コメディとしてすごく面白いが、器用すぎて一度も痛い目見ないのは少しどうかと思う。「人生は短いから楽しまなくちゃ」というのはよく分かるけど、親に良い顔して「上手に」楽しむことで満足しているのは少し違うよ>>続きを読む
人間はもちろん神のように完全ではないが、運命を自分で切り開いていくことはできる。自己実現を超えた実現へ向けてモラルやあらゆるものを捨て、政治的な思惑の渦中であえて一人猛進していく姿は印象的。何より素晴>>続きを読む
子供はこわい。だけど、大人はもっと酷い。近所同士でいがみ合って無益な戦争で殺戮を繰り返している大人たちへの反抗か、それとも真似か。環境に麻痺し、抑圧からいつの間にか刺激を求めるようになったか。それとも>>続きを読む
正直途中までしか観たことがなかった。合戦の危険なリアリズムと菊千代のトリックスターぶりが何より最高!ラストのセリフはポジ・ネガ二つの意味を含んでいてとても好き。
いわゆる悪趣味系のアレ。オムニバス形式だが「クリープショー」という架空のホラー雑誌の話として1つにまとまっており、コミック風の演出がすごく良い。一つ一つの話もなんでもないようで意外とジワジワ来た。最後>>続きを読む
やっぱり「子供の頃からの妄想」って感じが良い。あらためて観るとホラーで結構怖かった。「信じてくれない家族なんてもういい」ってなるところも全然ファミリー向けじゃない。
こういうのはタランティーノにしか出来ない気がして最高に面白い。恐ろしいイメージがあるバスターズが意外にへちょい。なんだか頼りなさそうな奴らを使ってるのは敢えてらしい。ランダ大佐のキャラクターが最高すぎ>>続きを読む
「人間ってこんなもんだよなぁ」と観ていて思った。「人間」という情けない生き物の本質を徹底的に描こうとしたら、裏(?)主人公ザンパノに感情移入できるかできないか、微妙なラインになるのも当然だろう。
やっぱりボクシングのシーン最高。サーカスのラストはああだからこそ好きで、街の灯のラストはこうだからこそ好き。猛烈に感動した。
視覚効果多彩でタイトルのイメージ通りアート感が強い。セリフほぼ無しの尾行シーンもひたすら見ていられる。一つ区切れてまた先の話、と複雑に展開する物語は意外で面白かった。
165分が濃い!
やっぱり真の西部劇のヒーローは奴隷制と闘わなくちゃ。鬱屈とした闇とフラストレーションをひたすら解消していく暴力の快楽に抗えない。ジャンゴかっちょいい。
どんな映画かと思って観たらその名の通り「バベットの晩餐会」だった。禁欲的で質素な信仰生活を送る村人たちが豪勢で質の高い料理によって、逆に豊かな心に目覚める。信仰とは何か(どういうものか)について考えさ>>続きを読む
序盤の不気味な夢で一気に持っていかれた。老人じゃなくても目を逸らしたくなるような「人生」を問うシーン満載で、割とトラウマになりそうな怖さがある。でもラストはじんわりとした感動があって良い。
ジャームッシュの趣味全開系は期待せずに見て十分面白い!
葉隠大好き、ジャームッシュ大好き、マフィアギャングもの大好き、ヒップホップちょっと好き、で楽しめた。「武士道とは死ぬことと見つけたり」を体現する>>続きを読む
原作が好きだけど、評判をあまり聞かないので、なんとなく手をつけずにいた映画。SFは想像で自己流の世界を構築しちゃいがちなので見方が難しいけど、全体的に良かった(特にテレスクリーンの「眼」のデザインが)>>続きを読む
珍しくめっちゃ好きな傑作ラブストーリー。
探偵のおじさんが不思議すぎて良い。『クリスマス・キャロル』に出てくる精霊とか『ノーカントリー』の殺人鬼みたいに概念的な存在かと思いきや実は人間的なんだよなぁ。>>続きを読む
アートフィルムっぽく始まる冒頭とそれから10分間の荒廃した街並みに「ゾンビ」の構図がめちゃくちゃ良い(ほとんどは地下なので鬱屈としているけど…)。あくまで「人間メイン」な感じがロメロらしい。スプラッタ>>続きを読む
声出して笑った!やばすぎ。笑
胎内に帰らされるレベルの母の抑圧。
終盤は不快になること間違いなし。この手の傑作。
死神とチェスをするというイメージは鮮烈で一生忘れられない。カミュが『ペスト』で描いた不条理を踏襲した実存主義的な映画。人生の意味や目的と神の存在を問うというテーマは後の『暴力脱獄』でより深く描かれてい>>続きを読む
これぞカルトって映画だった!ラストまで衝撃映像のオンパレード。かなりヤバイ。割と早い段階で考えながら観るのが馬鹿らしくなってしまった。半分コメディ。とはいえ、一つ一つのイメージはメタファーに溢れている>>続きを読む
ぶっ飛んだ内容を想像していたが、「日常に潜む裏」的な、映画としてはそう珍しくないストーリー。性的倒錯の描き方とかは十分普通じゃないけど・・・。「虫」とか「耳」とか奇怪なものが意味ありげに出てくるのもリ>>続きを読む
ラモッタは嫉妬に狂って周囲の人を殴りつけるどうしようもないやつ。転落や堕落をえがいた映画でよくある「根は良いやつ」ですらない。ただ、深すぎるぐらい深いところにある「不屈の闘志」と「ある意味洗練された己>>続きを読む
どうしようもない人。笑
堕落物は好きだけどこれは正直あんまり好みじゃなかった。カルト的な人気がある理由もよく分からない。88年っていうのもなんか微妙。せめて70年代くらいの映画だったらもう少し見方も変>>続きを読む
確かに面白いけど、この際どいブラックコメディーが三時間続くのか、と思っていたら一転。そこからがすごく惹きつけられた。自分と同じ気持ちになった人も是非第三章まで観てもらいたいところ。ただの喜劇とも悲劇と>>続きを読む
ここまでシュールな映画だとは…。
アリスのようなおとぎ話的な世界観は良いんだけど、映像的には目を引くものがもう少し無ければ映画としての面白みには欠けるかも。
アリスが「妄想的」幻想世界だとすればこちら>>続きを読む
「脱獄」描写が工夫だらけで面白い。単調な作業の長回しに思われるシーンも何故か「蟻が餌を運ぶ」のを眺める子供のような気分で魅せられる。初めは余計な部分を省いてひたすら「脱獄」のリアリティを描く映画かと思>>続きを読む
環境の悪い不良少年に定番のお話なんだけどものすごくクオリティが高い。娯楽性と芸術性のバランスが良いのか、グッと引き込まれる。それにしても、『トレインスポッティング』にしろ、スコットランドは大丈夫なんだ>>続きを読む
これ、かなり傑作ホラーでした!
心理描写が巧みでセットも良い。社会批判的。クローネンバーグが「人間の形が変わってもそれは必ずしも悲劇というわけじゃない」と言っていたのを思い出した。もしかしたらロメロの>>続きを読む
北部と南部と女性と黒人って組み合わせが良いね。
所々荒削りなんだけど全体としては面白かった。
悲しい境遇のはずなのにそれをあまり出さない。おマセでお転婆でいたずらっ子で大人を振り回す。おそらく半分は捻くれてそうなってしまっているんだけど、そこが『地下鉄のザジ』のザジと似ている。
鳥が人間を襲ってくる「理由」はおそらく無いんだけど、全く独立した一本のストーリー(どこか危うい人間関係、母と子、男女)に鳥の攻撃が絡んでくるので、どこか象徴的で、不条理なのに意味深。そこが他の動物パニ>>続きを読む
『それでも夜は明ける』同様、支配される側、する側両者にとって何も良い事が無い。「両者」というのがひそかに大切なことだと思っている。ハモンドはおそらく「一般人」の象徴で、たとえると、主犯じゃないけど知ら>>続きを読む
TBHきっかけで観たのだけれどめちゃくちゃ良かった。音楽も良い。竜馬にそこまで興味なく、時代劇にも疎いため心配だったけど問題にならなかった。「異色」であるがためにむしろ。即興めいた台詞回しはどこかオフ>>続きを読む
この世界観…。シュルレアリスムとかアウトサイダーアートな雰囲気のアニメーション。それにどことなく劇画タッチに見える絵が混じるのが笑える。ストーリーもSF好きにはたまらないようなもの。未来的というよりは>>続きを読む
上に下に感情的にかなり揺さぶられた。ここまで古い映画でここまでガッツリ「感情に」訴えかけてくる作品は観た事がないかもしれない。特に何もかも悪い方向に進んで主人公が追い込まれていくと、観てる方も「もう死>>続きを読む