タクマさんの映画レビュー・感想・評価 - 17ページ目

猿ノ王国(2021年製作の映画)

3.6

あるスクープを世に出すか出さないかを巡るテレビ局内で起きる隠蔽事件。
見ざる聞かざる言わざるを貫きつつも終始責任の押しつけあいを続ける登場人物達。コロナ禍の現代を背景に今の責任逃れと忖度で正義が軽んじ
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MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

3.6

彼らは皆同じ顔をしている。
女性からみた男性の有害性や邪悪さを最大限に研ぎ澄まし生まれた世界観に胸を貫かれた。美しい映像美と情報処理が追いつかない展開の連続で恐怖と不快感がどんどん加速して行った。宗教
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ミッキーのクリスマスキャロル(1983年製作の映画)

3.8

街1番の金持ちの癖にケチで強欲、おまけに人情はないしクリスマス嫌い。そんなスクルージの元にかつて親友だった男の亡者が現れ、過去、現在、未来のクリスマスの幽霊が会いに来る事を告げる。
これも子供の時に良
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それいけ!アンパンマン 勇気の花がひらくとき(1999年製作の映画)

3.9

自分じゃなく誰かの為に振り絞る本当の勇気。
史上最強にして最大のヒールになったバイキンマンが破壊の限りを尽くしパン戦士達を本気で殺しにくる劇場版第11作。ダース・ベイダーみたいなマスクをかぶって街中を
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.2

耳が聞こえないろう者の家族の中で唯一耳が聞こえる少女ルビー。
漁師である父と兄の仕事に毎日同行しそれ以外でも必要とあれば家族の助けになるように日々を過ごしている。そんな彼女には歌の才能があり彼女自身も
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マッドゴッド(2021年製作の映画)

3.9

30年の血と汗と涙で作られた暗黒神話の世界。深い闇の更に奥底にある天国という名の地獄を巡る旅路。ただひたすら破壊と想像を繰り返す容赦ないグロくて狂喜的なディストピア。見ているだけで脳みそを引きずりださ>>続きを読む

二代目はクリスチャン(1985年製作の映画)

3.3

てめえら!十字を切って悔い改めやがれ!
薬師丸ひろ子さんがセーラー服姿で機関銃なら志穂美悦子さんはクリスチャン姿で日本刀。クリスチャンとヤクザが結婚するまでのラブコメ展開は下品だし罰当たりだしで正直の
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極道の妻たち(1986年製作の映画)

3.7

愛した男が極道だった。
数ある映画ジャンルの中で実はヤクザ映画が一番苦手なワイ。そういう系の人が大嫌いになる出来事が子供の頃にあったのも大きいですがヤクザ映画ってそもそも感情移入がしにくいんです。こん
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成れの果て(2021年製作の映画)

3.7

成れの果て…予想してた以上にタイトルにこめられた意味がずっしりきた。
内容的にしんどくて胸糞なのは確かですがそれ以上に全編通して不穏でヒリヒリとした空気がきっつい。登場人物はそんなに多くない中で誰がこ
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生きててよかった(2022年製作の映画)

4.3

元プロボクサーの経歴を持つ中国から逆輸入された異色の俳優木幡竜の初主演作。
いやぁ、とんでもない映画見ましたわ!少なくとも自分の中ではこれなんでもっと話題にならないのよって思う位に。
ボクサーとしてで
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月の満ち欠け(2022年製作の映画)

2.9

評価難しい。自分が想像していた作品の内容と実際の中身があまりに違いすぎた。ある意味今年一番の変化球かもしれない。
説明台詞の多さで逆について行けなかったのもあるが映画としての映像表現と文学的な表現があ
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それいけ!アンパンマン よみがえれ バナナ島(2012年製作の映画)

3.8

東日本大震災の翌年に制作され復興がテーマになった本作。
本作のラスボスがバイキンマンではなくてバナナ島の地下で眠っていたこおりおにと言うある意味で人知を越えた災厄である部分が作り手側が込めた東北の復興
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.2

声優問題等で上映前は大炎上していて見る前は大きな期待以上に不安もありましたが見終わって見ればそんな事も吹き飛ばす位の最高の作品でした。
予告編を見た時はどうなるか予測できなかったCGアニメもバスケ漫画
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ニューオーダー(2020年製作の映画)

3.9

これは今そこにある最悪。ようこそ誰にでも平等に暴力が襲うディストピアへ。
幸せな結婚式が一変し虐殺と略奪の場に。レイプ、殺戮、拷問、誘拐。全編容赦ない暴力描写のオンパレード。見境もなく降り注ぐ暴力の前
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アンネ・フランクと旅する日記(2021年製作の映画)

4.3

アンネの想いと魂がこもったアンネの日記がアニメーションだから作り出せる世界観で甦る。
アンネ・フランクとアンネの日記を題材にした作品は数あれどアンネの空想上の親友であるキティを主役にしたのはこれだけじ
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トロール(2022年製作の映画)

3.6

ノルウェー産正統派怪獣映画。
自然への畏怖と環境破壊、ノルウェーの伝説的存在であるトロールの哀愁を通じて人類のエゴへの怒りと警鐘をならすストーリー。様々なテーマを詰め込みつつも所々でゴジラを意識した場
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ブラックアダム(2022年製作の映画)

4.1

いや~こういうエンタメに全降りされたヒーロー映画めっちゃ好きやわ✨
最近はヒーロー映画でも深いドラマ性が重視される中でそんなもんを粉砕するのがロック様演じる最恐破壊神ブラックアダム!圧倒的強さでヒーロ
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虹をつかむ男(1996年製作の映画)

4.1

亡き渥美清さんと「男は辛いよ」を初めとした全ての映画達に対する愛が込められた和製ニューシネマパラダイス。寂れた町のミニシアターで様々な名作達を通して描かれる映画と言う物の素晴らしさと人情と涙に満ちた物>>続きを読む

ドラえもん のび太の恐竜(1980年製作の映画)

3.7

劇場版ドラえもんシリーズの記念すべき第1作。
原点にして全てのドラ映画のルーツ、子供も大人も泣いて笑って感動できるドラ映画はこの頃から健在だったのだ。のび太達と恐竜の関わりを通して親子愛や自立、自然の
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大怪獣のあとしまつ(2022年製作の映画)

1.8

人類を恐怖に落とし入れた大怪獣が突如死んだ。問題はこの巨大で腐敗して行く死体をどう処理するか?これはそんな大怪獣の死体処理にあたる人々と政府高官達の物語。
公開当日に劇場で見ていましたが年末が近づき今
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ジャック(1996年製作の映画)

4.0

小さい時にこういう映画を見たなという記憶がうっすらありながらタイトルがわからなかった作品でしたがツイッターのフォロワーさんが紹介しているのをみてこれやと思いだし今回久しぶりに鑑賞しました。何となくコメ>>続きを読む

バーバリアン(2022年製作の映画)

4.1

バーバリアン「野蛮人」…そういう意味かい。
田舎の民泊に泊まりに来た女性。宿泊先には不審な先客。このシチュエーションで何も起きないハズはなかったが…ここから先は見てのお楽しみやけど少なくともここ数年の
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西部戦線異状なし(2022年製作の映画)

4.2

1930年に公開された同名作品の3回目のリメイク。
迫る敵軍の足音、空爆の恐怖、飢えと寒さ、たった数百メートルの陣地を奪うために若い兵士が家に帰りたいと願いながら呆気なく死んでいく。この物語の主人公は
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ゴーストバスターズ/アフターライフ(2021年製作の映画)

3.8

初代ゴーストバスターズを愛する人達と今は亡きハロルドライミスに捧ぐ最高の続編。初代へのリスペクトをこめつつ家族愛と友情の再生を軸に次世代へのバトンを繋げる物語。正直もう少しゴースト達の暴れっぷりが見た>>続きを読む

真・事故物件 本当に怖い住民たち(2021年製作の映画)

4.2

再鑑賞。いやあ、やっぱり超好き!
賛否両論あるのは理解できる内容ですが個人的にはここ数年のJホラーの中では良作に入る方だと思いますし断然推して行きたい映画ですね。前半はJホラー、後半はグロゴアに笑いを
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神は見返りを求める(2022年製作の映画)

3.7

映画は時代を映す鏡と言う事を体現したまごう事なき1本。
胸糞オブ胸糞。本当にただただ胸糞。登場人物全員好きになれん。一見良い感じに使いすての駒にされた気の毒な人間に見える田母神もその裏にあったのはゆり
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それいけ!アンパンマン とべ!とべ!ちびごん(1991年製作の映画)

3.2

自分が子供の時にみた映画版アンパンマンで微かに記憶に残っている作品の1つ。子供ながらにその小さな体で大きな宿命を背負ったちびごん。アンパンマンの「勇気をだせば君は飛べるんだよ」っていう台詞はそんなちび>>続きを読む

アトランティス(2019年製作の映画)

3.8

2025年のウクライナ戦争後を描いたヒューマンドラマ。
長年の戦争で荒れ果て地雷だらけになった国土、汚染された大地、戦死した人々の遺体の山、壊された心と向き合う人々。戦時下を乗り越えた者達に待ち受ける
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ザ・メニュー(2022年製作の映画)

4.0

孤島のレストランを舞台にシェフの怒りと狂気がこもったフルコースで進む地獄のディナーショーが幕をあける!
料理を通して我々レビュアーに様々な皮肉と批判をぶつけてくる社会風刺ブラックコメディ。料理を通して
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劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(2020年製作の映画)

4.8

愛してるを今伝える。
テレビアニメ版を見ないままの鑑賞。なのに冒頭からなぜか涙が止めどなく溢れて鳥肌が止まらない。それくらい作品で描かれる、町、空、自然の情景から溢れてくるエネルギーが凄まじく美しい。
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劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編(2022年製作の映画)

3.2

新キャラのヒイロとトワが登場する劇場版。ベニマルとヒイロの友情やヒイロとトワの絆を軸にしながら転スラらしい痛快感と迫力のある戦闘シーンで中盤までは楽しめた。ただ終盤は良かれ悪かれいつもの転スラ。ご都合>>続きを読む

白く濁る家(2019年製作の映画)

3.4

アマゾンプライムで見れる48分の短編ホラー。
冒頭から襲われる不快感…だけどなんで不快感を覚えるのか、その正体が全くわからない。この嫌な気持ちを抱えたまま物語はどこに行き着くのか?ずっと考えながら見て
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きかんしゃトーマス劇場版 魔法の線路(2000年製作の映画)

3.6

自分に取って小さい頃から数えてめちゃくちゃ久しぶりな機関車トーマス。大人になって見てみたらめちゃくちゃ懐かしい!
ソドー島のエフェクトは綺麗やし生身の世界とトーマス達の世界を繋げるのが魔法の扉とそこか
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コマンドー(1985年製作の映画)

4.5

シュワちゃん無双映画の金字塔にして最強の筋肉映画の傑作である。桁違い過ぎるシュワちゃんの強さ、吹き替えの素晴らしさ、個性的過ぎる登場人物、それら全てが合わさった奇跡。細けえ事はサリー共々崖から落とせ。>>続きを読む

100日間生きたワニ(2021年製作の映画)

3.3

ツイッターで連載され話題になった「100日後に死ぬワニ」の映画版。本編完結後のワニの友人達のその後の物語。
原作の持ち味である然り気無い日常の中でのワニに迫る死の恐怖や絶望感は軽くなってしまった感は否
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ある男(2022年製作の映画)

4.1

自分の定義とは?
これは極力ネタバレ無しで見てほしい映画ですがざっくり言うたら愛した男の真の姿を追いながら自分自身の本当のルーツとはなにかを問われるお話。
人生、国籍、人種、人間は様々な部分で多面的な
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