「BBゴローの怪演が稲川淳二の怪談を超える瞬間」
モクモクと煙を立てる工業地帯が生活を侵食する街で、少女フミは自転車を走らす。
学校では「オバケフミ」と呼ばれイジメられ、家には母と娘に暴力を繰り>>続きを読む
「淵に立って見るエイリアンの襲来と家族の再生」
家にエイリアンが来た。
今作のエイリアン八坂(浅野忠信)は、『歓待』でエイリアンを演じた古舘寛治扮する利雄の家族を訪れた。
エイリアン出>>続きを読む
「音のない音楽映画とは」
効果音、劇伴、生活環境音なしの無音の音楽映画。一体、どういうことか?
劇場に入る前観客に配られる耳栓、この耳栓を付けてこの無音の映画を鑑賞するとのこと。どういうことか?>>続きを読む
「少女よ、大志を抱け」
規律正しいクリスチャンの女子校に通う敦子(山本美月)は、クラスの女子から徹底的にいじめられている。「生きるということは『夜の綱渡り』をしているようだ」「夜の綱渡りを始めよう>>続きを読む
「もてなしているのか、もてなさせられているのか」
家にお客様が来たら、客間に通してお茶を出す。日本人のおもてなし:歓待の文化。しかし、今作の加川という男にそんな大層な「おもてなし」をしてはいけない>>続きを読む
画面に一杯に映る主人公の「胃」のレントゲン写真。そこには胃ガンの兆候が見える。もう彼には余命がない。今まで息もしないミイラのように生きながら死んでいた主人公は、残り僅かな時間で「生きる」ことに決着を>>続きを読む
「太った雌鶏を狙う狐のようにやって参りました」
妻に先立たれた農夫が再婚相手候補一人一人に会いに行く再婚コメディ。
合コン(パーティ)に来た女性の中から、農夫がお気に入りの女性をリストアップし>>続きを読む
「ヒッチコック版ロッキーは恋の鞘当てドロドロの三角関係」
いわば、ロッキーとアポロがエイドリアンを奪い合う。ヒッチコックが一度、ボクシング映画を作ろうとすると、オトコ同士のアツさの中にオンナが絡ん>>続きを読む
「福山雅治の“ゲス下ネタ”炸裂!初のハマり役来た!」
車の中でコトを済ませ、相手の女性(風俗嬢)にお金をポンと渡すとすぐに仕事に戻る福山雅治。
「いや〜イイ乳してんなぁ〜」「あいつゼッテェ処女だ>>続きを読む
「雇った方が用心しなきゃならん用心棒だってある」
無精髭に淡々とその細めい目で敵を見つめ、右手はいつもコルトをつかんで離さない。ならず者が銃を抜くやいなや、エクストリーム・クローズアップ!細い目が>>続きを読む
「ヒッチコックはブロンドの女性を殺し続けた」
毎週火曜日に金髪の女性が殺される。そんな金髪美女連続殺人事件が世間を騒がす中、金髪の女性は「安全が第一ね」とカツラを被って身を守っていた。この映画は、>>続きを読む
「(人食い一家の父、チリの味自慢大会で優勝して一言)肉の味が決め手ですよ」
これは愛の物語である。
道路をかっ飛ばし、危険運転をするアホ高校生たち。運転しながらの電話、猛スピードで無理な幅寄せ、>>続きを読む
このバレエ学校に魔女がいる!?
赤、緑、白と黒、強烈な極彩色に彩られたオンナだらけの悪夢の世界。「決して、ひとりでは見ないでください」というキャッチフレーズの元、当時は観客に1000万円のショック>>続きを読む
「鳥だ!飛行機だ!サリーが操縦する飛行機だ!」
プロフェッショナルは「直観」に基づいて行動する。これは「直観力」というやつで、例えば、短時間での判断を要求される将棋のプロ棋士は、実にその最善手を「>>続きを読む
「生き残るには頑張らないと」
隠蔽、裏金、密約、暗殺、不正取引、社会に蔓延る悪〜いオトナの事情が、一つに密集する最悪の状況。
連続殺人犯を現場の警察が誤って殺してしまった。この不祥事を隠蔽するた>>続きを読む
「(復讐の対象者の耳元で)どんどん残酷になるぞ」
もはや韓国映画のお家芸となっている「復讐」を題材にした映画の中でも、今作のそれは「しつこさ」「寸止め」「倍返し」全てが度を越している。
主人>>続きを読む
「皆「ペンは剣よりも強し」と言うが、結局最後は剣が解決」
まず、導入部分がすごい。オープニングクレジットと並行して、老司教の謎の死、量子力学の講義で「量子の世界では今までの法則、常識は通用しない>>続きを読む
「イギリス初の発声映画はヒッチコックの罪と罰」
絵の中の道化がこちらを指差し笑う。罪を犯した主人公が罪悪感にさいなまれ、そして恐喝、ゆすられる。そんな主観的な心理を実にイギリス初、ヒッチコック初の>>続きを読む
「はじめまして、【暴力の世界】。」
草原に突っ込み、その緑の草木を断ち割るように停車する車。『ブルー』の次は『グリーン』と来て、この緑の世界が黒い血によって染まる暴力の世界になった。
車に乗っ>>続きを読む
「ポルノグラフィ・コンフィデンシャル - デトロイト・グッドバイ」
最上級のミステリー、上等なバディアクション・バイオレンス、それらを『三ばか大将』で割ってしまう星三つの格別なカクテル。
スモッ>>続きを読む
「生と死という自然現象」
……座禅。波、太陽、水、島、動物、火、このアニメーションの快感が魂を洗い流す。観客の煩悩を消し去っていく映画体験。
観念的で唐突、という意味では難解な印象があるかもしれな>>続きを読む
「BFGとソフィー:スピルバーグとメリッサ」
これはスピルバーグの夢の映画だ。この「夢」には二つの意味がある。
今作は、見慣れたシンデレラ城に光のアーチがかかるあのオープニングから始まった。>>続きを読む
「8人の怒れない者」
痛い!映画のボディーブロー!李監督作の中でも最恐の痛さなのではないか。
ザ・シンプルなタイトル『怒り』の反面、プロデューサーの川村元気氏は同名原作を「怒る人ではなくむ>>続きを読む
「ロックが終わると、初恋が終わり、少年は青春を終え大人になった」
時は1970年代、まだロックが反体制だった時代。厳しい家庭で暮らす少年は、家出した姉がベットの下に残した「自由」を手にする。自由、>>続きを読む
「ミシェル・ゴンドリーはずっと夢の中にいた」
ゴンドリー作品では、しばしば現実と夢とが著しく混同して描写される。それは監督自身が『恋愛睡眠のすすめ』の主人公ステファンのように睡眠障害を患っており、>>続きを読む
「犯罪者ってだけで一括りにしやがって」
『悪人』ひいては李相日監督作の起源はココだった!?
ザラついた質感と茶色い画面。今作は、李相日監督が映像学校卒業制作作品『青 chong』で獲得したPFF>>続きを読む
「チョッパリのどこがいいんだよ」
「青春」の「青」を韓国語では「chong」「チョン」と発音するらしい。
今作の冒頭は、いかにもなヤンキーが、学生服を着た青年2人に「お前、チョンなのか」とカツア>>続きを読む
「あの伝説的ホラーの続編は最狂ヒーローの誕生譚だった!」
ハイテンション!絶叫!爽快!恐怖!お化け屋敷にジェットコースターが合体したかのような文字通り駆け抜ける主観ショットは、ライミ製手作り移動撮>>続きを読む
「黄色く染まった森の中で、道が二つに分かれていた」
学問を通して「人生の歩き方」を教えてくれる先生がどれほどいるだろうか。
----------------------------
規律の厳しい>>続きを読む
『映画製作中の監督にも爆弾が埋め込まれていたのではないか』
今回もDC映画の空は晴れない。
期待感も相まってだが、今作『スーサイド・スクワッド』の予告編は本当に面白いものだった。ハーレイクインち>>続きを読む
『小学校の頃、じゆうちょうに書いていた俺たちのエジプト王朝』
今にも「変身!」と言いそうな、全身にキンピカの鎧をまとう神様たち!全身が炎でぼうぼうに燃えているハゲ親父:太陽神ラー!でっかいでっかい>>続きを読む
「(ロボット三原則を)破るなよ?いいか絶対に破るなよ?」
ロボット映画においては「ロボット工学三原則」を破ることが、もはや原則になっている。
今作もその原則から外れず、まさに「ロボット(工学>>続きを読む
「スピルバーグのピノキオは宇宙に願う」
何万回と語られ切っていることを言うと「『E.T.』はオトナの映画で『未知との遭遇』はコドモの映画。」正確には、『E.T.』はコドモがオトナへと成長する物語で>>続きを読む
「暴力こそ、この世の花」
この世界には「暴力」がある。アリの大群がサソリを襲う様子を見て、子供たちが笑っていた。人は生まれながらにして「残酷さ」を兼ね備えている。子供たちはその大量のアリとサソリに>>続きを読む
「1ダースの汚れた野郎共」
大罪を犯し投獄されている元兵隊12人の極悪人に与えられた選択肢。それは「刑務所から出て、軍の危険な任務に参加するか」「死刑になるか」どちらかだった。
--------->>続きを読む
「家内安全は、ケルトの願い」
むかしむかし、あるところに……と始まりそうな『アイルランドむかしばなし』が現代に。
アニメ然としたデフォルメされた可愛いキャラクターたちが、見たこともないような美し>>続きを読む