靉靆さんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

戦場のメリークリスマス(1983年製作の映画)

2.5

期待していたがあまり楽しめず。
しょっぱなの音楽はワクワクさせられたが、うまく没入できなくて悲しい。
戦争とホモソーシャルを同時に描くのは面白い。

スタイルウォーズ(1983年製作の映画)

3.5

グラフィティはもちろん、音楽やダンスもめちゃめちゃに格好いい。アフロもイケてる。

社会とそれに反抗する若者たち、ストリート文化はやっぱり観ていて面白い。自分たちがやりたいことをとことんやってしまう、
>>続きを読む

DAU. ナターシャ(2020年製作の映画)

4.0

極限までリアルを映し出そうとしたフィクション。"作品"であると同時に"ドキュメンタリー"でもある。

ひたすらに意味も分からず展開されるカオス。時に取っ組み合い、時に快楽に溺れる。美しさや若さに対する
>>続きを読む

ペイン・アンド・グローリー(2019年製作の映画)

2.5

しっとりと進む感じが良い。
現在と過去の繰り返し。サルバドールの過去は美しい。

映画というより、映画を通して過去をひとつひとつ思い出し噛み砕いていく感じ。ずっと観ていられる。。

彼らは生きていた/ゼイ・シャル・ノット・グロウ・オールド(2018年製作の映画)

3.0

カラーになった瞬間の興奮。
淡々と説明されるからこそ、だんだんキツくなってきて聞きたくなくなってくる。でも聞かなければいけない。

入隊前の高揚感から、前線での絶望感、息抜きの解放感に、終戦後の虚無感
>>続きを読む

風の谷のナウシカ(1984年製作の映画)

-

ちゃんと観たのは初めてかも。
皇女クシャナのいかつい鎧が良い。

楊貴妃(1955年製作の映画)

2.5

京マチ子と森雅之が見たくて。。

夜の長安へひっそりと出かけ、楽しむシーンがめちゃめちゃに良い。ラストの会話も。

ただ、"日本風"が強すぎたのか没入感は弱い。やるならもっと日本らしく脚色しても良かっ
>>続きを読む

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

2.0

最近の日本の恋愛映画って、なんでこう恋愛経験者向けばっかりなんだろう。全く共感できない。むしろ恋愛したくなくなった。。

野火(2014年製作の映画)

3.0

むごい、むごすぎる、、、

普通のドンパチやる戦争映画と違って、じわじわと精神的にまいってくる。
極限状態であるからこそ、仲間同士の駆け引きや裏切り、生死の狭間の苦悩に出会う。「生きる」ことへの絶望感
>>続きを読む

祇園の姉妹(1936年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

久々にここまで古いのを観ました。しかし、作品は全く古臭さを感じさせない。さすが溝口。

芸妓という職業の運命というのか。
愛情を取った姉、生活を取った妹。両者とも求めていた幸せには辿り着けない。芸妓と
>>続きを読む

骨までしゃぶる(1966年製作の映画)

4.0

ずっとずっと気になっていた作品。やっと観れて嬉しいです。

90分弱なのに見応え十分。娼婦であっても人間臭く生き生きと過ごすお絹に元気を貰える。辛いながらも、おねえさんたちの優しさがせめてもの救いです
>>続きを読む

ファニーゲーム(1997年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

昔、リメイク版の方を観て「何なんだこの苛々させられる映画は?!」となっていたが、今観るとめちゃめちゃに面白い。

登場人物の背景や目的、言動が読めなさすぎる。それにイライラが募るのだが、途中カメラに向
>>続きを読む

近松物語(1954年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

やはり溝口は悲劇を描くのが上手い。

逃避行を続けている最中の、突然の告白。死のうと思っていたおさんが心変わりする場面が忘れられない。
初めこそ逃亡だったのがだんだん駆け落ちになり、遂に最期まで添い遂
>>続きを読む

SNS-少女たちの10日間-(2020年製作の映画)

3.5

モザイクの付け方が斬新で、より気持ち悪くなってる。通話時の音楽が耳に残ってしょうがない。

自分のことは棚に上げて、被害者の女の子たちを悪者にする。客観視できてなさすぎて吐き気がする。

ここまで突き
>>続きを読む

西鶴一代女(1952年製作の映画)

4.5

溝口らしさが十分に表現された重厚な作品。悲しくて悲しくてしょうがない。

長回しのカットやお春を追いかけるようなカメラワーク。田中絹代の艶めかしい表情や動きにうっとり。
三船演じる勝之助は序盤しか出て
>>続きを読む

ぼんち(1960年製作の映画)

4.0

市川雷蔵ハーレム映画。
女たらしもここまでくると羨ましい。。

義祖母と姑いじめがいらいらいらいら。嫁は嫌いだけど、妾は何人囲ってもいいって凄いわね。。
すーぐ女囲っちゃう市川雷蔵良かったです。女たち
>>続きを読む

リアリズムの宿(2003年製作の映画)

4.0

シュールすぎる。
ありそうでなさそうでありそう。

坪井と木下の絶妙な関係性はもちろん、あっちゃんの存在がよく効いてる。思わずクスッと笑ってしまうシーンがありすぎて最高です。

寂れた町だけど、坪井と
>>続きを読む

ソワレ(2020年製作の映画)

3.0

ストーリーやリアリティの弱さはあったものの、逃避行を続けていくことで自分自身を真正面から見つめようとする姿が良かった。
タカラはもちろん翔太の、色んな感情を押し殺しながら生きているのが苦しいほど伝わっ
>>続きを読む

君の心に刻んだ名前(2020年製作の映画)

3.0

正統派でキラキラ眩しすぎる青春作品。
時代性も相俟って、心の葛藤がより描かれていてキュンキュンしました。。

同性愛を扱った作品だと、二人の出会いと別れを描いたものと、一方が過去を回想するという2パタ
>>続きを読む

三百六十五夜(総集篇)(1948年製作の映画)

2.5

三角関係、四角関係は結構好きなんだけどな、、ストーリーが少し分かりにくいのと登場人物のやりたいことがイマイチ掴みにくい。

ただ、高峰秀子演じるツンデレ蘭子はめちゃめちゃに可愛い。放浪する上原謙の乱れ
>>続きを読む

鬼火(1963年製作の映画)

3.0

主人公を淡々と見つめる。
虚無感に襲われてる様を上手く描けている。

"死"を決意し、旧友たちの元を訪れる。懐かしさは束の間、友人の言葉は心に響かない。愛する・愛されるが分からなくなってしまうのが、ま
>>続きを読む

白昼の通り魔(1966年製作の映画)

3.0

村という閉鎖的な社会で渦巻く男女のいざこざ。心中したがる登場人物たちにちょっと古臭さを感じる。

グッとよるカットや、目線を追うように行ったり来たりするカットは観ていて楽しい。シノの不死身感も良い。
>>続きを読む

朝が来る(2020年製作の映画)

3.0

色々、色々考えさせられる。

子供を授かるという奇跡、親となり育てる責任、信じていた愛は年齢と社会によって切り離される。お腹の子ばかりで本人に向き合おうとしない家族。私にはあの子だけだと思ってしまうお
>>続きを読む

誘惑(1948年製作の映画)

2.5

原節子のぶりっ子が炸裂した作品。
愛嬌のある笑顔に上目遣いはズルい。。

既婚者と女学生の愛。病弱な奥さんが完璧な脇役に徹してしまったことでちょっと悔しさが残る。奥さん器広すぎよ。

ストーリーの面白
>>続きを読む

プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

胸糞映画が好きだけれどこれは辛い。
この時代だからこそ、ガチガチなフェミニズム映画は堪える。皆んなが目を逸らし、真実を知ろうとしないことを、ポップにズシンと描く。

馬鹿な男たちを懲らしめる映画だと思
>>続きを読む

プラットフォーム(2019年製作の映画)

3.5

想像以上に作り込まれていて面白かった。
現代の資本主義的な人間を登場させつつ、主人公やプラットフォームの構造はキリスト教を採用。だんだん主人公のビジュアルもキリストっぽくなってる、、気がする。

はじ
>>続きを読む

ブレスレス(2019年製作の映画)

3.5

最愛の妻が忘れられず、娘と静かに過ごす男。「ブレスレス」という状況に陥った時にだけ会える妻を求めて、、

ストーリーはぶっ飛んでるけど、モナと出会って好意を抱き、マゾに目覚める主人公、面白かったです。
>>続きを読む

心中天網島(1969年製作の映画)

3.5

冒頭の人形浄瑠璃の映像から、映画の内容へと導入するのが粋ですね。
どうしようもない男と女郎の話。

黒子が出てくるのが実験的で新鮮でした!
ある時は助けたり、ある時はじっと見つめたり、、墓場のシーンで
>>続きを読む

カルメンという名の女(1983年製作の映画)

3.5

愛は人を変えるのか。
愛は大切なものなのか。

ストーリーは追っていけるが、ゴダール特有の言葉で混乱させられる。表情が変わらないため感情が読み取りにくい。なのにだんだん分かってくる。不思議だし、ゴダー
>>続きを読む

許された子どもたち(2019年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

だんだん感情移入ができなくなってくる。更生しないだけ良かったけれど、変に誇ったように歩くラストのカットに苛々した。

加害者たちの「許されたから」という雰囲気はもちろん、偽善者面する部外者たちも、観て
>>続きを読む

ビー・デビル(2010年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

徐々にストレスが溜まっていき、苛々させられる。最高ですね。

意味分かんないくらいの男尊女卑とムラ社会。挙げ句の果てには、旦那が堂々と女買ったり、娘に手出してたり(?)、、もうめちゃくちゃです。
その
>>続きを読む

ルクス・エテルナ 永遠の光(2019年製作の映画)

4.5

カオスすぎる世界観。「恍惚」となるシャルロット。初めこそめちゃくちゃだと感じていたベアトリクスも最高な作品が撮れたと感じるだろう

二分割された画面のため、あっち観たりこっち観たりで忙しいが、あらゆる
>>続きを読む