法廷映画としては、なかなか楽しめる。
しかし、人間関係が予想通りすぎるというか……ラストに関しては不思議な心地よさがあるものの、そこに至るまでが弱かったかな。
前半部分のビッチとやリマンの不毛な話しは多少面白かった。しかし、全体としてはありふれた話である。
このような結論に至る映画は、過去に何本もある。ならば見せ方により過去作品との違いを見せるべきなのだが、>>続きを読む
コロナ禍を描いたドキュメンタリーは、テレビを中心に数多くある。本作は、いままでのそれをテーマにした作品と、大きく違う内容となっている。それは、ユーモアが入っているところだ。
コロナによる緊急事態宣言発>>続きを読む
表現とは、いつの時代もお上から睨まれるものであり、睨まれつづけなければならないものなのだ。
江戸時代を舞台にしているが、いまの世と表現へのお上の対応と何が違うというのか?気に入らぬ表現はすぐ弾圧され、>>続きを読む
出だし、そのナレーションの多さが気になった。ナレーションを最低限にし、鶴瓶の言動を見せた方がいいのでは?と。
が、『らくだ』の話しが軸になってから、一気に作品の雰囲気が変わる。
確かに、笑福亭鶴瓶とい>>続きを読む
そもそも、あの壮大な原作を映画にしようというのが間違いなのだ。やるとしたら、1作目の際にボツになった岸田理生さんほどの思い切り……原作とは違うアプローチが必要だと思う。
まず、脚本がズタズタなのだ。ア>>続きを読む
宇宙船などのメカ描写は素晴らしい。しかし、物語が本当に酷い。
予算の都合もあるだろうが、都市破壊のシーンはほぼなく、原野で攻撃されているだけで盛り上がらない。人間ドラマも一体何をやりたいのかわからない>>続きを読む
想定外の傑作。
基本は不良少年マンガのパロディなのだが、それを正面に押し付けることなく見せてくる脚本のうまさ。
アクションシーンも見事で、VFXの多用は理解できるが、それをいれても心地よい。
そしてな>>続きを読む
障害者のドキュメンタリーではない。人間が根源的にもっている、表現への欲求を描いた作品である。
中盤まで、NHKあたりが作ったよくできたドキュメンタリーであるような印象である。それがラストで一気に変わる>>続きを読む
面白いテーマを見つけたとは思う。ただ、そのテーマが映画としての面白みに繋がっていないのだ。
技術陣も役者陣もいい。しかし、脚本ができていない。舞台挨拶で、アドリブ的に演出をしていたと話していたが、それ>>続きを読む
オープニング。セットを建て虚構の彼女たちの住む部屋を作る姿を観て、今村昌平監督の『人間蒸発』を思い浮かべたのは、自分だけか?
SNSにおける若年層に対する性的被害の実態が、ヘドが出そうになるほど描かれ>>続きを読む
村という閉鎖的コミューンと、そこから出ていった者、または出ていかざるを得なかった者。ある意味、この時期の大島渚作品のテーマの集大成ともいえる。
しかし、そのテーマがいまひとつ浮き彫りにされない。言って>>続きを読む
見事にバランスがとれた脚本。怪獣映画としての脚本のお手本と呼んでよい。
物語は九州だけを舞台にしており、広がりがない。ある意味珍しい怪獣映画である。
坑道の美術は水もあるなど素晴らしいが、日本家屋や事>>続きを読む
虚に口と書いて嘘。このことに気づいただけで、本作は大傑作となったと言っていい。
虚な世界を嘘を吐きながら生きる人々。その人々の現実。幸せだとは言えないかもしれない。でも、幸せが訪れることもある。そのと>>続きを読む
まず、最初のビデオシリーズから観ていないと、その意味が分かりずらい。これはシリーズものの宿命だからめを塞ごう。
問題は物語。実写としたためか、人間どらまよりアクションシーンが中心になり物語がかなりよわ>>続きを読む
懐かしい人情劇。古臭く感じる部分はあれど、児童虐待という現代性を加えることで、それを薄めている。
しかし、ラスト近くになると「予想通り」と言わんばかりの古臭さが爆発する。エンドロール前はまだ苦笑いで済>>続きを読む
前作を、自分はシリーズを見ずに観劇し、小松撮影監督の腕前に感激し、かなり高い評価をした。
本作のほとんどは、屋内である。前作で輝いた小松撮影監督の素晴らしさは、屋外でロングを捉えたときにこそあるておも>>続きを読む
全体の構成はなかなか上手い。多少犯罪へともっていく部分に疑問というか、無理矢理な部分を感じるも、それすら納得させてしまう構成。これには、細かく手を入れていった編集の力もあるだろう。
残虐描写はよい。い>>続きを読む
冒頭数分、よくできたアダルト系ビデオ映画だと思った。
それが進むにつれ、不条理アダルトコメディへとなり、そのアイデアに感嘆した。
ただ、部屋への出入りをフェードアウト、フェードインにしてしまったのは…>>続きを読む
アップと引き、ストップモーションの使い方は、見事である。しかし、脚本が悪い。
関係性を描く部分が弱い。ローテーションで撮った1本なのだろうが、ポルノなのだから絡みのシーンも1ショットを長めでとるべき。>>続きを読む
日本映画学校の授業で初めてみた。講師である映画評論家の佐藤忠男氏が「20代のあなたたちには、ヤッてるだけの映画に観えるでしょう。でも、40代を超えて観たときに、この作品の悲しみがわかりますよ」と話して>>続きを読む
ケルベロスサーガでは、もっとも真っ当な作品。革命劇より恋愛劇に重みを置いた部分に、賛否が分かれるところだろう。
よど号事件から始まったシリーズが、革命の渦に巻き込まれる恋愛ものになるのは、時代のながれ>>続きを読む
一見したら、いろんなものを押し込んでしまい、まとまりがないように思う。それが紙一重で作品として成り立っているのは、作り手側が伝えたいテーマがはっきりとあるからだ。
自分は、テーマが強い映画が好きである>>続きを読む
小学生以来に観て、第一声が「懐かしい!」だった(笑)
いま観直すと、白人の奴隷感が下敷きになっているのが分かる。それを踏まえて観たら、少し面白い。
ただ、映画としては微妙に盛り上がらない。この時期の東>>続きを読む
戦後日本の混乱期を舞台にしたことにより、観るべき作品になっている。あの時の日本が、どのような状況だったのか?もちろん、これが日本の全てではない。しかし、一端ではある。
脚本は、かなり説明臭い。なにかあ>>続きを読む
ラストは少し面白いが、全体的にはそれほど絶賛するほどのものではない。特に、序盤の出会いに関しては、感情のつながりが見えてこない。
ただ、当時の雰囲気(もちろん、これが社会全体の雰囲気ではないが)、渋谷>>続きを読む
何年ぶりだろう。法廷劇のラストで泣いてしまったのは。
観る前に、シカゴ暴動の知識がある程度は必要かもしれない。そこは多少のネックではある。ただ、国家と国民、憲法と法の関係性が問われているいまの時代、観>>続きを読む
同じ松竹ヌーベルバーグであったとしても、大島渚監督はアジテーションから表現による概念との対峙を目指していったのに対し、吉田監督はより観念的方向へと向かい、映像の中に革命幻想を作ろうとした。
崩壊へと向>>続きを読む
脚本だけだと、社会に虐げられた女の生き様を描いた作品である。それを鈴木清順が監督したら、セリフや芝居だけでなく、イメージショットも加わり、独特の美意識を纏った作品へと変幻している。
この作品最大の幸福>>続きを読む
田中プロデューサーや本多監督げ否定する向きもあるが、本作は完璧な反戦映画であり、反水爆映画である。
1番大切なことは、太平洋戦争に記憶も新しい時期に、この作品が作られたということである。広島、長崎の原>>続きを読む
なせに、こんなことをしてしまったのか。
普通に伝記映画にすれば、それなりに面白い映画になったと思う。それを変に凝ってしまうから……。
なにから絶賛すればいいのか……。あらゆる面で、完璧なのだ。
1番素晴らしいのは、脚本である。会話が見事すぎる。そして、その脚本を心地よい間合いで演出している。
傑作を連打している今泉監督。今回もホーム>>続きを読む
人の生き方は、それぞれである。しかし、自由に生きるということは、皆に与えられた権利であろう。
屋根の下で生きるということは、安心であり安定である。それを求めるのは、自分含めて現代を生きる人間のほとんど>>続きを読む
物語が緩慢。移民の物語としても、家族の物語としても中途半端。
ここ最近のA24作品にありがちな、なにかをやろうとして、やりきれていない感じか。
映画ファンならば、胸が熱くなる部分はある。しかし、映画との絡み方が微妙に中途半端なのだ。
映画を知っているならば、ニヤリとするシーンは多々ある。しかし、それが後半になると乖離してしまうのだ。
原田監督>>続きを読む
どんな映画でも、最も面白いのは映画を作っている現場である。そこには、完成した映画の数倍もの出来事がある。
本作も、映画撮影の物語としただけで、ある程度の評価は確定したようなものだ。
しかし、凄く残念な>>続きを読む