SPNminacoさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

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ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

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なんだこのジャパン?これ新幹線?と気になるけど、それ以外の要素もトンチキなので、これはこれで有りとしておく。でも、日本語台詞が翻訳調そのままな点だけはどうしても気になる。真田広之も言いにくそうで可哀想>>続きを読む

スウィート・シング(2020年製作の映画)

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アレクサンダー・ロックウェル久々の新作だが、らしいなあと思わずにいられない。コントラスト強めのモノクロに、アイリスアウト暗転といったクラシック映画風ルック。ビリー・ホリデイ(と、ビリー・ホリディを彷彿>>続きを読む

ナワリヌイ(2022年製作の映画)

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大変物騒な題材なのに、なんだか妙に軽い。インタビュウや密着撮影が生々しいはずなのに、エンターテインメントな劇映画を観るようだ。
というのも、ナワリヌイ氏が今どきのポップスターみたいに見えるから。家族や
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秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

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冒頭の場面でおおっ!と掴まれた。机に向かう祖母を捉えたカメラがパンすると、ペンを持つその手は祖母でなく子ども(孫娘)の手だ。そのまま各部屋にさよならを告げると、おばあちゃんはもうこの世にいない。そして>>続きを読む

金の糸(2019年製作の映画)

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79歳の誕生日を一人う祝う赤い髪のエレネ、そこに越してきたソヴィエト共産主義時代のままのミランダ、唯一の話し相手エレネに電話する元恋人アルチル、「失われた時を求めて」生きる老人たち。過去を繋ぎ合わせる>>続きを読む

キャンディマン(2021年製作の映画)

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団地はきれいに上書きされても、そこにある暗黒の歴史は消せない。鏡文字、影絵で語り継がれる都市伝説。92年のオリジナルを継承して語り直されるキャンディマン。それは怯え続けざるを得ない黒人であることの呪い>>続きを読む

ブラックボックス:音声分析捜査(2021年製作の映画)

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ヴォイスレコーダー・ミステリー。『THE GUILTY/ギルティ』みたいにワンシチュエイションで展開するサスペンスかと思ったら違った。有能だけど信用に欠けるはみ出し者主人公がたった一人で飛行機事故の真>>続きを読む

C.R.A.Z.Y.(2005年製作の映画)

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イエス様と同じ日に生まれ、特別な才能を授かったとされるザック。「男らしい」父親と男5人兄弟に囲まれ、無理解や偏見に晒されながら自分のアイデンティティを確立する長い旅。ややコメディ寄りでややファンタジッ>>続きを読む

帰らない日曜日(2021年製作の映画)

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結婚を控えた上流階級の子息と秘密の逢瀬に耽るメイド。母の日、日曜日。そこから時間軸がフラッシュバック&フォワードする多層構造だ。3つの家族と3人の息子、各家のメイドの階層がまずあり、戦争で帰らぬ人とな>>続きを読む

ベルイマン島にて(2021年製作の映画)

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あのフォーレ島がこんな観光地になってるのか!ベルイマン・サファリ!私もベルイマン聖地巡礼はしてみたいけど、『ある結婚の風景』の部屋には泊まりたくない…ぜったい落ち着かねえ…。
この島にひと夏滞在する映
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PIG ピッグ(2021年製作の映画)

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ヴァイオレントでクレイジーなリヴェンジものを予想したら大違い。ジャンルはスリラーでなく料理映画だよ。各章にメニュウを冠したコース仕立て。ガチで孤高の料理人が本気出したおもてなしは『バベットの晩餐会』に>>続きを読む

シラノ(2021年製作の映画)

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大きな鼻を小さな身体に置き換えたシラノ。詩人というか、とにかく弁が立つのは今のラッパーみたいで、おまけに腕も立つ。でも大胆不敵な立ち回りをキメる反面、恋には弱々しく思い悩む…と、ピーター・ディンクレイ>>続きを読む

パラレル 多次元世界(2018年製作の映画)

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成功を夢見る若者グループがパラレルワールドを発見したら、活用を思いつくのは今どきな流れだった。細部が微妙に違うだけの多次元世界は魔法の杖。
失敗や損はもう懲り懲り、ショートカットしてアナザーワールドの
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若草物語(1994年製作の映画)

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時代ごと旬の若手女優を4姉妹にキャストしてきた若草物語。まだフェミニズムな側面は軽くて、エピソードを駆け足で消化したオーソドックスな90年代アイドル映画だった。
スポーティでボーイッシュなジューン・ア
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青髭八人目の妻(1938年製作の映画)

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アメリカ人富豪ゲイリー・クーパーは後先考えず結婚歴7回、浪費家侯爵の娘クローデット・コルベールはお金目当て。パジャマの上下を分け合った2人はどっちもどっち、8回目の結婚は如何に。
結婚を迫る前半と離婚
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パパは奮闘中!(2018年製作の映画)

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職場はチームワークだと同僚を見捨てないオリヴィエ。けれど妻が家出してしまった時、彼は自分が見捨てられたと感じる。突然母親がいなくなった子どもの心配よりも、自分を憐れむのだ。その気持ちはわかる、でも妻の>>続きを読む

真夜中のピアニスト(2005年製作の映画)

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暴力か芸術か。父の稼業を引き継いだ仕事と、ピアニストになる夢の間で引き裂かれる男。トムが黒と白しか着ないのはピアノの鍵盤であり、清濁併せ持つ二面性だ。
落ち着きなく動かす手指、手持ちカメラで短いカット
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ブラック・フォン(2022年製作の映画)

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ちょっと『IT』っぽい既視感を徐々にズラして、あるようでなかった新味のジュブナイル・ホラーだった。『悪魔のいけにえ』が公開された78年デンバーの、陰気で不穏なムードがまず怖い。そこに暴力とマチズモ、父>>続きを読む

ヴィクトリア(2016年製作の映画)

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弁護士ヴィクトリアの家には問題ある男ばかりやって来る。依頼人、嫌がらせする元夫、傷害事件で訴えられた友人(だらしないメルヴィル・プポー!)、一夜の相手、みんなヴィクトリアを悩ませる。その混乱をダイレク>>続きを読む

サラダデイズ SALAD DAYS(2015年製作の映画)

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当事者らが振り返るD.C.パンクの歴史。コメントと当時のフッテージで構成されていて、最後は内輪のいい思い出話みたいな。ドキュメンタリーとしては面白みに欠けるけど、UKとは違うアメリカのパンク文化が興味>>続きを読む

アプローズ、アプローズ! 囚人たちの大舞台(2020年製作の映画)

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受刑者が演じる、サミュエル・ベケットの不条理劇『ゴドーを待ちながら』。予め「ゴドー」を知ってても知らなくても、映画の情報はあまり入れずに観た方がいい。これほど出来すぎた話があるのか!と驚いた。
受刑者
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ワザリング・ハイツ ~嵐が丘~/嵐が丘(2011年製作の映画)

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物語は終始ヒースクリフの視点。キャサリンは見られる存在としてあまり主体的ではなく、ほとんど偶像化してる。非対称な身分と関係が視線に反映されるが、前半後半で見る側見られる側が入れ替わって、どんどん閉塞し>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

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もし邦題付けるなら『(ミシェル・ヨーの)一切合切ぜんぶまとめてかかってこい!』、もしくは『生命、宇宙、そして万物と確定申告についての究極の疑問の答え』かな。カオスにとっ散らかった映画だけど、すごくよく>>続きを読む

最高殊勲夫人(1959年製作の映画)

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大会社の三兄弟と庶民三姉妹の結婚喜劇は、ジェイン・オースティンの昭和版か。三男と結婚を迫られつつ、オフィスの恋模様を引っ掻き回す三女の若尾文子が『エマ』みたいな。
BGから玉の輿、夫も会社も牛耳るボス
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夕陽に向って走れ(1969年製作の映画)

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邦題が便乗した白人強盗コンビのブロマンス映画とは違って、インディアン居留区で先住民男女の逃避行には夢も自由もない。ただ衝動的に逃げるだけ。白人は彼らを過剰に恐れて服従させようとするが、自分たちが野蛮な>>続きを読む

トムボーイ(2011年製作の映画)

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新しい近所の子どもたちが、2つのグループに分かれて遊び始める。大多数が男子で、フットボールするときも見てるかプレイするかで分かれてる。最初はリザと見ていたミカエルは、プレイする側に加わる。そして同じよ>>続きを読む

草原の実験(2014年製作の映画)

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ベージュの大地と青い空が広がる風景には、いつも風が吹いている。遠くを見つめる少女は何かを待っている。
だだっ広い地平線に、ぽつんとある丸。プロペラ、パン、太陽と月、井戸、双眼鏡とカメラのレンズ。軽飛行
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ザ・ロストシティ(2022年製作の映画)

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失われた古代の宝、すなわち「失われたロマンティック・コメディ」を求めて。ベタなロマコメ映画(ここでは主に『ロマンシング・ストーン』)をメタ的になぞって探索し、そこにしかない尊さを知らしめる冒険が嬉しく>>続きを読む

アンラッキー・セックス またはイカれたポルノ(2021年製作の映画)

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動画流出してしまった教師は狂言廻しみたいなもので、人類のあらゆる欺瞞や矛盾を風刺しまくった映画。ルーマニアのみならず現代社会の厭な面はよくわかるけど、露悪的なのであまり楽しくはない。
主人公がパンデミ
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私は二歳(1962年製作の映画)

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久しぶりに観直した。高度成長期に高度成長するターちゃんの視点で見た、両親や大人たちもまたヨチヨチした子どもみたいな、ナンセンスであっけらかんとしたユーモア。メルヘンなアニメーションや合成も洒落てる。ち>>続きを読む

いとこ同志(1959年製作の映画)

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パリで自堕落に享楽三昧なポール、田舎から出て来た真面目なシャルル。まずアパルトマンの部屋が独特で気になりすぎた。人が集まる吹き抜けのリビングと、2階部分に小部屋があるモールみたいな構造。そこを主な舞台>>続きを読む

LAMB/ラム(2021年製作の映画)

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むかしむかし、草木も生えないアイスランドにどんぶらこどんぶらこと羊が流れてきました。その羊から羊太郎が生まれました。けれど、実は羊太郎は太郎羊だったのです…みたいな?
クリスマス、窓の格子、タイムトラ
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アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド(2021年製作の映画)

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アンドロイドが理想の伴侶になり得るか。ポップなSFコメディやスリラーにもなりそうだけど、地に足着いた真面目な作りである。
序盤はAIロボットのトムが(当然)人間離れしたイイ男すぎて滑稽といえば滑稽なの
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(ハル)(1996年製作の映画)

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上映会で。時代は携帯もSNSもないパソコン通信。なのでテキスト画面がメインになるけど、それが煩わしくなくて、ここまで巧く「読ませる」とはすごい。
テキスト場面の背景では、パソコン通信掲示板に集まる匿名
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リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

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10歳上の女性を追いかけるひたむきな若さと情熱、ノスタルジックに甘酸っぱい青春映画…とは感じなかった。追いかけられたアラナの方が主人公に思えたし、ずっと2人が追いかけっこの駆け引きしてる構図だ。弾かれ>>続きを読む

CRSHD クラッシュ(2019年製作の映画)

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特別なパーテイに繰り出す女子トリオ。友達内キャストで自主製作した、ジョン・ヒューズ+『スーパー・バッド』の頃のジャド・アパトー映画みたい。
よくある十代の悩みや自己嫌悪だけど、インド系の親友が「君の文
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