記録映画を鑑賞するつもりで観たほうがいい。とりあえず、世界史の一つの資料にはなるだろうと思う。(アイルランド問題やIRAについて手っ取り早く勉強したい方は『MASTERキートン』を読みましょう)。>>続きを読む
「遺書があるでしょう」
「そんな物ございません……」
「なかったら書いたらどうです?」
アメリカの謀略に翻弄される占領下の日本と、その暗部に踏み込んでいった人々の“熱さ”を描いた力作。
史料映像を交>>続きを読む
磯村一路『僕は泣いちっち』
無闇矢鱈とズームアップするカメラに辟易。安っぽい心情の独白には興醒め。
七字幸久『これが青春だ』
ベタなギミックと松尾諭の頑張りは評価したい。大工の設定を活かしきれていな>>続きを読む
苦労の跡が随所に見られる。
柄本明にとって、初めて経験する監督業は苦悩の連続だったに違いない。現場では相当しんどい思いをしたことだろう。
ところどころに日本映画へのリスペクトは感じられたが、それに>>続きを読む
バンクスさんよ、娘さんの結婚くらいでクヨクヨしなさんな。ダイアン・キートンそっくりの嫁さんがそばにいるんだから、それで満足しなきゃ。欲張りすぎるとバチが当たっちゃうよアンタ。
「ノリノリで軽薄な>>続きを読む
一定の世代の人々の間で「恋愛映画のスタンダード」と呼ばれている作品。ストライサンドの主題歌が大ヒット(アカデミー賞にも輝いた)し、レッドフォードは今作でその人気を不動のものにした。
と、こんな前置き>>続きを読む
ロニー(キャロル・リンレイ)の足手まといっぷり……。
あのようなキャラクターもディザスターフィルムには必要だと承知しているが、それでもやっぱりイライラしてしまう。俺は雑貨屋店主のようにはなれないな。>>続きを読む
多種多様な変態性を肯定してみせた、日本が世界に誇る文豪、谷崎潤一郎。
老いてなお、濡れ場の撮影では車椅子から立ち上がって演出していたという新藤兼人。
日本映画伝統の慎ましさを嫌い、人間の欲望を赤裸々に>>続きを読む
相変わらず篠田昇の映像は美しかった。以上。
え? 他に何かあるだろうって?
無いんだなあ、これが。
イメージ(画)としては「美しい」と好意的に受け取ることができる。
でも、これは写真集やPVでは>>続きを読む
AFIによる『アメリカ映画100年のヒーローと悪役ベスト100』で悪役部門の5位にランクインし、名実ともに“映画史上最も観客に嫌われた看護婦”となったキャラクター、ミルドレッド・ラチェッド。
抑圧の象>>続きを読む
ありがちなハッピーエンドを連想させる余計な邦題や、一見してロマンチックなパッケージのデザインに騙されてはいけない。
出産という大きな人生の岐路に立った女性の成長と自立を、あたたかいユーモアとほろ苦いテ>>続きを読む
どこかで観たようなオープニング・クレジットに微笑む。洒落た演出がイヤミっぽく映らないのがフランス映画の良いところ。導入部のテンポの早さとスムーズな展開に監督の才気を感じた。
しかし、その後は徐々に失>>続きを読む
美しい日本語とは、この映画のことを言う。
宮沢賢治を敬愛する別役実の脚本が良い。
細野晴臣の幻想的な音楽をバックに、常田富士男が『春と修羅』の一節を朗読するエンディングの素晴らしいこと。
本>>続きを読む
以前、この映画を知人に「まあ、とりあえず森下愛子が色々な意味でヤバいから観ろ」とだけ言って紹介したことがあります。
俺、間違ってないよね?
家族という虚構と、その呪縛。新しい生き方について模索>>続きを読む
大島さんの良さの一つは、自身が属する反体制派の連中にも容赦なく批判できるところだと思う。
今作の呆気ない幕切れは、暴力やセックスに明け暮れ、破滅的な生き方を省みない若者たちに喝(叱咤)を入れているか>>続きを読む
スピード感に満ちた“アパートの物語”の章を観ていて、誰もが思うであろうこと。
「ゼリアだのグランジだのアリストテレスだの、出てくる人間の顔と名前を必死こいて覚えたのに、こんなアッサリ終わるのかよ!」>>続きを読む
ずっと前に5時に夢中!で中瀬親方がオススメしていた映画。なかなか食指が動かなかったんですが、重い腰を上げて鑑賞。
台詞が英語 ← 分かっちゃいたが、やっぱ減点対象。
主演の夫婦 ← シビアな結婚生活>>続きを読む
良くも悪くも「何を描くか」ではなく「どう描くか」に終始している印象。
チェスに興じる騎士と死神。
旅芸人一座の微笑ましい日常。
終末思想から狂乱に陥る村の人々。
並々ならぬ緊張感に満ちた居城での晩餐>>続きを読む
泰平の世のウソを暴かんとする半四郎(仲代達矢)の覚悟。身の上を回想するシーンは些か凡庸でも、屋敷内での鬼気迫る芝居には痺れた。
最終的に“刀”ではなく“銃”で事態を収拾させる展開には武士道の精神性を揶>>続きを読む
「仕事をなくすよ」と気遣う息子。
「お前を失った」と赦しを乞う父。
父と子の融和に、自然と涙が。
導入部が駆け足すぎた気がしないでもないが、これだけ多くの歴史的事実を絡めて作劇するとなると、それ>>続きを読む
正直に言って「たまにはやるじゃん、エメリッヒ!」と思いました。
ところどころで挿入されるユーモア(ケイルとソイヤー大統領の掛け合い)が良いアクセント。
そのくせ、ケイルの娘、エミリーが必死に星条旗を>>続きを読む
武装グループのリーダー、カンを演じるリック・ユーンが、痩せて美形になった X-GUN の西尾にしか見えなかった。
結局、主要各国との連携を図ろうとする場面で「日本国政府」の名前が挙がることは一度も無>>続きを読む
プール、プール♪
何があっても、プール♪
底抜けに明るいエンディング・テーマが印象的。
数あるピンク映画の中でも特に可笑しくて、それでいてちょっぴり切なくて、最後には爽やかさまで味わえてしまう秀>>続きを読む
申し訳ないが「へえ、タイでもこんなホラーを製作してるんだ」の一言。
近年の“Jホラー”と呼ばれる部類の映画に興味が無いため、それらの模写のようにしか見えない今作はどうもピンと来なかった。もう少し独自>>続きを読む
どこまでもエンターテインメント指向な映画監督、矢口史靖のその後の作風を決定付けた90年代コメディーの佳作。
目的達成のために我が道を邁進する西田尚美の姿は、まさに矢口史靖が描くヒロイン像の原点であり>>続きを読む
なんとも思わせぶりな暗喩に満ちた現代の寓話。監督曰く「テーマもメッセージも無い。好きに解釈してくれ」とのこと。
そんなことを言われれば言われるほど深読みしたくなるのが鑑賞者の心情だが、この映画に関し>>続きを読む
三池崇史という映画監督は“見せずにはいられない人間”なんだなあ、と。改めて。
台本に記されたことを、余すところなく全て映像化しなければ気が済まないタイプというか。
セックス、ドラッグ、バイオレンス>>続きを読む
「いくら凡人が努力したところで天性の才能の持ち主には敵いっこないんだからさ、才能と熱意を兼ね備えていない人間はさっさと夢を諦めて身の丈にあった幸せを探したほうがいいと思うよ」
夢追い人たちに突き付け>>続きを読む
参りました。とんでもない怪作。パルム・ドールと金熊賞を受賞した実績は伊達じゃなかった。
幕開けは地を這うゴキブリと少年のオチンチン。
西語、仏語、伊語、英語らが飛び交うベネズエラの移民の街を舞台に、>>続きを読む
小道具一つも無駄にしない脚本は流石。
モンローは豪華な衣装を身に纏っているときよりもラフな格好で酒を片手にホロ酔いしているときのほうが魅力的。
ただ、よくよく考えてみると、トニー・カーティスと>>続きを読む
真の見所はサスペンスフルな身代金の受け渡しではなく、前半部にある。
邸宅での重苦しく緊張感に満ちた長回し。観ているこちらまで息が詰まり、ジットリとした汗をかいてしまうほど。
黒澤の愛してやまないド>>続きを読む
岩井俊二の用意した“セカイ”に生きる少年、少女たちからは体温や息遣いが全く感じられない。
最早、人間ではなく、ただの記号。
いや、この映画では記号でも良いんだ。それこそが狙いなんだ。という向きもあるの>>続きを読む
相変わらずカッコのよろしいオープニングクレジットには痺れたけれど、肝心のストーリーはお粗末そのもの。
「時間返せコノヤロー!」という罵倒は、崑さんではなく原作の内田康夫にぶつけたいと思います。
世間には「ニコラス・ケイジの出演作は駄作ばかり」だとか「リドリー・スコットの映画って、映像は凝ってるけどストーリーは微妙だよね」などと抜かしやがる不届き者がいる。
そんな連中に「これを観ろ!」と叩き付>>続きを読む
熱いコーヒーを美味そうに啜りながら、姿の見えない“仲間”に向けて語りかけるピーター・フォーク。
色鮮やかな人間界に降り立ち、鎧を片手に、出逢うべき女性(マリオン)を探して歩き始めるダミエル。
かつての>>続きを読む
力作だとは思うし、見応えのある作品だったことは認めるけど、なんだろう、この感覚……。
学生時代、政治とか戦争とか、近代史の話題になると妙にリキ入れて熱く語り出す教師っていたじゃないですか。
アレな>>続きを読む