体達と衰退した人類の一人が地下世界を舞台に冒険を行う話。

主人公(人)はコミカルかつ記憶喪失の絶
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エクストリーム・ジョブ(2018年製作の映画)

3.8

ポリス&アクション&チキン!!!!

コメディ系のポリスアクションは由緒正しいボンクラ映画の系譜だ。シリアスになりすぎず、楽しめるポップコーンムービーとして確立されている。

本作は韓国のお国柄の「チ
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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

3.9

都合の悪い真実は耳を塞ごう、そうすれば聞こえなくなるから!

皮肉とたっぷりの隕石直撃作品!

隕石が地球に落下するこの手の話は多々あるが、本作ほど、科学者の言うことを聞かない物語は凄まじい。

現実
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浅草キッド(2021年製作の映画)

3.8

芸人ビートたけしの自伝的作品。
テレビの権威主義の頂点を笑えるか?

ビートたけしという人物の自伝的作品だが、舞台は思いっきり昭和で、それゆえに、実は本作はかなり観客のターゲットを絞った作品のように感
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スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年製作の映画)

4.1

観客が「本当」に見たかったスパイダーマン神話!

本作を単純に、マーベルユニバースの中のスパイダーマンシリーズ第3作目として鑑賞する事は不可能だが、それでも最高の「シリーズ」作品に仕上がっている。
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映画 えんとつ町のプペル(2020年製作の映画)

3.5

夢追い人は「何」を望むか?
「星」と「夢」と「教え」について

この映画を観に行く事を「プペる」という動詞が発生するほど、ある意味ネットミームになってしまった本作。原作が「絵本」が元になっている故か、
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音楽(2019年製作の映画)

3.3

実験映画は周囲を知ってから?

たった一人の7年間の制作秘話とか、カルト的人気がある漫画が原作だとは知らずに鑑賞。

独特の作画とキャラクターデザインはやや飲み込み辛かったが、ゆるいモナトリアム不良の
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劇場版 呪術廻戦 0(2021年製作の映画)

3.9

ネクスト鬼滅でも、ジェネリックエヴァンゲリオンでもない、呪術廻戦の前日談!

物語はアニメシリーズの一年前、作品自体も、ジャンプ本編シリーズの前の短期集中連載の内容を忠実にアニメ映画化した作品。

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ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ(2021年製作の映画)

3.8

ゴア控えめの可愛い寄生生物との暮らし!

前作から、PGが下がったせいか、かなりゴア要素が抑え目になり、グロテスクな表現は少なく、なおかつ見せないようにしている。

そのせいか、ヴェノムがお茶目な隣人
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ミラベルと魔法だらけの家(2021年製作の映画)

3.8

最近の問題意識を詰め込んでいるけど、良くも悪くもいつものディズニー!

魔法を授かった家の中で、唯一魔法を使えない主人公を語り部にしてストーリーは進んでいくミュージカル作品。

キャラクターの魅力とリ
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エターナルズ(2021年製作の映画)

3.5

明らかな後付設定とポリティカルコレクト配慮、そしてその先にあるものは壮大な神様のマッチポンプか!?

 マーベル映画(MCU)は現在、フェーズ4という「エンドゲーム後」の世界を舞台に行われているが、フ
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グリーンブック(2018年製作の映画)

4.1

最高の二人のロードムービー!!!

差別意識がバリバリにあった時代の南部アメリカを舞台に、黒人のピアニストとその運転手(イタリア系白人)の三週間の演奏ツアーがこの物語だ。

演奏ツアーでの旅路であるた
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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

3.6

基本形SF王道貴種流離譚……ただし物語全体の冒頭が、2時間半続く作品。

本作は有名な古典SFの正当過ぎる映画化で、とにかく贅沢な絵が続く。この映画の10分の1の制作費でも日本なら超大作と言われるレベ
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

3.8

二つの意味でとってもカルト的な映画。

基本設定はホラー映画の文脈に、よくある大学生旅行の女性主人公視点なのだが、色々ぶっ飛んだ内容。

全体的にドラッグ・性描写・宗教様相をふんだんに盛り込んで、あの
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パワーレンジャー(2017年製作の映画)

3.5

なんだか色々惜しい映画。

日曜日の朝にやっている戦隊特撮をアメリカでリブートとした作品。このフォーマット自体は悪くはないが、映画にするにあたって、ブレックファスト・クラブよろしくの青春映画を題材にし
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シャン・チー/テン・リングスの伝説(2021年製作の映画)

3.8

カンフーアクション×MCU新ヒーロー!

エンドゲーム後の世界での新ヒーロー誕生譚。キャラクターはアジア人での挑戦で、新しい風は吹かせられるか!?

ストーリー展開は、王道の貴種流離譚で、悪役が主人公
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岬のマヨイガ(2021年製作の映画)

3.6

震災後の世界での擬似家族もの。

震災後の居場所のない主人公達を不思議なマヨイガでお婆さんが受け入れ、血のつながらない者通しで、生活していくお話。

声優はメインを女優の大竹しのぶと芦田愛菜が熱演し、
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フリー・ガイ(2021年製作の映画)

3.9

観賞後、小気味良く映画館を出て、駐車場までのエレベーターの中、つい独り言で「面白かったなぁ」と呟いてしまった映画。観に行けてよかった。

物語の設定はゲーム内の人物が、自分はこの世界ではなく「モブ」だ
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アメリカン・マーダー: 一家殺害事件の実録(2020年製作の映画)

3.5

ドキュメンタリーとして、実際の事件を再編集した内容。ある意味、誰が犯人か分かってしまう。

後味の悪いが物語として、現実ながらよく出来てしまっている。あの往生際の悪い感じはフィクションでは出せないな。

ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結(2021年製作の映画)

3.9

悪役達のガチ決死作戦!

ディズニーから追い出され、マーベルを撮れなくなったジェームズ・ガン監督がDCに拾われ、好きに撮れた一作!

マーベルではレーティング的に出来なかった演出とアンチヒーロー的物語
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