かなり悪いオヤジさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

かなり悪いオヤジ

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コントラクト・キラー(1990年製作の映画)

3.5

アキ・カウリスマキとジム・ジャームッシュの仲がいいことは業界では有名な話らしいのです。オフ・ビート感覚が一つの売りになっている2人共通の作風だけに、オマージュのようなことをお互いやりあっているのでは、>>続きを読む

The Son/息子(2022年製作の映画)

3.6

 
仕事一筋で家庭を一切かえりみなかった
親父が大嫌いだった俺
その親父への憎しみだけて生きてきた俺が
もっと息子のことを気にかけてやるべきだったのか
この数週間理想の父親を演じ続けた俺のことを
息子
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エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)

4.0

Film.
It's just static frames with darkness between.
But there's a little flaw in your optic nerve.
>>続きを読む

バビロン(2021年製作の映画)

3.5

1920年代後半から30年代前半にかけて、映画がサイレントからトーキーへと様変わりする中で、その壁を乗り越えられず人知れず消えていった、ハリウッドのスター俳優や映画関係者の姿が哀愁たっぷりに描かれてい>>続きを読む

かがみの孤城(2022年製作の映画)

3.8

悩める中学生とタイムリープの組み合わせは、最高興行収入邦画『すずめの戸締り』を想起させる。アニメーションの動きもどこかカクカクしていて、新海アニメのようなヌケ感のあるリアリティを背景画に感じないものの>>続きを読む

岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)

3.3

フランスではすでに“漫画”が9番目の芸術として認知されているらしく、本作の原作漫画もルーブル美術館から直々荒木飛呂彦に依頼があった読み切りモノらしい。漫画が芸術?なんて(わたしを含め)バカにしている方>>続きを読む

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

3.8

全世界で500億円以上の興行収入を稼ぎ出した邦画は、現在のところ本アニメのみという、むかうところ敵なしの新海誠監督なのである。作風が“中二病”とか“セカイ系”とか揶揄されたのも遠い昔話、本アニメを見終>>続きを読む

エイリアン:コヴェナント(2017年製作の映画)

3.5

「1作目を製作した時、なぜこのクリーチャーが誕生したのか、そして、卵を乗せた宇宙船みたいなものがなぜ旅をするのかを考えていた。この宇宙船や卵の目的は何なのか? それが問題なのだ。“誰が、なぜ、何の目的>>続きを読む

プロメテウス(2012年製作の映画)

3.8

「1作目を製作した時、なぜこのクリーチャーが誕生したのか、そして、卵を乗せた宇宙船みたいなものがなぜ旅をするのかを考えていた。この宇宙船や卵の目的は何なのか? それが問題なのだ。“誰が、なぜ、何の目的>>続きを読む

三姉妹(2020年製作の映画)

3.5

厳格な父親とパッとしない結婚生活を送っている3人姉妹+男兄弟。そんな登場人物の構成もさることながら、三女の仕事が劇作家という点においても本作は間違いなくチェーホフの同名劇作を意識している。イ・チャンド>>続きを読む

舟を編む(2013年製作の映画)

3.8

一冊の辞書を出版するのに15年以上の年月がかかる辞書編集にスポットライトをあてたお仕事ムービー。原作者はベストセラー作家の三浦しをん。矢口史靖監督『ウッドジョブ』の原作者でもある三浦は、植樹してから材>>続きを読む

ハッチング―孵化―(2022年製作の映画)

3.4

SNSに理想的な仮面家族の日常をアップして結構なアクセス数を稼いでいる母親は、元フィギュアスケート選手。母親の果たせなかった夢を是非娘に叶えてもらおうと、イヤイヤ体操クラブに通わされている12歳の少女>>続きを読む

非常宣言(2020年製作の映画)

3.5

2020年1月16日“ダイヤモンド・プリンセス号”が横浜港に寄港、感染者712人をはじめとする乗員乗客がしばらく洋上で隔離生活を余儀なくされたことも記憶に新しい。感染覚悟で乗員乗客のすべてを帰港後すぐ>>続きを読む

追跡(1947年製作の映画)

4.0

殺されるために戦う男。こんな複雑なキャラクターを演じさせるとしたら、やはりこの俳優ロバート・ミッチャム以外には考えられない。そんな心に障害を抱えている男をつい愛してしまう女を演じさせるとしたら、『我ら>>続きを読む

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

3.8

ミハイル・ハネケは「もうドラマは書けない。現実の方が茶番と化しているから」と語っているそうなのだ。昨今のウクライナ戦争における各国の動きを見ても戦争をネタにした茶番劇にしか思えない、というあなたに是非>>続きを読む

輪舞(1950年製作の映画)

3.7

ドイツ系ユダヤ人監督マックス・オフュルスが撮ったフランス映画である。狂言回し役の髭男爵俳優アントン・ウォルブルックが、ある時はカルーセルの管理人、ある時はレストランの給仕係、ある時は馬車の馭者に扮して>>続きを読む

旅立ちの時(1988年製作の映画)

3.8

コカインの過剰摂取が原因で23歳の若さでこの世を去ったリヴァー・フェニックスの青春メモリアルムービーだ。ベトナム戦争に反対する左翼運動家のアーサー(ジャド・ハーシュ)とアニー(クリスティン・ラーティ)>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

4.0

長野県諏訪市のとある公立小学校で起きたパワハラ事件を巡る三者(母親、教師、生徒)の視点。“クィア”な存在に対する社会の偏見はどのようにして生まれるのか、という問いがそこから浮かび上がってくる、なかなか>>続きを読む

オットーという男(2022年製作の映画)

3.7

実はスウェーデンで大ヒットしたというオリジナルを観たことがあるのだが、舞台がスウェーデンからアメリカの新興住宅地に移った以外は、ディテールを含めほとんどオリジナルを踏襲しているといってもよいだろう。オ>>続きを読む

小公女(2017年製作の映画)

3.5

韓国映画新人賞を総なめにした本作は、なかなか侮れないフェミニズム・ムービーである。家なし、金なし、定職なしのマルビ女が、家賃値上げに耐えきれずアパートを出て、昔のバンド仲間を頼って住居を転々とするお話>>続きを読む

恋はデジャ・ブ(1993年製作の映画)

4.0

本作は、タイムループSFの掘り出し物『パーム・スプリングス』のおそらく元ネタだ。今作で同じ1日を繰り返すのは、地方TVのお天気キャスターフィル(ビル・マーレイ)。高慢と偏見に凝り固まった自己愛の塊のよ>>続きを読む

ミラクル・ニール!(2015年製作の映画)

3.5

最近ではトムク・ルーズの真面目なサポーター役がすっかり板についてきたサイモン・ペッグだが、本当はこういういい加減な役柄がピッタリはまる英国人コメディアンなのだ。学校にはいつも遅刻して登校、生徒に教える>>続きを読む

気まぐれな唇(2002年製作の映画)

3.7

ちょっと前まで即興演出のとんがった映画を撮っていたホン・サンスが、最近はモノクロ基調のちゃんとシナリオのある映画を作るようになってきた。そのホン・サンスがまだ即興を映画作りに取り入れる以前に撮られた本>>続きを読む

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

3.7

セシル・B・デミルの『地上最大のショー』にはじまり、ラストは“映像の詩人”ジョン・フォード(デヴィッド・リンチ!!!)の登場で幕を閉じる。ジョーゼフ・L・マンキーウィッツのパージを巡ってデミルとフォー>>続きを読む

わが母の記(2011年製作の映画)

3.7

実は生前の井上靖に偶然出会ったことがある。作家が次作『氷壁』の取材で、中央アルプスの宝剣岳を訪れていた時のことである。現役の作家先生にお目にかかれたことを、同行していた山好きな母親がとても喜んでいて登>>続きを読む

ある男(2022年製作の映画)

3.3

身元ロンダリングが生んだ悲劇の謎を、在日3世の弁護士が解明するミステリーなのだが、物語後半に用意されたどんでん返しもありきたりで想定内の範疇を出ていない。東欧ポーランドで映画のイロハを学んだ石川慶監督>>続きを読む

百花(2022年製作の映画)

3.8

「時々あなたは子供のように見えます」恋人にあてたラブレターの余韻にひたりながら、シューマンが子供時代を思い出しながら作曲したという『トロイメライ』が、劇伴として実に効果的に使われている。子供時代の思い>>続きを読む

川っぺりムコリッタ(2021年製作の映画)

4.0

自給自足のミニマリストをちょいスピリチュアルに描いたコメディ『かもめ食堂』から数えて、本作は何作目になるのだろう。荻上直子はとうとう仏教のある境地にたどり着いたようだ。それでいて作品が宗教じみて見えな>>続きを読む

ヴァージン・スーサイズ(1999年製作の映画)

3.6

『若草物語』自立編ならぬ自殺編ともいえる原作小説は、美しき5人姉妹の理由なき自殺を描いているのですが、不思議と鉄分たっぷりの血生臭さが脱臭され、フルーツパンチの甘ったるい香りにみたされているのです。お>>続きを読む

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

3.5

見てきましたよ『デッドレコニングPARTONE』。トム・クルーズが自身の体をはった命がけのスタントシーンがもはや名物化している本シリーズ。『運命のダイヤル』に81歳で出演したハリソン・フォードを引き合>>続きを読む

スピリットウォーカー(2020年製作の映画)

3.8

正直昨日劇場で見た『デッドレコニンクPART1』よりも面白いと思ったのが、この『スピリットウォーカー』だ。記憶を失った男の魂が、12時間毎に別の人間にのり移っていく一種のSFスリラーなのだが、スピリチ>>続きを読む

(1960年製作の映画)

4.0

元脱獄囚が書いた原作小説の映画化作品に、その脱獄仲間が俳優の一人として堂々と出演している、激ヤバな一本だ。監督はノワールものを得意としていた名匠ジャック・ベッケル。一応仲間内の裏切りなどをストーリーに>>続きを読む

肉屋(1969年製作の映画)

4.0

クロード・シャブロル円熟期にあたる第3期に撮られたスリラー。フリッツ・ラングやヒッチコックに傾倒していたシャブロルは、この時期“スリラー”というジャンルに自身の活路を見出だしたのだろうか。といってもい>>続きを読む

潜水艦クルスクの生存者たち(2018年製作の映画)

3.8

2000年ロシア・バレンツ海の浅瀬で実際起きた、原子力潜水艦クルスクの爆発沈没事故を題材にしたノンフィクション映画である。当初118名いた乗組員の全てが爆発時に死亡と報告されていたが、のちに艦尾に逃れ>>続きを読む

ただ悪より救いたまえ(2019年製作の映画)

3.7

蛇とマングース。イ・ジョンジェとファン・ジョンミンの組み合わせを見るのはこれが何回目だろう。あのヤクザ映画の傑作『新しき世界』でも、息がピッタリあっていた2人が、兄貴を殺された仇うちに燃える日本人ハー>>続きを読む

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

3.5

庵野秀明は、このシン・仮面ライダーで何を狙ったのだろうか。ピークをとっくに過ぎた長澤まさみのちょいエロズッコケキャラとなんちゃって英語チャンポントークによるコメディなのか?朝日テレビでオリジナルを見て>>続きを読む