アノさんの映画レビュー・感想・評価 - 18ページ目

乾杯!ごきげん野郎(1961年製作の映画)

3.5

列車で帰郷してる間にスターになっていた!という空間の飛躍に意義をもたせているのが図抜けている。乗車中に知らされたり捕まるのではなく、下車したらそこには…というのがね。

港祭りに来た男(1961年製作の映画)

4.3

大友柳太朗の正体が明かされる後半の画面の充実ぶりにうっとり。心情を乗せた演劇的なセリフのやり取りを役者の配置とカメラの切り替えで映画としか言いようのないリズムを作る。ああマキノ……。
騙されているは周
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チャイナ・ガール(1987年製作の映画)

3.1

野暮ったくてあまりハマらず。葬式で泣きすぎだよ。
階段前で刺されてから這いずっていく一連のくだりが良い。あと首吊り死体の撮り方ね!

殺しの占星術(1932年製作の映画)

3.5

これは掘り出し物。
謎めいたマーナ・ロイ、一時間切ってるとは思えない死者数、爆弾を投げながらのカーチェイスと見所盛りだくさん。楽しかった。

ぽんこつ(1960年製作の映画)

3.3

細くて三枚目な江原真二郎と若尾文子の偽物みたいな佐久間良子がメインってのは寂しい…が瀬川の演出はデビュー作ながら好調。土手を走って走って女を捕まえるのも、恋心を山茶花究に見破られてパッと笑顔を咲かせる>>続きを読む

セリーヌとジュリーは舟でゆく(1974年製作の映画)

3.7

落とし物を届けるはずが段々追うのが楽しくなってきて…という不思議の国のアリスでガール・ミーツ・ガールな尾行劇が面白すぎる。映画の息吹を感じる最高のオープニング。
二人が出会ってからたっぷり一時間は失速
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相続人(1997年製作の映画)

1.7

なんでこんなテレビドラマみたいな撮り方してんだ…?危うくVシネに差し掛かりそうなほど安い。

闇を裂く口笛(1960年製作の映画)

3.5

冒頭のアクションのカット割り、これくらいがうるさくなくて良いな。
盲目の飯田蝶子を軸に、騙され脅される複雑な構図が光る。目明きですら背後(見えない位置)の人に脅かされる。

ワイルド・バレット(2006年製作の映画)

1.5

あまりのダサさに失禁した。スローモーとかCG以前にカメラの引き方が死ぬほどダサい。

ル・ミリオン(1931年製作の映画)

3.2

トーキー初期なので半ミュージカルかといえるくらい歌う。ずっと軽妙で良き。

ハプニング(2008年製作の映画)

4.5

何が原因なのか?という真相を一切語らずただひたすらに異常事態を撮る骨太の姿勢を貫徹している。
すっとぼけたように現れる原始的な風景ショットで人が謎の死に方をしていく。この強烈な死の撮り方には感嘆した。
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サイレント・パートナー(1978年製作の映画)

3.6

クリストファー・プラマーがセリーヌ・ロメスを殺して生首を水槽にぶっ込むのに留まらず、残った胴体の死体処理を目撃者のエリオット・グールドが自主的におこなうことで、「サイレント・パートナー」としての構図を>>続きを読む

ナイルの娘(1987年製作の映画)

3.0

当時の流行曲がうるさくて興が削がれる。
浜辺で花火やら焚き火してるときの美しさというか、空気の捉え方が良い。

風立ちぬ(2013年製作の映画)

4.0

再見。
夢の中でカプローニが出てくるシーンの全てが良い。あの堂々とした現れ方、まさしく悪魔的な魅力がある。
機械が生物的すぎたり液体の粘度の高さだったりとデフォルメ具合がかなり苦手なのだけれど、これだ
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ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー(2018年製作の映画)

3.4

継承の西部劇をロン・ハワードが撮っているのは感慨深い…とはいえウディ・ハレルソンが師となる老兵としてはどうにも中途半端で物足りないとことも。
シリーズ特有の画面の緩さはあるものの、決め所はきっちり魅せ
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リアル・スティール(2011年製作の映画)

3.8

あまりにも正統派スポーツ映画で眩しい!
父子の絆の修復のための湿っぽさより、どん底にいる男二人がプラスへ這い上がることを軸にしているのが熱い。
決め所でリングサイドでシャドーをするヒュー・ジャックマン
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

1.4

1号ライダーが現れる時に画質をTVシリーズくらいに落とすのでもう退出したかったが、真ん中の方の席だったので最後まで付き合うことに。
いくらオタク仕草〜で擦り寄ろうとも、この寄り過ぎで何やってんのか分か
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ストーミー・ウェザー(1943年製作の映画)

3.9

久しぶりに"本物"のミュージカル映画を見たような…素晴らしい。
太鼓の上でのステップ等の断片的なスケッチの連続から、役者とカメラと音楽が一体となった堂々たるラストナンバーで締める。
ニコラス・ブラザー
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にっぽん・ぱらだいす(1964年製作の映画)

4.0

偉大なる処女作の一つ。
娼婦たちが常に徒党を組み喚きながら動き回るので、画面の充実感が半端じゃない。隣の店が地下で娼婦たちを郷門しているショットの密度。高架下で乱闘が起きる時のカメラの引き方も素晴らし
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実録外伝 大阪電撃作戦(1976年製作の映画)

3.9

再見。
実録路線の真骨頂と思える「人間狩り」の一連のシークエンスの迫力!梅宮辰夫を手持ちで捉えた登場シーンの堂々たる演出に震える。
エレベーターに逃げこんで立ち往生する松方弘樹の壮絶すぎる最期に拍手が
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「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ(2023年製作の映画)

2.8

脳死でアニメ化したらバトルも泣かせもギャグも間延びしてしまう。嗚呼UFO。
特にギャグが酷い。低年齢層を狙ってるにしても寒すぎる。ジャリ番を舐め取るんか。
みゆきちが思ったよりおばさん声じゃなかったこ
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喜劇 命のお値段(1971年製作の映画)

3.3

いくら田舎の水商売の女の役とはいえ、岡田茉莉子がケバすぎる!

嘘喰い(2022年製作の映画)

1.5

貧乏くさくて泣ける。
やる気のないショットのオンパレードだがカジノで意味不明なタイミングで銃を向け合うショット、信じられないほどダレていて気絶するかと思った。

伽羅さんが出てこないから加点。

哀しい気分でジョーク(1985年製作の映画)

3.6

父子モノとしてより、ビートたけしと中井貴恵のロマンスに惹かれる…と思いきや単なる悲劇で終わらせない締め方には打たれた。真面目なときに真面目になれない男が独りになったらどう生きていくのか。ビートたけしに>>続きを読む

お吟さま(1962年製作の映画)

3.0

溝口の系統の女の重苦しさは上手だけど、きっかけたる仲代達矢と有馬稲子のロマンスが弱い。

新・仁義の墓場(2002年製作の映画)

3.8

石橋蓮司を殴り倒して立ち去る一連のスピード感がパないの!
渡哲也の全く感情が読めない底しれぬ凶悪性と比べると、岸谷五朗は大分理で撮られているのが物足りなくもあるが、投身自殺時の意味不明な血の溢れ方は良
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パルコ フィクション(2002年製作の映画)

2.8

いかにもスカして撮られてる現代和製喜劇って感じで鼻が曲がる。
この中なら「見上げてごらん」だな。

ノーバディーズ・ヒーロー(2022年製作の映画)

4.1

すげー笑っちゃった。
テロ事件に緊迫化する市井と娼婦にガチ恋したおっさんの情事を並行して描く。露悪的に茶化した笑いの取り方ではなく、シンプルにしょぼくれたジャン・シャルル・クリシェの奮闘劇を保つのが微
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迎春閣之風波(1973年製作の映画)

3.5

アクションしてないときのダレがキツいが、いざ動き出すと画面のハリが違う。すんごいカット割り。役者もだがカメラの運動神経が段違い。
ラストバトルは飯屋から飛び出して採石場みたいなロケで戦うのだが、これが
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湖の見知らぬ男(2013年製作の映画)

3.9

湖の中で完結している超閉鎖的な映画。「この環境はおかしい」と警察に指摘されても何も変わらないであろう、強烈にクールな幕引き。
真っ昼間の湖を照らす光を捉えた撮影が極上。クレア・マトンの映画では初めて面
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群盗、第七章(1996年製作の映画)

3.3

砲弾や靴、車椅子といった細部に唆られはする。『歌うつぐみ〜』のようなミニマムな話だとイオセリアーニのオフビートな語り口が効果的なんだが、ここまで大規模な構造でやられるとメリハリが無いように感じてしまう>>続きを読む

暗黒の旅券(1959年製作の映画)

3.4

黒幕のフランス人が独演するシーンの同ポジ連カットが異様。話はなんかもうめちゃくちゃなんだが、玄関で殺し屋と鉢合わせて素通りする絵面がとんでもすぎてそれどころではない。

俺に賭けた奴ら(1962年製作の映画)

3.5

川地民夫と高品格がずるいくらいの儲け役。川地民夫登場シーンから普通には撮らない気概が炸裂。
和田浩治はこういうところを買われて青春映画スターやってたんだろうけど、流石にアホすぎて苦笑い。

「人気どん
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パペット・マスター(2018年製作の映画)

3.7

監督やってなくてもザラー特有の鈍い語りが健在で興味深い。
人体丸焦げなんて朝飯前で、切り落とされた首が便器に落ちてションベンがそのままかかったり、妊婦の腹を裂いて出てくる人形が胎児を抱えて臍の緒を引き
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