西村大樹さんの映画レビュー・感想・評価 - 11ページ目

西村大樹

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ゆれる(2006年製作の映画)

2.0

法廷映画としては、なかなか楽しめる。
しかし、人間関係が予想通りすぎるというか……ラストに関しては不思議な心地よさがあるものの、そこに至るまでが弱かったかな。

“隠れビッチ”やってました。(2019年製作の映画)

1.5

前半部分のビッチとやリマンの不毛な話しは多少面白かった。しかし、全体としてはありふれた話である。
このような結論に至る映画は、過去に何本もある。ならば見せ方により過去作品との違いを見せるべきなのだが、
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東京自転車節(2021年製作の映画)

5.0

コロナ禍を描いたドキュメンタリーは、テレビを中心に数多くある。本作は、いままでのそれをテーマにした作品と、大きく違う内容となっている。それは、ユーモアが入っているところだ。
コロナによる緊急事態宣言発
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HOKUSAI(2020年製作の映画)

5.0

表現とは、いつの時代もお上から睨まれるものであり、睨まれつづけなければならないものなのだ。
江戸時代を舞台にしているが、いまの世と表現へのお上の対応と何が違うというのか?気に入らぬ表現はすぐ弾圧され、
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バケモン(2021年製作の映画)

4.0

出だし、そのナレーションの多さが気になった。ナレーションを最低限にし、鶴瓶の言動を見せた方がいいのでは?と。
が、『らくだ』の話しが軸になってから、一気に作品の雰囲気が変わる。
確かに、笑福亭鶴瓶とい
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帝都大戦(1989年製作の映画)

1.5

そもそも、あの壮大な原作を映画にしようというのが間違いなのだ。やるとしたら、1作目の際にボツになった岸田理生さんほどの思い切り……原作とは違うアプローチが必要だと思う。
まず、脚本がズタズタなのだ。ア
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宇宙大怪獣ギララ(1967年製作の映画)

1.0

宇宙船などのメカ描写は素晴らしい。しかし、物語が本当に酷い。
予算の都合もあるだろうが、都市破壊のシーンはほぼなく、原野で攻撃されているだけで盛り上がらない。人間ドラマも一体何をやりたいのかわからない
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地獄の花園(2021年製作の映画)

4.0

想定外の傑作。
基本は不良少年マンガのパロディなのだが、それを正面に押し付けることなく見せてくる脚本のうまさ。
アクションシーンも見事で、VFXの多用は理解できるが、それをいれても心地よい。
そしてな
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へんしんっ!(2020年製作の映画)

5.0

障害者のドキュメンタリーではない。人間が根源的にもっている、表現への欲求を描いた作品である。
中盤まで、NHKあたりが作ったよくできたドキュメンタリーであるような印象である。それがラストで一気に変わる
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海辺の彼女たち(2020年製作の映画)

1.5

面白いテーマを見つけたとは思う。ただ、そのテーマが映画としての面白みに繋がっていないのだ。
技術陣も役者陣もいい。しかし、脚本ができていない。舞台挨拶で、アドリブ的に演出をしていたと話していたが、それ
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SNS-少女たちの10日間-(2020年製作の映画)

4.0

オープニング。セットを建て虚構の彼女たちの住む部屋を作る姿を観て、今村昌平監督の『人間蒸発』を思い浮かべたのは、自分だけか?
SNSにおける若年層に対する性的被害の実態が、ヘドが出そうになるほど描かれ
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白昼の通り魔(1966年製作の映画)

3.0

村という閉鎖的コミューンと、そこから出ていった者、または出ていかざるを得なかった者。ある意味、この時期の大島渚作品のテーマの集大成ともいえる。
しかし、そのテーマがいまひとつ浮き彫りにされない。言って
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空の大怪獣 ラドン(1956年製作の映画)

3.0

見事にバランスがとれた脚本。怪獣映画としての脚本のお手本と呼んでよい。
物語は九州だけを舞台にしており、広がりがない。ある意味珍しい怪獣映画である。
坑道の美術は水もあるなど素晴らしいが、日本家屋や事
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はるヲうるひと(2020年製作の映画)

5.0

虚に口と書いて嘘。このことに気づいただけで、本作は大傑作となったと言っていい。
虚な世界を嘘を吐きながら生きる人々。その人々の現実。幸せだとは言えないかもしれない。でも、幸せが訪れることもある。そのと
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THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦(2015年製作の映画)

2.0

まず、最初のビデオシリーズから観ていないと、その意味が分かりずらい。これはシリーズものの宿命だからめを塞ごう。
問題は物語。実写としたためか、人間どらまよりアクションシーンが中心になり物語がかなりよわ
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ひとくず(2019年製作の映画)

4.0

懐かしい人情劇。古臭く感じる部分はあれど、児童虐待という現代性を加えることで、それを薄めている。
しかし、ラスト近くになると「予想通り」と言わんばかりの古臭さが爆発する。エンドロール前はまだ苦笑いで済
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映画 賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット(2021年製作の映画)

1.5

前作を、自分はシリーズを見ずに観劇し、小松撮影監督の腕前に感激し、かなり高い評価をした。
本作のほとんどは、屋内である。前作で輝いた小松撮影監督の素晴らしさは、屋外でロングを捉えたときにこそあるておも
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キャラクター(2021年製作の映画)

3.0

全体の構成はなかなか上手い。多少犯罪へともっていく部分に疑問というか、無理矢理な部分を感じるも、それすら納得させてしまう構成。これには、細かく手を入れていった編集の力もあるだろう。
残虐描写はよい。い
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あ・く・あ ふたりだけの部屋(2021年製作の映画)

3.0

冒頭数分、よくできたアダルト系ビデオ映画だと思った。
それが進むにつれ、不条理アダルトコメディへとなり、そのアイデアに感嘆した。
ただ、部屋への出入りをフェードアウト、フェードインにしてしまったのは…
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闇に抱かれて(1982年製作の映画)

1.5

アップと引き、ストップモーションの使い方は、見事である。しかし、脚本が悪い。
関係性を描く部分が弱い。ローテーションで撮った1本なのだろうが、ポルノなのだから絡みのシーンも1ショットを長めでとるべき。
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赫い髪の女(1979年製作の映画)

3.5

日本映画学校の授業で初めてみた。講師である映画評論家の佐藤忠男氏が「20代のあなたたちには、ヤッてるだけの映画に観えるでしょう。でも、40代を超えて観たときに、この作品の悲しみがわかりますよ」と話して>>続きを読む

人狼 JIN-ROH(1999年製作の映画)

3.5

ケルベロスサーガでは、もっとも真っ当な作品。革命劇より恋愛劇に重みを置いた部分に、賛否が分かれるところだろう。
よど号事件から始まったシリーズが、革命の渦に巻き込まれる恋愛ものになるのは、時代のながれ
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なんのちゃんの第二次世界大戦(2020年製作の映画)

4.0

一見したら、いろんなものを押し込んでしまい、まとまりがないように思う。それが紙一重で作品として成り立っているのは、作り手側が伝えたいテーマがはっきりとあるからだ。
自分は、テーマが強い映画が好きである
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モスラ(1961年製作の映画)

2.5

小学生以来に観て、第一声が「懐かしい!」だった(笑)
いま観直すと、白人の奴隷感が下敷きになっているのが分かる。それを踏まえて観たら、少し面白い。
ただ、映画としては微妙に盛り上がらない。この時期の東
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男の顔は履歴書(1966年製作の映画)

2.5

戦後日本の混乱期を舞台にしたことにより、観るべき作品になっている。あの時の日本が、どのような状況だったのか?もちろん、これが日本の全てではない。しかし、一端ではある。
脚本は、かなり説明臭い。なにかあ
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不良少女 魔子(1971年製作の映画)

2.0

ラストは少し面白いが、全体的にはそれほど絶賛するほどのものではない。特に、序盤の出会いに関しては、感情のつながりが見えてこない。
ただ、当時の雰囲気(もちろん、これが社会全体の雰囲気ではないが)、渋谷
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シカゴ7裁判(2020年製作の映画)

5.0

何年ぶりだろう。法廷劇のラストで泣いてしまったのは。
観る前に、シカゴ暴動の知識がある程度は必要かもしれない。そこは多少のネックではある。ただ、国家と国民、憲法と法の関係性が問われているいまの時代、観
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戒厳令(1973年製作の映画)

1.5

同じ松竹ヌーベルバーグであったとしても、大島渚監督はアジテーションから表現による概念との対峙を目指していったのに対し、吉田監督はより観念的方向へと向かい、映像の中に革命幻想を作ろうとした。
崩壊へと向
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河内カルメン(1966年製作の映画)

3.5

脚本だけだと、社会に虐げられた女の生き様を描いた作品である。それを鈴木清順が監督したら、セリフや芝居だけでなく、イメージショットも加わり、独特の美意識を纏った作品へと変幻している。
この作品最大の幸福
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ゴジラ(1954年製作の映画)

5.0

田中プロデューサーや本多監督げ否定する向きもあるが、本作は完璧な反戦映画であり、反水爆映画である。
1番大切なことは、太平洋戦争に記憶も新しい時期に、この作品が作られたということである。広島、長崎の原
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テスラ エジソンが恐れた天才(2020年製作の映画)

1.5

なせに、こんなことをしてしまったのか。
普通に伝記映画にすれば、それなりに面白い映画になったと思う。それを変に凝ってしまうから……。

街の上で(2019年製作の映画)

5.0

なにから絶賛すればいいのか……。あらゆる面で、完璧なのだ。
1番素晴らしいのは、脚本である。会話が見事すぎる。そして、その脚本を心地よい間合いで演出している。
傑作を連打している今泉監督。今回もホーム
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ノマドランド(2020年製作の映画)

5.0

人の生き方は、それぞれである。しかし、自由に生きるということは、皆に与えられた権利であろう。
屋根の下で生きるということは、安心であり安定である。それを求めるのは、自分含めて現代を生きる人間のほとんど
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ミナリ(2020年製作の映画)

3.0

物語が緩慢。移民の物語としても、家族の物語としても中途半端。
ここ最近のA24作品にありがちな、なにかをやろうとして、やりきれていない感じか。

さらば映画の友よ インディアンサマー(1979年製作の映画)

3.0

映画ファンならば、胸が熱くなる部分はある。しかし、映画との絡み方が微妙に中途半端なのだ。
映画を知っているならば、ニヤリとするシーンは多々ある。しかし、それが後半になると乖離してしまうのだ。
原田監督
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バイプレイヤーズ~もしも100人の名脇役が映画をつくったら~(2021年製作の映画)

3.5

どんな映画でも、最も面白いのは映画を作っている現場である。そこには、完成した映画の数倍もの出来事がある。
本作も、映画撮影の物語としただけで、ある程度の評価は確定したようなものだ。
しかし、凄く残念な
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