SPNminacoさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

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アフリカン・ウエディング(2013年製作の映画)

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自慢のカスタムカーは理解されず独身で肩身が狭い白人アフリカーナーの男ファニーと、大学出で進歩的なズールー族の女ディッキーが結婚しようとしたら。2013年作だけどアフリカーンス語とズールー語と英語が行き>>続きを読む

MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

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赤い部屋と緑の屋敷。木から落ちるリンゴと落下する男。
主人公ハーパーがトラウマと対峙していて、この村と男たちが死んだ夫とミソジニーのメタファーで、ここまでして男の求めるものを聞いてやらなきゃないのかと
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スザンヌ、16歳(2020年製作の映画)

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フランスでまた少女の通過儀礼映画か…とありきたりなものを思わせるけど、ちょくちょく笑わせもして意外と面白かった。スザンヌがとにかく真面目な子なのが良い。
同級生には馴染めずぼんやり物思いにふけるスザン
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シング・ア・ソング!~笑顔を咲かす歌声~(2019年製作の映画)

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以前ギャレス・マローンのドキュメンタリー・シリーズで観た、軍人の妻合唱団。その映画化はオリジナルストーリーで、英国お得意のハートウォーミングなチーム映画に。
ウザいほど張り切る大佐の妻、やる気なかった
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WEEKEND ウィークエンド(2011年製作の映画)

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親しい友人のホームパーティから、クラブで出会った他人と過ごす週末へ。友人に囲まれた場所では少々よそゆきの顔、2人きりの家では濃密な時間。日頃ゲイはオープンにセックスを話さないし誰も聞きたがらない(職場>>続きを読む

恋の骨折り損(1999年製作の映画)

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ケネス・ブラナーお得意のシェイクスピア戯曲を往年のハリウッド・ミュージカル仕立てで。タイトルクレジットとモノクロの幕開けからすべてが様式美!
オール・スタジオセット、テクニカラー風に赤青黄緑のドレス、
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TITANE/チタン(2021年製作の映画)

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フェティッシュでヌメヌメぐちゃぐちゃにグロテスクなボディホラー監督ジュリア・デュクルノーは、デヴィッド・クローネンバーグの後継者?(いや、息子ブランドン・クローネンバーグがいるけどさ)なにせ今回はクル>>続きを読む

アフター・アワーズ(1985年製作の映画)

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深夜のNYで不条理な出来事に遭遇し帰れなくなる男。タイトルクレジットから急ぎ足で、最初だけロマコメみたいに始まるが、ロザンナ・アークウェットはじわじわ変だし、ほんの脇役も濃すぎるし、何故かひと気のない>>続きを読む

わたしは最悪。(2021年製作の映画)

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三人称なのに、なんで邦題を一人称にしたんだろ?
コミック作家である一回り年上の彼氏アクセルと違って、何者でもない自分に自信がないユリヤ。オスロの狭く小さな世界でパーティから別のパーティへ、今の男から新
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ジャネット(2017年製作の映画)

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信仰深いからこそ戦争や略奪支配に誰より心痛め苦しむ少女。神に委ねるだけでは変わらない(それがカトリックだけども)と、立ち上がるまでのジャンヌ・ダルク伝説プロローグ。『ジーザス・クライスト・スーパースタ>>続きを読む

別れる決心(2022年製作の映画)

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刑事と被疑者、眠れない男と眠らない女。すぐにシンクロする視線と動作。青く深いエメラルド色の海と山、原発とよく似た形の岩山。翻訳機を介した韓国語と中国語、お互いの声や文字は、手がかりを残しては消え、読み>>続きを読む

靴ひものロンド(2020年製作の映画)

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奇しくも『AIR/エア』に続いて、これも靴と契約の話だった。夫から突然浮気を告白された妻、修羅場と泥沼…ってどうしてもベルイマン『ある結婚の風景』を重ねずにいられない。でも80年代はじめから時間は流れ>>続きを読む

AIR/エア(2023年製作の映画)

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一種のチームスポーツものの面もありつつ、早口大量のダイアローグでコメディタッチに展開する会話劇だけど、アーロン・ソーキンとは趣が違う(ソーキンなら歩きながら喋る)。地味に太った中年男ソニーを中心にナイ>>続きを読む

セイント・フランシス(2019年製作の映画)

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高齢出産ギリギリとされる34歳ブリジットは、引け目があってもミレニアム世代ほどエモくなれず、かといって自分の親世代ほど前向きにさばけず、現代的価値観と古い価値観の狭間世代。彼女を中心に描かれる各世代、>>続きを読む

ネクスト・ゴール!世界最弱のサッカー代表チーム0対31からの挑戦(2014年製作の映画)

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あの歴史的大敗は知ってるけど、その後もまたドラマか漫画を地でいくような熱く爽やかなドキュメンタリーだった。タイカ・ワイティティによる映画化も納得。
ブラジルW杯予選に挑むアメリカ領サモア代表チーム、そ
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レディ・マクベス(2016年製作の映画)

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シェイクスピア「マクベス」を下敷きにした小説原作。大まかな展開に沿いながら、自らが暴君となるマクベス夫人がアンチ・ヒーローみたいに見える。
裕福な商家に嫁いだキャサリンは「室内飼い」の犬同然だが命令に
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三姉妹(2020年製作の映画)

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三姉妹の誰もが壊れててつらい。それも平坦な地明かりで撮られ、よく怒鳴ったり叫んだりするし、関わる男がみんな酷いのもしんどい。けど1人が病気であること、神と教会の欺瞞に対する辛辣な視点などベルイマン『叫>>続きを読む

恋人まで1%(2014年製作の映画)

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『マッシブ・タレント』のトム・ゴーミカン監督デビュウ作は、ロマコメ。遊び人ザック・エフロンと真面目マイケルBジョーダンとチャラいマイルズ・テラーが真実の愛に目覚め成長する、って定番王道を男トリオにした>>続きを読む

マッシブ・タレント(2022年製作の映画)

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俳優とは操られた夢遊病者かウザいほどピュアな情熱か、『カリガリ博士』か『パディントン2』か或いはデュプラス兄弟案件か、それが問題だ。
登場して約30秒でニコラス・ケイジを愛さずにいられない。何を以って
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不都合な理想の夫婦(2020年製作の映画)

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NYからロンドンへ、レーガンからサッチャーへ、郊外の一軒家から森の古い屋敷へ。一家の住まいを捉えたショットは、移住前も後も薄暗く静かに不穏だ。暴れる馬、反復する場面、容赦なくバッサリ切る編集、研ぎ澄ま>>続きを読む

ファイブ・デビルズ(2021年製作の映画)

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暗示的モチーフが散りばめられ、徐々にピースがハマってゾクゾクする面白さ。UNO=1、10年、20分、ママ3、4人しかいないところに見える5人目、タコ(悪魔の化身)、そして水と火。
ジョアンヌは水、ジュ
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メイフィールドの怪人たち(1989年製作の映画)

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ずっと観たかったやつ。お互いをよく知る郊外住宅地の住人VS得体の知れない隣人。ちょっと捻りが効いた、これぞサバービア映画!
80年代といえばサバービア映画も一つのジャンル化して、明るく満ち足りた郊外住
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血まみれギャングママ(1970年製作の映画)

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『俺たちに明日はない』『明日に向かって撃て!』の流れに乗ったらしき実話系アンチヒーローのニューシネマ風。でもアウトロー主人公がママってのがロジャー・コーマン、さすが(?)目の付け所が違う。おかげでかな>>続きを読む

ハッチング―孵化―(2022年製作の映画)

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表面上完璧な家庭で、抑圧された娘が卵を育て、何かが生まれる。フィンランドのサバービア映画でボディ・ホラー、モンスター映画だった。エゴしかない母と主体性ない父、拗ねた弟に囲まれたティンヤちゃんがほんと不>>続きを読む

オマージュ(2021年製作の映画)

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韓国初の女性映画監督のシルエットを追いかける現代の女性監督ジワン。これも「亡霊と私たち」の亡霊映画だった。
修復プロジェクトを引き受けたジワンは自分の作品のことで手一杯、でも欠けたフィルムを知ったこと
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天使が隣で眠る夜(1994年製作の映画)

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ジャック・オーディアールは作風の振り幅広いというか、その都度やりたいことを試すような監督だと思う。今作も実験的。ゴダールを思わせるモンタージュと犬を用いて、トリュフォー(足!)を意識したノワール。ヌー>>続きを読む

Gone in the Night(原題)(2022年製作の映画)

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ウィノナ・ライダー久々の主演作は珍品だった。ウィノナが年下のBFと森の中のキャビンに泊まろうとしたら、何故か若い先客カップルが。そして翌朝、彼と若い女が消えていた…
って、ホラーかオカルトスリラーだけ
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地球の静止する日(1951年製作の映画)

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異星人は平和の使者だった。国連会議よろしく宿屋でテーブルを囲み議論する人々にその意図は伝わらない。どうすれば警告に耳を貸し、争いをやめて一致団結するのか?は人類永遠の課題だ。シンプルで直球。宇宙船やロ>>続きを読む

FLEE フリー(2021年製作の映画)

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時折挟まれる実写映像の部分はあくまで報道の記録で、アミン自身の声で打ち明ける体験はアニメーションでしか描けない。それは報道だけでは見えない個人的な真実の物語。
何度かある、顔のない人々が逃げる場面。様
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search/#サーチ2(2023年製作の映画)

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今度は行方不明のママを娘が捜す。しかも外国まで範囲がスケールアップ。でもネットがあれば世界は狭い。あらゆるSNSやライフログ、あらゆるスクリーンとカメラが手がかりだ。って、こんな風に見られたくない個人>>続きを読む

エニシング・イズ・ポッシブル(2022年製作の映画)

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トランスジェンダー女子の恋をポジティヴに描いただけでなく、複雑でセンシティヴな話題と当事者目線で向き合う。なんたって監督はビリー・ポーター。この映画を届けたい相手とその姿勢がよくわかる。
ケルサとカー
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X エックス(2022年製作の映画)

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やるじゃん、タイ・ウェスト。すげえなミア・ゴス。面白かった。小屋からの視点で切り取られたフレームは、その後の16ミリカメラ、TV画面のフレームと相似形。そこから広がっていく「映画」のオープニングカット>>続きを読む

シチリアを征服したクマ王国の物語(2019年製作の映画)

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ハイセンスな絵本のようなアニメーションは、権力の普遍的な危うさを浮き彫りにする。クマと人間が団結して平和な世界を築いても永遠には続かない。王国は常に権力争いの危険を孕むのだった。語り部がバトンタッチし>>続きを読む

恋をしましょう(1960年製作の映画)

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モノマネ芸人に取り違えられた大富豪が、女優を口説くため何故かゴリ押し芸人デビュウ。苦労知らずなイヴ・モンタンが努力家マリリン・モンローに励まされ、なりふり構わず芸の修業…ってのが可笑しい。あのモンタン>>続きを読む

スワンソング(2021年製作の映画)

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老人ホームを出て自分の街へ戻ったパットは、ゆっくりと優雅な足取りで、一歩ずつ本来の姿を取り戻していく。といっても、ホームでも大切なものを手放してはいなかった。モアの細い煙草、プードルの絵のTシャツ、そ>>続きを読む

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

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なんだこのジャパン?これ新幹線?と気になるけど、それ以外の要素もトンチキなので、これはこれで有りとしておく。でも、日本語台詞が翻訳調そのままな点だけはどうしても気になる。真田広之も言いにくそうで可哀想>>続きを読む