Junpeiさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

ビースト(2022年製作の映画)

4.2

ロングカットが多用され、ゲームプレイ画面の様な映画だった。「いや死ぬだろ」という展開の連続等の展開やセリフ回しにツッコミ所はあったが、アフリカの大地やそれに合った劇伴など見所もあった。

女神の継承(2021年製作の映画)

5.0

まるで『エクソシスト』×『ミッドサマー』×『ブレアウィッチプロジェクト』×『パラノーマルアクティビティ』。歴代のホラー映画を正に「継承」する作品。それでいながら新しい表現技法、特にモキュメンタリー作品>>続きを読む

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

日本描写が話題となっていたが、正に混じり物無しのトンチキジャパン。ここまでくると狙ってやってるとしか思えない。登場人物が皆キャラクターが際立っていて良い。アクションや描写も面白いが、ここは原作の良さの>>続きを読む

ソニック・ザ・ムービー/ソニック VS ナックルズ(2022年製作の映画)

4.3

やはり冒頭のSEGAロゴは熱くなるものがある。前作同様、ジムキャリーが最高で、小ネタが多くて笑えた。都合の良い展開だったが、楽しめる作品だった。

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(2021年製作の映画)

4.2

ジュラシックシリーズの最終章。恐竜がある意味のメタファーで様々な物事を暗喩してる様に思えた。シリーズのキャラクター総集結は確かにアツいがもっと巧くやって欲しかったというのが正直な所。そこら辺については>>続きを読む

みんなのヴァカンス(2020年製作の映画)

5.0

正に夏の映画。静と動、密と空白のコントラストが素晴らしい。日ざしを使った心理描写も面白い。物語の根幹となる部分はあまり描かず、取り留めもないシーンを印象的に描く事でストーリーの骨子を伝える描き方は他に>>続きを読む

BECKY ベッキー(2020年製作の映画)

4.7

バイオレンス復讐映画。普通の10代の女の子が工夫を凝らし、差別主義強盗団を倒してく姿に新しさを感じた。グロ描写も強くは無いが、他の映画では観た事の無いものだった。多く語られない部分もあり、それはメタフ>>続きを読む

スキャナー 記憶のカケラをよむ男(2016年製作の映画)

4.6

冒頭、タイトルバックからB級感満載。「残されたもの」から記憶を読み取るという『ハングオーバー』的なミステリー設定はなかなか面白い。展開等ツッコミどころはあったがなかなか巧く出来てる部分もあり、楽しめた>>続きを読む

バッドマン 史上最低のスーパーヒーロー(2021年製作の映画)

4.8

フランス発ヒーローコメディ映画。下ネタ、ブラックユーモア、そしてヒーロー映画のパロディ満載でマーベル作品等のファンは是非観に行って欲しい。コメディ映画らしい脚本力も良き。一応ヒーロー映画なのでアクショ>>続きを読む

グレイマン(2022年製作の映画)

4.9

Netflix作品だが、劇場で鑑賞。ブーストサウンドというのもあり、音の迫力が凄く、劇場公開向きの作品であった。ルッソ兄弟の送るアクションの真骨頂。王道なアクションから今までに観た事の無いアクションと>>続きを読む

エルヴィス(2022年製作の映画)

5.0

Elvis Presleyの伝記映画にして大傑作音楽映画。本人の楽曲が使われるのは勿論の事、それ以外の使用楽曲が良い。特にヒップホップ曲の使用が多く、不適切にも思えるが、Elvis Presleyを始>>続きを読む

X エックス(2022年製作の映画)

4.5

A24の送る田舎で若者襲われ系ホラー映画。『悪魔のいけにえ』を彷彿とさせる。冒頭の正方形のカメラワークに見えるシーンなど、カメラワークに面白さがあり、こだわりを感じた。怖いシーンよりも性行為のシーンの>>続きを読む

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

映画体験とはこの作品の事を言うのかもしれない。「あの頃」の空気感を追体験出来る青春映画。間の置き方が絶妙でファスト映画や倍速鑑賞では味わう事の出来ない感動がある。何の脈略も無い様に見えて、最終的に繋が>>続きを読む

神々の山嶺(2021年製作の映画)

4.9

日本の原作にフランスがアニメ化という異色の作品。登場人物や風景は日本が多いが、アニメーションの質感に日本のアニメ作品とは違うものを感じる。アニメーションの画は圧巻で、風景、特に雪山や吹雪の表現は凄い。>>続きを読む

わたしは最悪。(2021年製作の映画)

4.8

テーマは古典的とも思えるラブコメだが、所々の描写、演出に他の作品では観た事の無い様な真新しさを感じる(副流煙激吸いとか動きが止まるやつとか)。また所謂「トリップ」表現もあり、映画史でも度々その「トリッ>>続きを読む

哭悲/The Sadness(2021年製作の映画)

4.9

正に二度と観たくない傑作。自分が今まで観た映画の中で一番グロかった。これを観てしまったら、その他数多のグロ映画が可愛く思える。ウイルスに感染すると欲望のリミッターが外れるというシンプルながら今までに無>>続きを読む

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

社会派ロードムービー。暖かく優しくも哀しい作品。冒頭の雨の市街地のカットは『パラサイト』へのオマージュを感じさせ、物語の地続きを感じた。貧困の問題点を炙り出すと共に子育て、育児の問題も提起する。あの人>>続きを読む

ザ・ロストシティ(2022年製作の映画)

4.4

少しB級感のあるコメディアドベンチャー作品だったが、ダニエルラドクリフ演じるイカれ金持ちや明らかに雰囲気が違い過ぎるブラッドピットなど見どころも多い(ブラッドピットみたいな奴出てきたなと思ったら本当に>>続きを読む

ソー:ラブ&サンダー(2022年製作の映画)

4.9

このレビューはネタバレを含みます

『ソー』シリーズでも最高の作品。まず「神」をテーマにしながら触れられてこなかった「信仰」というテーマ。信仰心が故に、神に幻滅し神殺しとなったゴア、ラストのゼウスが示唆するスーパーヒーローが神に成り代わ>>続きを読む

イントロダクション(2020年製作の映画)

4.7

モノクロの三章構成の作品。「抱擁」というテーマで綴られている。モノクロなのに、不意にカラーに見えそうになる瞬間があるのは撮影技法か錯覚か。『あなたの顔の前に』と合わせて観たが、ホンサンス監督はジムジャ>>続きを読む

あなたの顔の前に(2020年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

何の脈略もない、ただの日常、会話劇が淡々と過ぎてゆく。やや助長とも思えるセリフの数々。しかし、終盤の主人公の死が間近という事実が分かるとそれまでが全て違って見えてくる。点と点が線になる感覚が起こる。撮>>続きを読む

バズ・ライトイヤー(2022年製作の映画)

4.8

『トイストーリー』のバズライトイヤーの映画。劇中の映画を実際に公開するという企画自体がまず面白い(そういえば『トイストーリー』作中ではなかった)。『トイストーリー』よりも洗練されたディテールが良い。『>>続きを読む

クリーチャーズ/宇宙から来た食人族(2020年製作の映画)

4.3

愛すべきB級映画。これは確信犯的に狙って作っている。コテコテの展開。粗悪なCG。旧時代の人形。過去のSF作品へのオマージュというか狙いの様なものを感じた。エイリアン×ゾンビ×ヤクザというミックスプレー>>続きを読む

ニューオーダー(2020年製作の映画)

4.8

正に「何一つ良いことが起きない映画」。ずっと胸糞悪くずっと残酷でずっと闇。暴動や革命といったものが美化され、賞賛される事も多いが現実はこうであり、私たちももう少し考え直さなければならない(無論こうなっ>>続きを読む

ワン・セカンド 永遠の24フレーム(2020年製作の映画)

4.9

中国版『ニューシネマパラダイス』。前評判通り風景描写が凄まじい。中国映画の風景描写と言えば山水風景が思い浮かぶが、荒野というのが少し斬新。それは往年の西部劇や『DUNE』の如く砂風景だった。劇場での、>>続きを読む

帰らない日曜日(2021年製作の映画)

4.3

20世紀イギリスの風景描写がとても良い。特に光の表現には目を見張るものがあった。定点ロングワンカットなどカメラワークも時折面白さを見せた。M83のメンバーの劇伴も印象。複数の時間軸が入れ替わるのは意図>>続きを読む

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

トムクルーズのトムクルーズによるトムクルーズのための映画。『トップガン』へのリスペクトを踏まえた上での最大限の続編。始まり方が前作と同じ様で、実は描写がよりリアルになっているのに感動した。シーン一つ一>>続きを読む

犬王(2021年製作の映画)

5.0

また湯浅監督の作品は素晴らしかった。能楽×ロックという斬新なアイデア。犬王という実在の人物があまり史実が残ってないからあえて出来た。琵琶をロックギタリストの様に姿や能をダンスの如く踊る様子は面白い。ま>>続きを読む

死刑にいたる病(2022年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

阿部サダヲはじめ、俳優陣の演技合戦が凄まじい。本当に怖すぎる。初っ端から痛々しい描写の連続。白石監督らしいと思った。榛村だけでなく登場人物にどこか狂いを感じたのは、その普遍性か(雅也も遺体写真見ながら>>続きを読む

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

『シンゴジラ』が「特撮とリアル」なら、本作は「特撮と浪漫」。『シンゴジラ』は、特撮好きでない人にも楽しめる様にあえてリアリティな部分を全面に押し出し、ポピュラーにしていた。それに対し本作は特撮ファン向>>続きを読む

カモン カモン(2021年製作の映画)

4.9

マイクミルズらしい作品。良い意味で起伏の無いストーリーはその普遍的な美しさを物語る。伯父さんと甥っ子の交流は子育ての大変さや子どもの無邪気さ、人生そのものを描き出している。ラジオインタビュー形式でアメ>>続きを読む

パリ13区(2021年製作の映画)

5.0

非常に自分好みな作品だった。まず何と言っても風景描写。パリの、観光地では無い、人々の営みの映る姿の描写が素晴らしい。白黒で描かれているのが美しさを誘う。そして人種も性別も違う若者の青春群像劇。性描写が>>続きを読む

親愛なる同志たちへ(2020年製作の映画)

4.8

舞台がウクライナ近くという事もあり、奇しくもタイムリーになってしまった本作。ロシア(旧ソ連)の歴史の影の悲劇。モノクロ、劇伴無しの引き算で描かれるのはリアリティ。主人公家族はフィクションかもしれないが>>続きを読む

英雄の証明(2021年製作の映画)

4.8

社会派ドラマでありながらミステリー要素もある作品。そもそも借金返せず訴えられて懲役刑というのは国柄で我々には感覚が少し違うのかもしれない。「人の噂も七十五日」というが現在のSNS時代では噂が下火になっ>>続きを読む

ハッチング―孵化―(2022年製作の映画)

4.7

SNS時代の仮面家族に生まれた少女の鬱憤や怒り、悲しみを吸って生まれた化け物との交流。その姿はホラー、グロテスクな『E.T.』。アッリの姿は第一形態(という言い方が正しいかは分からないが)には、どこか>>続きを読む

KKKをぶっ飛ばせ!(2020年製作の映画)

4.7

今年の激ヤバ映画案件。実際にあった出来事をモチーフにしてるらしいが、本当に観ていて痛々しい。白人至上主義集団の悪行は数々の映画でも描かれているが、本作が一番残酷でサイコ。それに復讐する主人公たちのリベ>>続きを読む