mingoさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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イカした人生/Madly in Life(2020年製作の映画)

3.9

かなり好き。なんてことないアルツファイターものだけどラスト10分些細な伏線回収が素晴らしくタイトル通りおばあちゃんのイカした人生になっている。カメラ目線で第三者と話す演出はメリハリになっているだけでな>>続きを読む

サンクチュアリ(2019年製作の映画)

1.5

今年ワーストかも。バルデムが好きなので観れたけどヒゲペンギンがかわいいだけのグリーンピース宣伝ムービー。イギリスの探検家シャクルトンが1914年に南極探検したのが事の始まりみたいな言い方してたけど、日>>続きを読む

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

3.5

なんだこれは。「眠気が襲う」くらいには溜飲の下がる場面が一切なく終わってポカーン。隣にいた少年、君と同じ面持ちだ。EV車みたいなメフィラスも宇宙戦艦ヤマトすぎるゼットンも知ってるフォルムではなく謎の肩>>続きを読む

新しい風(2021年製作の映画)

3.9

天才の映画だ、正直めちゃくちゃ面白かった。即興的な演出かと思えば超緻密にドラマドキュメントファンタジー要素がジャンルレスに絡み合いながら「映画」という概念をぶち壊している。サムフリークスに中村組はよく>>続きを読む

玉割り人ゆき(1975年製作の映画)

4.0

冒頭の愛液比べ、足抜けの爪剥がし形まで一気に休む間もなく駆け抜ける、傑作。「つまらねぇ花火だ…」で東京への出発もまさかの終焉を迎えたかと思えば男根を切り落とされた川谷拓三の寄り目顔芸でさえ悲哀が漂うか>>続きを読む

(1971年製作の映画)

4.0

文句無しにおもろい。四季全く関係ないように見受けられるが今日観た3本目「春」が映画的愉しさに満ちている。全体的にブレッソンっぽいのにロンズデール画面内におるとモノクロ変換されるってヴォルデモート卿かよ>>続きを読む

(1969年製作の映画)

3.7

映画制作がうまくいかない監督モノで目新しさは無いものの、劇中映画の題材であるブルージュの都市や芸術をドキュメンタリー的に捉えるのではなく、映画の登場人物の思考や生活、フィクションと融合させていく。ゴダ>>続きを読む

(1968年製作の映画)

3.6

パリの暴動に巻き込まれた少女がフランスの田舎の家に身を寄せて事件を振り返る夏。同時に当時の運動のスローガンや言説を引用し映像・写真・言葉をコラージュ。ミヒャエルコールハース、「チャックと同じくらい脳を>>続きを読む

囚われの女(2000年製作の映画)

4.1

囚われの女、ていうか「囚われた男」。
「私が近づけさせない領域を持って」という女の心持ちも分かるし男の「すべてを知りたい」というのも分かる、それでもうまくいかないから恋愛なのヨと、恋をしたことがある者
>>続きを読む

ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマン(1975年製作の映画)

5.0

弩級のミニマリズム、最狂のフレーマーアケルマン!!何年越しの鑑賞か分からないくらい待ったがまさか名画座でない劇場での鑑賞になるとは夢にも思わなかった。しんどい覚悟で臨んだがむしろもっと細かいところ見せ>>続きを読む

私、君、彼、彼女(1974年製作の映画)

4.1

和田淳子「桃色ベビーオイル」のように若い女性の表現モチーフの一つとして「部屋」を媒介に展開することが多くアケルマンの本作もまた若さゆえの表現。ベッドの位置替え、砂糖喰い、手紙を書く、窓に映る自分でアイ>>続きを読む

アンナの出会い(1978年製作の映画)

4.0

「私、君、彼、彼女」を補完するのように「対」になっており、一貫しているアケルマンの分身映画。「私、君〜」での無限独白トラックドライバーは本作のクレマンが道中で出会う人々と同義であり、あくまでも「受動体>>続きを読む

オルメイヤーの阿房宮(2011年製作の映画)

3.7

コンラッドの原作を元にしているためリヴェットみを帯びてて、物凄く変で観づらく正直冗長。他作と同様に突然音が入る演出、雷鳴と銃声を鑑みると音の使い方はアケルマンがやはり劇映画ではなくエクスペリメンタルが>>続きを読む

六本木の夜 愛して愛して(1963年製作の映画)

4.2

素晴らしい。偶然この時代に生まれこの時代に生きた2人のドラマが詰め込まれた六本木映画の傑作。ベルナールビュッフェの壁紙のbarで出会い違法レストラン「美香」でミックスサンドとグレープジュースを頼むも出>>続きを読む

南国の肌(1952年製作の映画)

4.0

面白い。本作品で初めて本多と円谷がタッグを組んだ作品として目がいくのは仕方ないがそれを抜きにしても冒頭の芥川也寸志の迫力ある楽曲からはじまりラストの円谷英二による自然災害(土砂崩れの特撮)によって、恋>>続きを読む

日本産業地理体系 第一篇 國立公園 伊勢志摩(1949年製作の映画)

3.6

本多猪四郎初監督のドキュメンタリー作品。伊勢志摩において海女による仕事が6割7歩の割合を占め、絹やナイロン同様に手作業のため近代化への意識は未だ向かず国の9割の真珠産業を担う女性たちの姿が活写されてい>>続きを読む

我等は楽しく地獄へ行く(1932年製作の映画)

4.0

我等は楽しく地獄へ行くとはまさにこのこと…と思わせてからのシルヴィアシドニーの「話がある」の秘密を新聞記事で読むことになったときのフレデリックマーチの衝撃と後悔と自責の念、自分のことのように悔いた。ク>>続きを読む

クレイグの妻(1936年製作の映画)

3.8

男の井戸端会議なんて他の映画ではそうそう見受けられない。抵抗と妥協と放棄と展開された破壊された壺と大量の吸殻と全部屋の鍵。全員去った後にそれでもかって左右の置物の位置を直さずに居られない、これはもはや>>続きを読む

毒流(1916年製作の映画)

3.8

高校時代に裏原に通っていた世代なので欲しい服が一生手に入らない…と絶望したのを思い出したがそんな私のあまっちゃろさを吹き飛ばす負の螺旋。女性が陰で泣く演出に死ぬほど弱いため観るのがしんどすぎた…それで>>続きを読む

偽善者(1915年製作の映画)

3.5

乳首が出ている裸シーンはアメリカの女優による「非ポルノ映画での初ヌード」と言われている。オーバーラップをはじめ野外や移動撮影などの撮影技術が高すぎる、

恋の花咲く 伊豆の踊子(1933年製作の映画)

3.8

「発掘された映画たち2022」③
74年のフィルムセンター特集「五所平之助監督特集」において西村小楽天が解説を行った際の録音テープをもとに作製した弁士説明版。字幕の間にアドリブ入れたり観やすくて非常に
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狂った一頁(1926年製作の映画)

3.8

「発掘された映画たち2022」②
これまでの白黒版と比べて圧倒的に画質が良い…映画史を学んでる学生なんかは必見。衣笠が横光利一や川端康成などの新感覚派の作家と結成した「新感覚派映画聯盟」の第1回作品。
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日本南極探検(1912年製作の映画)

3.7

「発掘された映画たち2022」①
最長版。
日本最古の長編記録映画。一度目の南極探検の失敗を隠蔽する編集(前日までに捕まえたペンギンを放して原生に見せ掛けるヤラセ)がなされ、史実と異なる字幕も複数存在
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お母さんのつうしんぼ(1980年製作の映画)

4.1

「どんなもんだいなんだかんだいシュラシュシュシュラシュ〜」先生のつうしんぼよりつうしんぼらしさは皆無だし八王子商店街を蚕の糸を伸ばして歩き回るのような奇天烈な演出は無いにせよドラマ性が強化されお母さん>>続きを読む

アトランティックス(2019年製作の映画)

4.0

カーペンターやん。だがカーペンターよりアイロニカルでシネティックで面白い、2010年代の霊的サスペンスコメディのエポックメイキング。ドゥニやアピチャポンなどを受け継ぎ正当な映画作家として期待を超える良>>続きを読む

トゥキ・ブキ ハイエナの旅(1973年製作の映画)

3.8

セネガル版「勝手にしやがれ」
「パリ、パリ、パリ…」が今でも脳にこびりついて離れないし終始ヌーヴェルバーグしすぎだし(観れちゃう)、冒頭とラストでちゃんと屠殺場で円環構造を成立させ作品として確立させて
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おでかけ日記(1988年製作の映画)

3.6

小口先生の周りにはいつも沢山の学生が居ると思っていたが10年経ってもそれは代わっていなかった…日本インディーズ映画の母やないか。89年イメフォフェス大賞。
メカスの何の映画か忘れたけどメカスのエッセイ
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ばら科たんぽぽ(1990年製作の映画)

3.8

なにこれ面白い。コマ撮りを取り入れた「無理矢理アニメ」と称する手法を用いてリカちゃん人形にバナナやらキノコやら付けて男性器勝負、終始ふざけ倒してセクシュアリティの混沌を描き出す。TBSテレビ「三宅裕司>>続きを読む

眠る花(1991年製作の映画)

3.5

92年イメフォフェス審査員特別賞。カメラを祖母に向け日常のスケッチ。何気ない会話から徐々に白い花々に埋もれさせ葬儀のイメージへと飛躍、死生観を題材とした作品。

2022.4.16トークメモ

祖母を
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閉所嗜好症(1993年製作の映画)

3.5

和田淳子の初期衝動が詰め込まれている。閉じ込めたい/閉じ込められたいという欲望をめぐる自問自答にセルフヌードを交えて展開するエクスペリメンタルムービー。雲形定規が測ることのできない定規だということを発>>続きを読む

桃色ベビーオイル(1995年製作の映画)

3.6

96年イメフォ大賞。ワンルームマンションで一人暮らしをする若い女性が大きくなったらどうしようと「部屋」を媒介に「少女」で居ることを夢見続ける。確信犯的な甘えたナレーションとエロティックかつ挑発的な映像>>続きを読む

沈黙の情景(2021年製作の映画)

4.1

ドキュメンタリーとエクスペリメンタルの間を真っ向に突き進む傑作。生き物や島の固有のモノを捉えたバストアップのフィックスが基本ながら音に沿ってズームアウトや見せ方は様々。潮の満ち引きによって世界が「慣性>>続きを読む

海辺の王国で(2018年製作の映画)

3.8

2019の山形で見逃していたがやっと観れた。出だしから決まりまくったショットでポーランドウッチのレベルの高さをまざまざと見せつけられる。舞台はウッチから300キロ離れたグディニャという海辺の町で海洋関>>続きを読む

TITANE/チタン(2021年製作の映画)

3.7

本当のカーセックスが観れるし序盤ノれるのにラストに進むにつれチタン、みまチタン!以外にコメントが無くなる、無。
画の衝撃は確かにあるけどクローネンバーグや往年の作家性に欠ける、RAWの方が好み。パパネ
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めぐりあい(1968年製作の映画)

4.0

2016年にヴェーラで観た時は酷いプリント状態だったので入り込めなかったがこんなに素晴らしいヌーベルヴァーグだとは思わなかった…ちなみに酒井和歌子が勤める「横浜ドリームランド」は本作から30年後「踊る>>続きを読む

ひとつの歌(2011年製作の映画)

3.9

配信で観なくて心底良かったと思った、杉田作品は劇場以外で観ると音や空間、細部に至る映画的鑑賞体験が1ミリも届かない稀有な作家だ。踏切でセリフが聞こえなくなる神がかったシーン、濱口竜介「パッション」のト>>続きを読む