SPNminacoさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

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ガンパウダー・ミルクシェイク(2021年製作の映画)

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特に新しくないというかオーソドックスな話を、ちゃんとアクションでもって推進していくのですごく面白かった。
銃だけでない武器活用(ブロンテ、オースティン、ウルフは武器なのだ)、身体能力と知能力。そして個
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ランブル 音楽界を揺るがしたインディアンたち(2017年製作の映画)

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言ってみれば、アメリカのルーツ・ミュージックのルーツに先住民インディアンの音楽があった。R&Rにはリンク・レイが、ブルーズにはチャーリー・パトンが、ジャズにはミルドレッド・ベイリー(大好きなのに知らな>>続きを読む

百萬圓貰ったら(1932年製作の映画)

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大会社社長の遺産を相続した、ランダムに選ばれし人々を描いた連作オムニバス。ほんとは百万ドルなんだけど、百万円でいいから私にもくれ。
しがない従業員、娼婦、詐欺師…と突然大金が舞い込んだ庶民の様々な反応
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ソウルメイト/七月と安生(2016年製作の映画)

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13歳から大親友だった七月と安生はどうして別れてしまったのか。現在の七月が書いた小説として回想する安生。対照的な2人の背景には、中国の経済的格差も重ねて見て取れる。
自由奔放に旅する安生は家を求め、家
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わたしの叔父さん(2019年製作の映画)

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朝起きてから寝るまで、ほぼ台詞なしアップショットなしで農家の1日をまず見せる。クリスは脚が不自由な叔父の面倒を見ているが、分担連携して仕事や家事をこなしていく。叔父の前に黙って石鹸ボトルを置く仕草、2>>続きを読む

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

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マクドナー映画は『ヒットマンズ・レクイエム』が煉獄、『セブン・サイコパス』が天国、『スリー・ビルボード』が地獄だったとすれば、今回はそのどこでもない現世なのかしら。
話はコルムがパードリックとの友好関
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揺れるとき(2021年製作の映画)

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大人の世界と子どもの世界の間で揺れる10歳のジョニー。家では妹の世話をしながら時々理不尽なママと頼りにならない兄と暮らし、学校では自分を新しい場所へ導く担任のジャン先生を慕う。大人の事情は子どもの事情>>続きを読む

ブラック・イナフ?!?-アメリカ黒人映画史-(2022年製作の映画)

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アメリカ映画の中で黒人はどう描かれて、どう位置付けられてきたか、これまでの表象を主体者の視点で捉え直す。その点で『トランスジェンダーとハリウッド』と並んで意義あるドキュメンタリー。更に、実は創成期から>>続きを読む

波の間に(2021年製作の映画)

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女優を目指すアルゴとアルマは大の親友。アルマが初の大役、アルゴがその代役を得て、夢が叶ったかに見えたが…アルマには秘密があった。
『フォーエバー・フレンズ』とか女の友情ものにはこういう展開が多い気がす
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マリアンヌ(2021年製作の映画)

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湖で起きたバス事故から子供たちを救出したマリアンヌと、彼女を取材する女性の2人芝居。マリアンヌが答えをはぐらかし、英雄視されることを拒むのはなぜか記者は探ろうとするが、そこはわからなくもない。それより>>続きを読む

バイバイ(2021年製作の映画)

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田舎の実家に帰省した作家が、昔好きだった同級生と再会。情けない主人公だけど、もう戻れない若き日々と恋と両親からバイバイと旅立つまでを甘酸っぱく歌う、ミュージカル調ロマコメだった。

パロマ(2022年製作の映画)

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ヒッチハイクするドラァグクイーンのパロマを乗せたトラック運転手マイク。「自分の居間」であるトラックに迎え入れたマイクも、ハイヒールを脱いだパロマもその時点で心を開いている。でも2人の間にはパロマが運ぶ>>続きを読む

小説家を見つけたら(2000年製作の映画)

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文才ある少年と隠遁生活の作家、見つけるのはお互いのことだ。窓を通じて老師匠が可能性を閉ざされそうな若い才能を、若者は世捨て人の人生を外に解放する。ガス・ヴァン・サントなので『グッド・ウィル・ハンティン>>続きを読む

エレファント・ウィスパラー:聖なる象との絆(2022年製作の映画)

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群れからはぐれた野生の子象を飼育するベッレとボマンは、里親みたいなもの。子ども同様に愛情を注ぎ世話をする日々を美しく捉えたドキュメンタリー。
密林のドローン空撮や巨岩登り(怖っ)のスケール感と、親密な
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スピード&ラブ(2022年製作の映画)

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漫画タッチのギャグ演出で畳み掛ける熱血スポーツスタッキング映画…ではなく、甲斐甲斐しく尽くす女VSそれに甘えっ放し男のロマコメ…でもなく、生活VS競技のやはり熱血スポ根映画!『ハッピー・オールド・イヤ>>続きを読む

パメラ・アンダーソン、ラブ・ストーリー(2023年製作の映画)

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ゴシップ記事やテープ流出事件は記憶にあるけど、それよりパメラといえば昔深夜TVで観た『バーブ・ワイヤー』だった。ドキュメンタリーではその撮影中の辛い出来事が明かされ、不本意な失敗作とされるものの、私は>>続きを読む

ストーリー・オブ・フィルム 111の映画旅行(2021年製作の映画)

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「映画はボーダーレス」だと、国やジャンルを跨いでリンクさせるシネフィル・エッセイ。メジャーとインディ、英語圏と非英語圏、近作と旧作をバランス良く、映画史とはまた違った切り口で取り上げてある。淡々と詩的>>続きを読む

フレンチ・イグジット さよならは言わずに(2020年製作の映画)

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破産したNYから息子と猫ちゃんを連れ、パリへ脱出したフランシス。没落貴族みたいな暮らしぶりの母子には、ずっと死の影が付きまとってる。客船には霊能者と遺体、パリで親しくなる未亡人、亡き夫と思われる黒猫。>>続きを読む

ユー・ピープル ~僕らはこんなに違うけど~(2023年製作の映画)

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白人ユダヤ教徒とブラックムスリムが結婚しようとしたら。お互いの家族が人種偏見、マイクロアグレッションを直接ぶつけ合う気不味さを皮肉たっぷりな笑いに包んだロマコメ。奴隷制度とホロコーストで張り合うとか、>>続きを読む

運命の回り道/リンボー(2020年製作の映画)

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スコットランドの辺境の島で、難民認定を待つ男たち。ゆるい間合いやナンセンスな掛け合いは不条理コメディタッチだ。日本と比べたらマシな処遇に見えるとはいえ、喜劇にしていいのかしらと不安になるが、やがてすぐ>>続きを読む

音のない世界で(1992年製作の映画)

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聾学校の一学期を通して、遊んだり学んだりする子どもの周縁に、食卓を囲む家族や、授業で教えたりパフォーマンスしたりする大人の姿がある。また、子どもと大人の間くらいの若者のインタビュウ、更に子どもたちの将>>続きを読む

私たち(2021年製作の映画)

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整備士、看護師ら移民労働者と、無人の風景、監督自身の在りし日の家族を撮ったホームビデオ…一見ランダムな断片には連鎖した流れと詩的な余白がある。お年寄り、強制収容所の子どもたち、団地の子どもたちや若者、>>続きを読む

素顔の私を見つめて…(2004年製作の映画)

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自分を表に出さない、出せないのをパックした顔で暗喩したオープニングが巧い。レズビアンであることを隠したウィルと、まさかの妊娠が発覚して子供の父親を隠すママ。どちらも身内ではタブー視されるからだ。
でも
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THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

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覗く裏窓、雨降り続く夜の街での猟奇的殺人事件。『セヴン』を思わせるルックで、90年代にあったようなサイコスリラー&ノワール風に始まる。バットスーツにバットモービル、黒目コンタクト、ブーツ、葬式、雨傘、>>続きを読む

ヴォイジャー(2021年製作の映画)

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人類存亡をかけて宇宙の彼方へ飛ばされた若者たち。唯一の保護者コリン・ファレルがいなくなれば、限定空間に長く閉じ込められた未成年だけの社会はあっという間に秩序が崩壊。
リーダー格タイ・シェリダンと反抗的
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レンブラントは誰の手に(2019年製作の映画)

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レンブラントの描いた肖像画を取り巻く人々を描くドキュメンタリー。登場人物が多く複雑なんで、刑事や探偵の部屋によくある壁に顔写真と資料を赤い糸で繋いだ相関図が欲しくなった。
それぞれに「我がレンブラント
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殺したいほどアイ・ラブ・ユー(1990年製作の映画)

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女たらしのイタリア男VS旧ユーゴ出身の妻とその母。一家の営むピザ店の壁にはケネディやシナトラの肖像画、「殺人はアメリカの国技」ということで、差し向けた殺し屋はリンカーンのマスク(ケネディと暗殺つながり>>続きを読む

東京の闇(1982年製作の映画)

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オリヴィエ・アサイヤスの初期短編。スタイリッシュなモノクロでキメたなんちゃってスパイ&ノワールは、鈴木清順や日活映画のオマージュかな。ずっと流れる和楽器やアナクロなトーキョー、日本趣味のいかがわしさは>>続きを読む

美しき大河/ベルリバー(2022年製作の映画)

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南部ルイジアナ州ピエール・パート、ミシシッピ川とともに生きる…というか、殆ど水の中で暮らしてるような家家の風景。度重なる水害でも見捨てられたような、時代に取り残されたような人々の生活と文化。元フランス>>続きを読む

不安な体(2021年製作の映画)

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ぴろーっ、べろーん、ぺとっ、ぼよーん、むぎゅーっ、ぺらーっ、ぺりっ。水尻自子によるこのアニメーションは「十和田市現代美術館からの委託作品でありつつ、日本とフランスの国際共同製作作品」なのだそう。シンプ>>続きを読む

ポゼッサー(2020年製作の映画)

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スタイリッシュに殺伐とグロテスクなクローネンバーグ家映画と、実体性なくぼうっと虚ろなアンドレア・ライズボローは相性が良い。ヌメヌメ&グチョグチョした血と暴力、脳に接続した回路。現実離れした世界で乗っ取>>続きを読む

そんなの気にしない(2021年製作の映画)

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若い客室乗務員カサンドラをほぼ常にバストショットで追うカメラ。狭い機内、混み合うクラブ、狭い部屋。楽じゃない仕事をこなし、オフは夜遊びで刹那を楽しむだけの閉塞した日常。でもそんなの気にしない。欲もない>>続きを読む

アンテベラム(2020年製作の映画)

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奴隷をいたぶるプランテーションで始まり、およそ3部構成の捻った展開だが、全編がホラー演出である。何も知らずに観れば、2つ目のパートで主人公が過去の亡霊に遭遇するのか、それは因果なのか…と思わされた。け>>続きを読む

エノーラ・ホームズの事件簿2(2022年製作の映画)

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続編はすぐ事件に入って話が早い。前回はサフラジェット、今回はマッチガールストライキ。エノーラの事件が社会問題と直結するのは、それに無関心でいられるのが男の特権であるシャーロックと違うから。でも今度はシ>>続きを読む

グロリア 永遠の青春(2018年製作の映画)

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セバスティアン・レリオ監督がセルフリメイクしたアメリカ版。細部が色々置き換え変更されてはいるけど、粗筋は同じ。オリジナルで印象的だった要所要所の場面もおんなじだ(路上マリオネットの場面も)。主演ジュリ>>続きを読む