mingoさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

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泣いて笑った花嫁(1962年製作の映画)

3.8

倍賞に歌と踊りをやらすSKDパターンでお馴染み「恋とのれん」の焼き直し(と思わしき江ノ島ら辺の俯瞰)カット多数の番匠喜劇。沢村と小金治が前に出過ぎて笑い多めで品が少し薄まり花嫁シリーズではいまいち、男>>続きを読む

処女オリヴィア(1950年製作の映画)

3.5

寄宿学校を舞台に女子生徒が女性教師に想いを寄せる同性愛メロドラマ。愛の告白に戸惑う教師がどう受け止めて返すのか見どころだったがはっきり描かれていないのはまだ同性愛がタブー視されていたからだろうか…先駆>>続きを読む

美しき青春(1936年製作の映画)

3.7

面白い。グルノーブル大学で医学博士を目指すエレーヌを中心に恵まれない境遇にあっても勉学に励む若者たちをリアリズムで描く。バリエラ的なニュアンスあり、青春時代の危うさを久々に思い出した。「そんなこと言っ>>続きを読む

二重の愛(1925年製作の映画)

3.5

エプシュタイン3作目の長篇。ギャンブル中毒の恋人と、自分の息子に翻弄される主人公の苦難を描いたメロドラマ。精巧な室内美術が素晴らしかったが聡明期のフランス女性監督みんなクセ強め。

白いキャラバン(1964年製作の映画)

4.1

とんでもないエネルギーに満ち満ちて神軍なのでジョージア特集次やる時は絶対に観た方がいい。「エリソー」同様にコーカサスの山岳地帯から、カスピ海沿岸へ羊の群れを追う牧夫たちの生活を描いた作品だがクライマッ>>続きを読む

アラヴェルディの祭(1962年製作の映画)

3.7

世界狭しどの国にも1人は居るやべーやつ、お祭り男の「劇」ではない「激」映画。タルコフスキーは「この作品によって映画の新しい時代が始まった」と評したらしい。

エリソー(1928年製作の映画)

3.9

ムルナウ「サンライズ」と時同じくしてコーカサスの険しい山々では抑圧された民族の心情を描いたジョージアサイレントの傑作が生まれていた。しょうもないチャンバラは屈指のギャグシーンだがダンスシーンでの実験映>>続きを読む

殺されたスチュワーデス 白か黒か(1959年製作の映画)

3.7

勝人すごいし面白い。
前半の死体の胃の中の牛肉と筍とグリンピースの中華がラストちゃんと伏線になってて心の底から観れて良かったと思った…久保菜穂子のエロスにやられるダニエルも最高だし色々メモとりながらま
>>続きを読む

花の咲く家(1963年製作の映画)

3.8

社会正義感の強い医者佐田啓二と貿易商社インドネシア駐在夫人岡田茉莉子の悲しくも甘い恋が原始的な風物と溶け合い、師匠中村登らしさが番匠作品で一番発揮されている。マリコ様は恋と罪に悩みすぎて鬱気味「遺跡の>>続きを読む

どっこい! 人間節-寿・自由労働者の街(1975年製作の映画)

4.0

東京の山谷、大阪の釜ヶ崎と並ぶ日本三大寄せ場と呼ばれた横浜寿町が舞台。平均死亡年齢45歳、壮絶な貧困生活をおくる人々がなぜこの地に至ったか、自分史を語る姿に耳を傾けるだけでドキュメントの在り方・絶えず>>続きを読む

牛久(2021年製作の映画)

3.5

日本が政府をはじめとしてゴミ国なのは今に始まったことじゃない。まず導入の印象として(殴る蹴るなどの映画的演出によって作品に昇華しようとするのは分かるが)どういう経緯で日本へたどり着き、何故こんな状況に>>続きを読む

夢の中で(2001年製作の映画)

3.3

厳しい家庭で育ち、その反発から家出した娘が7年の絶縁を経て、映画づくりに没頭。そこで実は歌手になりたかった父と映画づくりの現場で活躍する母親像という知らなかった両親を再発見する。娘である監督からの和解>>続きを読む

性の完全犯罪(1973年製作の映画)

3.6

六邦映画、展開がそこそこあるからロマポピンク映画に陥りがちなうたた寝が全く無い。まんまタイトル通りの完全犯罪なんだけど谷ナオミと山本昌平2人の存在感が強めでずっと顔面を追ってしまう。特に後半山本の顔芸>>続きを読む

雨果(ユィグォ)の休暇(2011年製作の映画)

3.7

2度も夫を失い酒に溺れるも子は宝、ユィグォのことが好きすぎる母親物語。内モンゴルの北東オルグヤの森に積もった雪の中、全身全霊で愛情を表現するエヴェンキ族のおかんの魅力全開。トナカイに乗れ!と捕まえよう>>続きを読む

ブアさんのござ(2011年製作の映画)

3.4

ベトナム戦争時に対立していた隣人たちが共存する小さな村での記録。日常生活の中で語る戦争体験は村の記憶となって鑑賞者の記憶へと繋がっていく。後遺症もそうだがブアさんが受けた拷問がきつすぎる…

たむろする男たち(2015年製作の映画)

3.5

パリの街角から親しげに話すアラビア語が飛び交い、異郷の地で暮らす男たちが集うお店とその周辺を記録。日常が切り取られており見入ってしまう不思議な魅力が充満。かつて監督の父がレバノンの家族にあてた手紙が男>>続きを読む

A.W.アピチャッポンの素顔(2018年製作の映画)

3.7

川下りが終わり墓にある場所に着いた途端アピチャッポンがもらす「千年後に此処は残ってないね」行き着く先を常に考えていないとそんなことはすぐには口から出ない。彼の一挙手一投足に目を見張り「メモリア」の構想>>続きを読む

ザット・シンキング・フィーリング(1979年製作の映画)

4.2

「晴れた休日なんていらない」
他作品でもそうだが、間に挿入される朝焼け夕焼け夜景すべてのビル群ショットが愛おしくなる、フォーサイスのデビュー作兼、初期衝動が詰め込まれた青春喜劇の大傑作。ビル連ゾクーサ
>>続きを読む

ローカル・ヒーロー/夢に生きた男(1983年製作の映画)

4.1

劇場は初、久しぶりの再見となったフォーサイスの到達点かつ最高傑作「ローカルヒーロー」。ビルフォーサイスは「空の作家」だ、これまでの映画はインサートショットとして夕景などの風景を意識的に演出していたが、>>続きを読む

不屈の男たち/ラスティ・メン 死のロデオ(1952年製作の映画)

4.5

レイのド級の超絶大傑作。本作の前ではクロエジャオの「ザ・ライダー」がゴミのようだ。アーサーケネディいつ死ぬんだ?はよヘイワードとミッチャムくっつけ!とひたすら願い続ける鑑賞者を逆手に、続々アーサー殺し>>続きを読む

ナヌムの家(1995年製作の映画)

3.8

挺身隊としての苦悩、人間としての尊厳を奪われた慰安婦の記録として貴重。日本がしてきたことも結局は他国と何ら変わりのない戦争。1日に何人もの軍人を相手に辱めを受け、外に出られないと堰を切ったように涙なが>>続きを読む

焼け跡クロニクル(2022年製作の映画)

3.7

客は私入れてまさかの2人…
妻の原まおりさんがカメラをやることで画面に静寂が訪れ見やすくなった。原監督は今まで観た邦画監督で一番クレイジーだと思うが、早く治るからという理由で飲み薬をバリバリ噛んで飲み
>>続きを読む

双子暦記(れっき)・私小説(2018年製作の映画)

3.8

イカれてる。転職を何かに理由づけてパワハラだのなんだの自分の出来なさ・非を棚にあげ、人から借りた車をぶつけて廃車にして、その前のシーケンスでも関門トンネルを原付で通ろうとして「え、行けないの?」あまり>>続きを読む

初国知所之天皇(1973年製作の映画)

3.9

アップデートされ続けてるらしい2022verは2画面端がかぶりすぎて気になるのでオススメはできない。しかしそれでもヘタウマの極地、日本のエッセイフィルムで一番メカスを体現できているような映像に心沸き立>>続きを読む

映画になった男(2018年製作の映画)

3.8

大島渚をはじめとして映画人に愛された原將人という人物像ないしは2000万の借金を追うことになった「あなたにゐてほしい」の経緯かつ「おかしさに彩られた悲しみのバラード」で戦慄的にデビューした元天才映画少>>続きを読む

映画作りとむらへの道(1973年製作の映画)

3.8

小川プロの裏側が観れるのが貴重だけでなくスタッフそれぞれの立ち位置や語りがシンプルに面白い。
エンドクレジットがあいうえお順なことが小川の誠意の表れであろう。田村さんのカメラ愛と録音湯本さんの照れ隠し
>>続きを読む

時の終わりまで(2018年製作の映画)

3.7

人間の死生観をテーマにした物語で現世の終わりと終末、2つの意味が込められている。金儲けのナビール、結婚に浮かれて墓地の仕事を放り出すジェルール、子供たちから不吉だと石を投げられるアリーの行き着く先はジ>>続きを読む

ふりむいた花嫁(1961年製作の映画)

4.0

ラスト10分これまでの花嫁シリーズとは違ったオトナな解答に流石の番匠!と平伏すことになる。一味も二味も熟練みを増した人生の在り方・生き様に気づきを得る。淡島千景の語りに確かに耳をかたむける伴淳、「分か>>続きを読む

山に生きる子ら(1958年製作の映画)

3.7

「小さな幻影」と同じ製作。在学中に長野県の山間の分教場を2年がかりで記録した作品。長期に渡って撮影するという小川プロの原形が50年代から一貫している驚き。コッペパンと野菜スープ、質素ながらも美味しそう>>続きを読む

小さな幻影(1957年製作の映画)

3.6

國學院大学映画研究会作品かつ小川紳介最初の映画。
羽仁進の影響下にありながらも子供に寄り添う小川紳介の演出を感じ取れる。豚のお面の眼がくりくりで怖い。人形劇、狼はいつの時代も悪者。

ガメラ 大怪獣空中決戦(1995年製作の映画)

4.0

福岡ドーム内の看板に「コロナ」の文字が!「最後の希望」ガメラは怖いから抹殺、「災いの影」人を食べるギャオスは保護という決定が下される。ただ人間の愚かさを嘆く。ウクライナ侵攻、各国のコロナ対策、問題だら>>続きを読む

新家庭問答(1958年製作の映画)

4.1

田浦をアメーバ以下の下等生物と罵ってビンタをくらわす九条映子はもはや番匠作品に欠かせない快活さ、彼女が妹役なだけで画面に締まりが出る。そして何よりセンセとか言って場をかき乱すひづる劇場開幕。菜食主義の>>続きを読む

素晴らしき十九才(1959年製作の映画)

3.8

冒頭のスズラン通りで父三井のボンボン学生(バンドと金稼ぎ)のくせに「また縁があったら会おうな」とか良いやつすぎる津川と、小坂の友情ものメインで進んでいくと思いきや、アイスクリームケーキフルーツポンチの>>続きを読む

抱かれた花嫁(1957年製作の映画)

3.9

花嫁シリーズ第一作。
「花嫁の抵抗」の田村・小山コンビに添え物高橋貞二が勝てる気がしなくて観てたら小金治・望月優子の脇が最高の活躍を魅せつける、結果甲乙つけがたい番匠最高クオリティに。さらに哲学専攻田
>>続きを読む

オンボロ人生(1958年製作の映画)

3.7

夏は冷房、冬は暖房…部落に住んでいようが上を向く権利は誰にでもあるというミュージカル人生讃歌。タイトルバック美術が凝ってておっとなるもドゥミの「ハメルンの笛吹き」みたいな苦手なルックで終始ノれない中に>>続きを読む

クリーン・センター訪問記(1976年製作の映画)

3.6

小川紳介がインタビュー形式でほぼ出ずっぱり、無茶な質問が多いので面白い。工場で一番若い技術者に働くことのやりがいや意味をつめるとき相手は完全に笑うしか無い状態で真意を引き出すというより小川紳介の意見み>>続きを読む