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「黒沢監督が手掛けた時代物」は、一体どうなるかと身構えて鑑賞し始めたが、蓋を開ければ、エンタメとして構築しつつも、黒沢監督の持ち味満載の作品に仕上がっていた!
不気味なフィルム映像(『CURE』ぽい>>続きを読む
夢か現実か、分からなくなることをポジティブに描いた映画は初めて観た気がする。
「夢の中の世界の違和感」を、ポップで温かみのある手作り工作で表現している点が面白い。ジャンプカットや巻き戻し等、編集での>>続きを読む
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2度鑑賞。
ジャン=リュック・ゴダール監督を想起させるタイトルロゴから始まり、それに似つかわしい実験的なカメラワークの数々を堪能できる。
何気ないショットが後部座席からの車窓に繋がる。突然おぶった>>続きを読む
川下りを楽しむ4人の男達。川岸で一休みする彼らの元に、怪しげな現地人が現れる。そこから楽しいバケーションは、決死の激流下りへと変貌する…。
制作陣の意図の通りの完成品なのかどうか、判断が出来ていない>>続きを読む
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時間の流れ方が目まぐるしく変わる中、人物たちの語りが物語を理解するキーとなる、監督定番のストーリーテリング。リアリティの薄い設定も生感たっぷりに撮るスタイル。
選曲は流石のセンス。MVと劇映画の境目>>続きを読む
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『蛇の道』!黒沢監督作品の中でも、特に娯楽性と作家性のバランスが臨界点を超えた作品!
そんな作品の、25年後のリメイク。主演、ダミアン・ボナール、柴咲コウ。フランスでの撮影。
初めて黒沢監督の新作を劇>>続きを読む
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3時間かけてコルレオーネ一族に起きる出来事を描いた作品。本作のライティングは最高級品!
複数の暗殺と、洗礼の儀式を同時並行で見せるシーンは痺れた。まさしく、マイケル・コルレオーネが「ドン」になった瞬>>続きを読む
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映像と俳優の気迫…!!
男の喜怒哀楽を演じ切る技量とともに、耳を傾けたくなる「語り部」としての声や語り口、さらに凄みのある殺陣が出来る、そんな仲代氏が主演を務めた事が奇跡に思えた。
見方が二転三転>>続きを読む
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『岸辺の旅』と似た、鈴虫の声のようなSEが良かった。危害は加えず佇む(または後をついてくる)作品内の幽霊たちの雰囲気にマッチしていた。幽霊は派手な色の服装だが、だからこそ、歪み黒ずんだ頭部や手足の印象>>続きを読む
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監督が今作を「コメディ」と発言されていただけあり、過去作の要素でブラックコメディに挑戦した珍しい作品。『カリスマ』ぽい争奪戦を見ることになるとは思わなかった。
今作は、復讐シリーズや『CURE』の頃>>続きを読む
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今作はエンタメ映画として制作されているが、『ドッペルゲンガー』に比べれば、黒沢清色満載の画がずっと続く。まるで色を失ったような映像、引きの多いカット割りは、正直大衆向けではないように思う。
CG表現>>続きを読む
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エディ・レッドメインのミクロなレベルの繊細さで動き出す物語。それを捉える被写界深度の非常に浅いレンズがよく合っていた。
妻が序盤で別離せず、むしろリリーになることを肯定し、楽しみ、更には彼女の絵を描>>続きを読む
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緑豊かな山々。粗大ゴミが散乱するキャンプ地。そんな景色の中を行く二人の男。その間には、埋められない溝が広がっている…。
ケリー・ライカート監督の作品は初鑑賞。
非常に浅い被写界深度、焦点の定まらない>>続きを読む
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途轍もなく不思議な映画。『蛇の道』の続編だと思わないで観た方が良さそうだった。
映画における出来事の省略の限界、シーンの無感情さの限界に挑みながらも、案外『消えない傷痕』よりもエモーショナルな言葉を>>続きを読む
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過去の痛みと、老いから来る恐怖が絡まった夢に、追い立てられる老紳士。「ここに残ればよかった」とこぼれ出る本音。後悔だらけ、不安だらけの人生だが、少年の頃の思い出によって、日々を乗り切っていく。
多く>>続きを読む
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"この世ならざるもの"の描き方が非常に技巧的。カッと照らす光と影のコントラスト+俳優のおどろおどろしく憎悪溢れる演技に、裸にされた弱々しい姿の主人公で恐怖が増大。
湖畔での妙に明るい光に包まれたシーン>>続きを読む
「ジュラシック」シリーズの定番の演出・設定を完璧に踏まえつつ、新しい要素(海竜や技術etc.)を大胆に加え、「恐竜も思考する」という前作の設定もさらに踏み込んで描いた、新シリーズの幕開けに相応しい映画>>続きを読む
アキ・カウリスマキ監督作品初鑑賞。
主人公、一見クールなキャラクターだが、かなり純粋な人物。
最初に女性と出会うシーンの演技が特に印象的。主人公は瞬きも身動きもせず、女性を凝視し続ける。そして、女>>続きを読む
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面白い映画を観た…‼︎
異なる映画を組み合わせたような温度差なのに、食い合わせが全く悪くない。
監督らしくないシーンが上手い具合に物語に効いている。夜・朝・夜・朝で変わる感情の温度差が、ストーリーに>>続きを読む
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ヴィム・ヴェンダース監督作品初鑑賞。
慈愛に満ちた目元をした主演俳優は、「天使」という役によく合っていた。
天使から人間になる際の、白黒からカラーへの変化だけでなく、上下左右に動く浮遊感あるカメラ>>続きを読む
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本作は見方が非常に難しかった。
明快な結末のないミステリーを見せたかった、というより、本作は1つのジャンルに囚われず、カメラや物語の中で描きたい表象を描く、そういった印象を受けた。
幻想的な光に包>>続きを読む
前作『クラユカバ』よりも圧倒的に画が見易い。カット割りの丁寧さに、カットごとの情報量の削減がなされていた。その分前作よりも、世界観は少しあっさりとした印象もあった。
一風変わったヒロインのカガリを中>>続きを読む
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膨大な画面の情報量と、空間を飛び回るようなカット割りで、脳が飽和状態になってしまったが、造り込まれた大正ロマンな世界観、妖しく煤けた空気感は凄く良かった。派手な銃撃戦のシーンもあり、拳銃の構え方やウィ>>続きを読む
濱口監督の作品は鑑賞3本目。
接触が許されないダンス、それを練習する青年たち。彼らと彼らを取り巻く人々の関係を中心に、他者に触れるという行為について感じ、考える作品だと思った。
物語は淡白で、その分>>続きを読む
綺麗だった…。二人が屋台ですれ違うシーンほか、スローモーションと劇伴の相性が物凄く良かった。なんて耽美な空気感。
『恋する惑星』と比べて監督の色が控えめな作品ではあったが、照明と構図、ボケ感のチョイス>>続きを読む
ウォールペイントでのアニメーションと、ハンディ風のカメラワーク、クレイアニメをシームレスに組み合わせた映像は、撮影時一体どうやってコントロールしていたのか…?本作に懸けたスタッフの強い熱意がうかがえた>>続きを読む
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『オオカミの家』同様、音響がよく出来ていた。
ノイズが突然大きくなる、うめき声が時々混じる等の、映像の内容に関与しない霊現象が起きている感じがあった。
『骨』というタイトルだが、ショッキングだったの>>続きを読む
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こんなに身内ネタが盛り込まれた作品とは思わなかった。スティーヴ・クーガンが出てるせいで、だんだんベン・スティラーのコメディと似た笑いが込み上げてくる。ビル・マーレイって他の映画でも「会えると少し嬉しい>>続きを読む
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全体的に台詞少なめで、ストーリーも『となりのトトロ』に比べて小ぢんまりしたものだが、やっぱりジブリらしく、躍動感あるアニメーションで魅せてくる。
つむじ風がパッとこねこバスに変化(編集でいきなり現れ>>続きを読む
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25周年記念上映にて再鑑賞。
大画面の威力。シネスコの画が生み出す重厚さと緊張感。そして細部まで造り込まれた世界観。これはスクリーンで観るべき映画だと思う。面白かった‼︎
ポッドレースやグンガンの戦>>続きを読む
虫や花、絵画など多種多様な小道具・大道具でセットを彩るだけでなく、1から100までの数字を各カットに忍び込ませるという遊びが、非常に面白かった。ただその遊びが、物語と強くリンクしたかと言われれば疑問。>>続きを読む