足拭き猫さんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

足拭き猫

足拭き猫

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(1974年製作の映画)

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母にとらわれた男性の私がその面影を追った作品。草原と森を渡る風が魔法のように幼少期にいざない母に甘える私を年を経た私が見つめている。納屋は燃え、森は霧をたたえてまるで絵画のよう。記憶の中の母はいつまで>>続きを読む

アンドレイ・ルブリョフ 動乱そして沈黙(第一部) 試練そして復活(第二部)(1969年製作の映画)

3.8

人々から尊敬されていたイコン画家が苦悩と挫折から世捨て人になり、最後は若き日の自分のような少年に出逢い自分を取り戻していく大河ドラマ。時代に翻弄され、描くことを忘れてしまった彼が次世代を知ることによっ>>続きを読む

僕の村は戦場だった(1962年製作の映画)

3.5

家族を亡くし戦いに身を投入する少年兵の健気と対照的な大人たちの確執。その分少年のピュアさが痛い。破戒され尽くした村々が荒野のようになっているのがモノクロで余計に強調されて目を奪われた。
中盤もはや白樺
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ローラーとバイオリン(1960年製作の映画)

4.0

難解なイメージのタルコフスキーの学生時の作品。色彩も鮮やかで話も素直でチャーミング。
労働者のイケメン兄ちゃんとかわいらしいバイオリンを弾き少年の交流。どちらも体を使っている時点で2人を隔てる階級って
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ヤマト探偵日記 マドカとマホロ(2022年製作の映画)

3.5

ニンゲン三部作

『I’ll Be Your Mirror』 
私を反映するあなた、あなたを反映する私。浸食していく私、浸食されていくあなた。自由自在に入れ替わるホラー。
『VIDEOPHOBIA』の
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MADE IN YAMATO(2021年製作の映画)

3.7

『あの日、この日、その日』
村上由規乃がインタビューする場面がなんともほほえましい。いかにも公務員というぼおっとした感じで癒される。みんな良い人そう。
太田さんて実際にいるのね。

『四つ目の眼』
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裸足で鳴らしてみせろ(2021年製作の映画)

3.6

世界を見ているようで全然外に出られていなくて、想像力の翼をはためかせても実際の映像が伴っていないと息苦しい感じになるんだなぁ。

2人のテンションが同じなためか同じ人間に見えてしまうのが惜しくて、その
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メタモルフォーゼの縁側(2022年製作の映画)

3.5

恥じらう芦田愛菜と宮本信子が可愛らしいが、みなが良い人すぎた

LOVE LIFE(2022年製作の映画)

3.9

大人のラブストーリーだった。
優しい感じなのにいきなりの不幸、そこから露わになる夫婦の関係。子がかすがいというのに一生気づかない人もいるのに。
前の夫と自分の2人だけが本気で子供のために泣いた。それだ
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さかなのこ(2022年製作の映画)

3.8

ADHDであるのがかすかに匂わされるが、あくまでも魚に夢中で突き進む主人公として描かれている。ひたすら優しいのが沖田監督らしくて。母親の信念がなければさかなくんは生まれなかったと思いつつ、作中で成功す>>続きを読む

ちょっと北朝鮮まで行ってくるけん。(2021年製作の映画)

3.8

正しいと思った思想が何十年か後も正しいとは限らないことを思い知らされる。その時の最善を尽くしても翻弄される人生、でも人間は選ぶしかない。

こちらあみ子(2022年製作の映画)

3.8

子どもを主人公に据えているもふんわりとした世界ではなく、現実の残酷さを見せつけられる。
終盤、質問をしたあみ子、初めて意志を持ったのでは。それは少女から一歩踏み出すような成長の兆しだった。海へ入らない
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WANDA/ワンダ(1970年製作の映画)

3.9

人生のような荒野でワンダはなにも望まずただ流されていくだけ、人間みなが強い意志を持って生きているわけではない。連れとのつかの間の交流も結局はただ利用されている、でもワンダ自身がそれを自覚してる気配もな>>続きを読む

REVOLUTION+1(2022年製作の映画)

3.2

イベント版(50分)を鑑賞。
内面や何を現したいかを台詞で説明してることが多く、自分の苦手とする作品だったなというのが正直なところ。トークも配信され、足立監督の、若い人がこんなにも孤独なんだと思って作
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バンド(2021年製作の映画)

3.9

本人たちすら気付かない熱い気持ちを内に秘めつつも、それが外に出されないイマドキ若者。お互いのことをよく分かってたつもりだった友が遠くに行ってしまいそうな断絶。それらをフラットに描いていることでラストの>>続きを読む

J005311(2022年製作の映画)

4.3

撮り方も画面も閉塞感いっぱいで緊張に満ちた93分。そもそも主人公が何処に行きたいのかも分からず、示唆される場面はあるにしても終盤まで目的は明確にはされず、その謎感も相まってつい引き込まれてしまった。>>続きを読む

幽霊がいる家(2022年製作の映画)

3.8

見せ方が面白く、思わず没入しかけたけど、いかんせん短くちょい残念。

瀉血(2022年製作の映画)

3.5

画面が家、学校、周辺の道路なのでちょっとダレ気味に。終盤になってドライブがかかる。
監督ご本人もおっしゃってたけどブラックアウトが多く、自分はそこで思考が分断されてしまった。
うちもヨーグルトには名前
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MAHOROBA(2021年製作の映画)

3.8

連続して変化していくアニメーションが楽しい。 社会への風刺も十分。後のトークでいろんな映画のオマージュと聞いて、逆にちょっと残念に思ってしまった。

アクト(2022年製作の映画)

4.1

よくネットで見る子育て漫画みたいな感じかなーと思いきや、三役をこなす女性の苛立ちがよく出ており結構身につまされるところあり。編集のテンポも良い。
自分の世界だけにこもらず、先輩にインタビューに行くとこ
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ある惑星の散文(2018年製作の映画)

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日常の疲れと音が心地よいこともあり、ほとんど眠っており

戦争と女の顔(2019年製作の映画)

4.0

イーヤは一見、とても大人びている。マーシャは意志がしっかりしている。でも時間が経つにつれ、2人とも幼さからくる戸惑いが残っていることに気付く。イーヤは無口だが心と体の苦しさが今にもにじみ出てくるよう、>>続きを読む

女神の継承(2021年製作の映画)

3.4

焦りやちょっとした判断ミスでうまくいきそうだった悪魔祓いが失敗し、どんどん泥沼にはまっていくのに唖然となった。ちゃんと観たことないがタイ版の「エクソシスト」という感じか?

悪側に落ちた人がみんな犬に
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マイスモールランド(2022年製作の映画)

4.0

豊かな色彩で彩られる絵や手のひらの真っ赤な丸、東京と埼玉の両側に残していった手形とは反対に、硬直した制度のためにさまざまな「違い」が黒く塗りこめられていくようで。

クルドという国が存在しないのに自分
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教育と愛国(2022年製作の映画)

3.8

歴史から学ぶということは、なぜそうなったのか、それをやった結果どうなったのか、もっと他のやり方はなかったのかを検証して国の運営に活かしていくことだと思うのだが、歴史のことだけに限らず、そういうことが一>>続きを読む

妻の貌(かお)(2008年製作の映画)

3.7

広島原爆が原因で甲状腺がんになり摘出するが、ホルモンのバランスが崩れてしまうので、取ったからといって健康になる訳ではないと聞く。川本キヨ子さんは前触れもなく起き上がれなくなるほどの倦怠感に襲われ、度々>>続きを読む

光復(2021年製作の映画)

3.0

痴ほうの親の介護、貧困、不倫、強姦、交通事故、失明とあらゆる不幸に見舞われた主人公が、仏教の教えにより悟りを開き、心の平穏を得る。商業映画を撮っている監督が、自主でないと描けなくて作ったとのこと。
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都市とモードのビデオノート 4K レストア版(1989年製作の映画)

3.6

ヴェンダーズが、複製が簡単にできてしまうデジタルなものが似合う東京において、唯一無二のものを作り続けると崇める山本耀司のインタビュー。山本耀司が理路整然と、しかし常に物腰柔らかく自分の仕事について語り>>続きを読む