ファーストカットグラサン達也がこちらを見ている。仲代達也の「笑い」が木霊する邦画サスペンスの傑作。堀川弘通にサスペンス撮らせたらそうそう右に出る者は居ない。冒頭、眼科医淡島千景のところに押しかけて「我>>続きを読む
冒頭硫黄やガスが噴く阿蘇山のカットバックでオープニング、ラストに繋がる円環構造の素晴らしい静謐なショットは姫田真佐久。話のメインは南田洋子葉山良二中原早苗の三角関係、男女の仲を長く続く人間関係の中でか>>続きを読む
ノンクレジットらしいがルピノ初監督作。ありきたりなメロドラマだが芸術性と人間性は比例しないことがサラッと明示されているし「待つほど電話はかからない」とモブキャラホテルの女給の台詞が謎に刺さった。廻るメ>>続きを読む
増村の「じょたい」も傑作だがこちらも素晴らしい。団礼子のフルヌードはじめてみたが髪を切られ吊るされているにもかかわらず涙を伝う「女体」は確かに「怖い」くらい綺麗。牛を40円で買うが40円で身体を売る女>>続きを読む
これをニュープリとか石井支配人のセンスに敬服いたします。「貴方とは見方が違うのよ」と「女性の友」近藤宏編集に噛み付く有馬稲子、負けん気が強すぎる現代女性的な描き方で55年にしては先鋭的、筧正典のデビュ>>続きを読む
トークメモ2022.4.7
会ったことないけど枡野さんのイラストをみて起用に踏み切った、ベッシーカフェではじめてお会いした。遠くの水は2014年、枡野さんの映画は2011年。フィクションとドキュメン>>続きを読む
杉田作品固有の演出がすでにここにある。トークで受け手それぞれに違った感想を持っていたが杉田監督には確固たる意思があってその相違によって作品が変化するのが現代美術みたいで面白かった。
ショタコンが増え過ぎた現代において公立劇場以外でかけるのに勇気がいる一本。
真鍋博のタイトルバックですでに気合いの入り方が違う。雨を弾くシルバーコートに民藝ルックを掲げる柳沢真一の会社、オススメは前掛けが脱着できるお手伝いコート将来の夢は服飾デザイナー、新星の如く観るものを魅>>続きを読む
やべーみんなツイスト決めてるしみんな良い波のってんね〜超超超たのしい。「花嫁」シリーズとクレージーの初主演作の素晴らしい化学反応。中盤で歌謡ショーに長尺とったことが歌謡映画としてもエンタメ映画としても>>続きを読む
ベルナールビュッフェが書いたような書き文字のオープニングと2人が奏でるジャジーなやつですでにリヴェット先生、最高。オレンジのソファとシュレイダーの紫ニット帽、オレンジと紫の扉、オレンジの波模様に紫壁紙>>続きを読む
西部劇らしいがその様相は一切分からず、物語はさっぱりなのにこうも惹きつけられるビジュアルの徹底さ、まさにノロワれた映画だ。タイトルは北西を意味しているがその方向から吹く風は間違いなく強風(古城バックに>>続きを読む
ショット決まってるが、彼女自身を知らないからいまいちのれなかった、、
「暴行」がひとつアタマ抜け過ぎてて連続して観るとめちゃくちゃ物足りない。サスペンスとしても弱め、物語は今の不倫社会ではびくともされない内容だが調べてみるとただの実話だった。ルピノと結婚していた脚本コリ>>続きを読む
アーズナーの遺作。結婚式場でナチに囲まれた中、婚約を結ぶ場面で聖書に代わって「わが闘争」の衝撃たるや。カーチェイスの後のラストのスパイ美女マールオベロンの決断は「使命」をとったようにみえて実は「恋愛」>>続きを読む
邦画ゲイフィルムのエポックメイキング、「光」がこんなに綺麗な映像として再現されたアーカイブのニュープリントに感謝感激!登壇された大木裕之さんの格好も今すぐエアロビ出来そうなくらいイケてた!こんなにホー>>続きを読む
伝説級の一本、凄い。カットごとに数字が読み上げられ(途中から言わなくなるが)カメラもロング気味のフィックスが多めで実験映画の形式を要する、ジョンゾーンの音楽もさらに強度を増すのに一役買っている。宇宙人>>続きを読む
90s最高。はまりゅう「天国はまだ遠い」みたいな冒頭の入道雲もくもくタイトルバックだけでもうエモ。小峠よりも20年早い風吹ジュンの「なんて日なの」が聞けるのはこの映画だけ。「感謝、畏れ、寵愛」を肌で感>>続きを読む
ほんとに凄い、恩地日出夫の最高傑作。DVD出たら絶対買う!「産んだ親のことを想えないやつなんて犬畜生だ!」と要所要所で親父面をする加東大介と、大桟橋でブラジル移民へ今生の別れとなる母親乙羽信子のダブル>>続きを読む
ここまで情感たっぷりの映画は久しぶり、あながちアンゲロプロスも嘘ではない。水中撮影してるのに画面にターコイズブルーのタイポクレジット、青×青のオープニングからすでに気合の入り方が違う。全編に渡って成島>>続きを読む
脚本黒澤音楽伊福部(映画音楽手掛けるのははじめて)などはどうでも良くなるくらい瀬川順一の撮影が猛烈に凄い、臨場感ありすぎる岩肌絶壁を真横から捉えたショットにハラハラ、この時代のザイルてほんとただの縄紐>>続きを読む
金子遊による極私的ドキュメンタリー。「一水会」のドキュメンタリーとしても貴重、ナショナリズム映画として10年間の社会と自身の変遷を映し出す。代表木村三浩をはじめ雨宮処凛や同会最高顧問の鈴木邦男だけでな>>続きを読む
師匠は武田一成の岡本孝二監督作。思った以上に社会派児童映画でとっちらかすぎて武田作品ほどのれずだったが新小岩が新小岩してて最高だった。
シアマ監督第3作にして2010年代のガールズムービーのエポックメイキング。行き場のない日々を過ごすアフリカ系移民の少女マリエム、ドゥニやアケルマン的なニュアンスもありフランス女性映画の後継者に相応しい>>続きを読む
番匠の懐の広さ。
週刊誌連載のエッセイも、渋谷実ならうんざりしていたはずだが下衆なお下品ムービーにならずにかと言ってライトなお手軽ムービーにもならないから番匠はつくづく職人でござんすな。岩下に迫られる>>続きを読む
2020.2.1映画アーカイブ
「戦後ドキュメンタリー再考」
三菱長崎造船所の労働者たちに焦点を当てた作品。後々名コンビになる松川八洲雄とキャメラ瀬川順一との初顔合わせ。音楽は一切廃し現実音と岸田今>>続きを読む
2020.2.1映画アーカイブ
「戦後ドキュメンタリー再考」
消費者自給農場「たまごの会」の記録。会員たちの自主制作でスタッフのギャラは農場の作物という限界ギリギリ加減。消費者が茨城県八郷町に自分た>>続きを読む
2019.6.19「映画の教室2019」④回目
同時併映
勅使河原・羽仁進・川頭義郎の神監督が組んだ「シネマ59」の「ドラムと少年」(1959年)
松本俊夫・矢部正男・樋口源一郎の「銀輪」(1956年>>続きを読む
2019.6.19「映画の教室2019」④回目
松本俊夫、最強のデビュー作にして日本美術最強の面子。実験映像のさきがけ、伝説的作品なのもうなづける前衛さ。何より音楽に武満徹、美術に北代省三、山口勝弘>>続きを読む
雨ザーザー降り止まぬメロドラマの傑作。まりこ様に関する言及が多いが本作は南千住の連れ込み旅館の女主人たね、こと沢村貞子の映画でしょう。彼女に対する三人の子供たちが松竹梅、なのも良い。梅が希望役、若い桑>>続きを読む
三隅研次監督第一作、脚本衣笠。ファーストカット飛んでいる燕を真っ二つに切り落とすシーンで期待するのも束の間、序盤ほんとに三隅研次か?ってくらいテンポがわるい。稲妻の炸裂音と同時に現れる雷傳次郎の道場カ>>続きを読む
おかん孝行しなきゃと思わざるを得ない松竹ホームドラマの傑作にして中村登の出世作。この6年後に「土砂降り」と「集金旅行」か。
次女岸惠子には鞄、一番下の妹光子にはピアノ、弟和男には野球のグローブ、お姉ち>>続きを読む
5日間の上映期間で連日満席。近年のラピュタレイトの「プロ鷹」も「葵映画」も全作観てる私が言えることはこの映画はあまりにも異彩を放ちまくっている、にもかかわらず観たあとは多幸感に満ち溢れるということだ。>>続きを読む
「アネット」じゃなくて観たのは「あらよっと」だった。「アネット川崎桜餅事件」として語り継がれるであろう「映画そのものを書き換える」過去一最悪の音声トラブル…原因はどこにあったのか、などの発表はあったの>>続きを読む
トークを聞くと凝りすぎて意図が鑑賞者に伝わっていないだけでなく、頭の中に描いたビジュアルが徐々にアウトプットできるようになってきてそれの行き着いた先が「春原さん」に繋がっていることが分かる。一貫してい>>続きを読む
凄い好きな一本。ほんとに明日の夢があふれてた。
泥棒つんぼうけちんぼうの三棒をまだ東西貿易社長の小金治並みに使いこなすのはきびしい松山英太郎だが、入社試験でしっかり扇子(センス)を持って披露、変われと>>続きを読む