雑記猫さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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スペンサー ダイアナの決意(2021年製作の映画)

4.2

 1991年、エリザベス女王の私邸にイギリス王室が集ったクリスマスを舞台に、ダイアナ妃の苦悩を描く作品。本作はストレスの映像化とも言える作品に仕上がっている。イギリス王室のありとあらゆるしきたりやスキ>>続きを読む

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

4.1

 中世フランス、画家のマリアンヌは両家の娘・エロイーズの見合い用の肖像画の作製を依頼される。エロイーズの自身を描かれることに対する拒否感ゆえに、当初は隔たりのあった二人だが、共同生活を営むうちに徐々に>>続きを読む

凶悪(2013年製作の映画)

4.1

 日常生活では絶対出会うこともないし、想像も出来ないような別世界に住む人間の心を、観客に実感を伴って理解させてしまうような映画が面白い映画だと個人的に思っているのだが、それで言うと「本作は人を殺すのが>>続きを読む

孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)

3.9

 刑期を終えて出所してきた暴力団員・上林によって、均衡が崩された広島の暴力団抗争に、刑事・日岡が立ち向かう姿を描く作品。


 暴力描写やグロテスクな描写を多数含みながらも、ギリギリのところでブレーキ
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孤狼の血(2018年製作の映画)

4.0

 マル暴に配属された新米刑事・日岡と、ヤクザと癒着したアウトローなベテラン刑事・大上による、対立する暴力団同士の抗争を止めるための戦いを描いた作品。


 ヤクザたちはもちろんのこと、刑事である主人公
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僕が愛したすべての君へ(2022年製作の映画)

3.4

 高崎暦と瀧川和音の2人のカップルの出会いから晩年までを、並行世界といったSF的な世界観を交えながら描くアニメ作品。同時上映の『君を愛したひとりの僕へ』とは並行世界の関係性になり、相互に補完しあう内容>>続きを読む

君を愛したひとりの僕へ(2022年製作の映画)

3.0

 事故により精神と肉体が分離してしまった恋人の佐藤栞を救うために奮闘する科学者・日高暦の奮闘を描くアニメ作品。同時上映の『僕が愛したすべての君へ』とは並行世界の関係性になり、相互に補完しあう内容となっ>>続きを読む

マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)

3.6

 親友のイカガワマリコの訃報を聞いたOLのシイノトモヨが、彼女を虐待していた父親からマリコの遺骨を強奪し、生前彼女が行きたがっていた浜辺の街を目指して旅に出る姿が描かれる。本作は親友のマリコの遺骨を抱>>続きを読む

LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.1

 飼っていた羊が産み落とした半人半獣の子供を、自分たちの子として育て始める羊飼いの夫婦の奇妙な生活を描いた作品。


 禁忌に触れてしまった人間たちの顛末を民話的なストーリーで描いており、テーマやメイ
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アバター:ジェームズ・キャメロン3Dリマスター(2022年製作の映画)

3.9

 地球から遠く離れた惑星パンドラに希少鉱物を求め降り立った人類。パンドラの希少鉱物を採掘すべく、人類はパンドラの先住生物ナヴィと交渉を行うが難航する。そのため、人類はナヴィを模した人造生命体アバターを>>続きを読む

雨を告げる漂流団地(2022年製作の映画)

4.4

 忍び込んだ取り壊し予定の通称「おばけ団地」が突如海を漂流しだしてしまったことから始まる少年少女たちの奮闘を描くアニメ作品。かなり突飛な設定でファンタジー色の強い物語でありながら、少年少女の心の交流と>>続きを読む

沈黙のパレード(2022年製作の映画)

3.8

 物理学者・湯川学を主人公とした推理ドラマシリーズ『ガリレオ』の劇場版第3作。歌手を志す女性が突如失踪し、3年後に遺体となって発見されたことをきっかけに、彼女の周囲の人間と殺人事件の犯人と目される男と>>続きを読む

夏へのトンネル、さよならの出口(2022年製作の映画)

3.8

 中に入ると願ったものが得られる代わりに、外の世界よりも何千倍も早いスピードで時間が流れてしまう”ウラシマトンネル”を偶然に見つけてしまった少年少女の姿を描くアニメ作品。”ウラシマトンネル”というSF>>続きを読む

この子は邪悪(2022年製作の映画)

3.1

 登場人物や舞台設定などがコンパクトにまとまっており見やすい一本。オチは冷静に考えるとかなり突飛なのだが、そこに至るまでの作劇の積み重ねと作品の雰囲気作りが丁寧なので、破綻した印象はなく、すんなりと受>>続きを読む

DC がんばれ!スーパーペット(2022年製作の映画)

3.8

 スーパーパワーを手に入れた動物たちが地球を守るために活躍する姿を描くアニメ作品。「仲間との出会い→衝突→挫折→再起と結束→勝利」というハリウッド映画の黄金則をしっかりと踏んで、最後までダレることなく>>続きを読む

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

 ホラー映画かと思ったら、モンスターパニックかと思ったら、一発逆転サクセスストーリーかと思ったら、最後は怪獣映画でした、という非常に独特な一本。映画のジャンルを作中でころころと変遷させることで、観客を>>続きを読む

スワンソング(2021年製作の映画)

4.3

 一人のゲイの男性による、ある意味で究極の終活映画。本作はヘアメイクドレッサーを引退し老人ホームで暮らす老人パットが、旧友のリタに遺言で死化粧を依頼されたことをきっかけに、若き日を過ごした街サンダスキ>>続きを読む

ソニック・ザ・ムービー/ソニック VS ナックルズ(2022年製作の映画)

3.3

 人気ゲーム「ソニック」シリーズの映画化第2作。本作はソニックと敵役のドクター・ロボトニックのマクガフィンの争奪戦と、新キャラクター・ナックルズとソニックの敵対からの結束という2本柱からなる非常にオー>>続きを読む

ONE PIECE FILM RED(2022年製作の映画)

3.0

 人気アニメ『ONE PIECE』の劇場版最新作。海賊王を目指す少年・ルフィ率いる麦わら海賊団と、自身が統治する新世界の設立を目論む少女・ウタとの戦いを描く。本作の肝は本作オリジナルキャラクターのウタ>>続きを読む

帰らない日曜日(2021年製作の映画)

3.9

 1920年代のイギリスを舞台に、身分違いの2人、メイドのジェーンと名家シェリンガム家の跡継ぎポールのある日の情事とその後の悲劇を中心に、ジェーンの作家としての人生を描く作品。作品時間の割合として、シ>>続きを読む

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(2021年製作の映画)

3.4

 『ジュラシック・パーク』シリーズの設定と世界観を引き継いだ『ジュラシック・ワールド』シリーズの第3弾にして完結編。絶海の孤島、ジュラシック・ワールドに生息していた恐竜たちが全世界に解き放たれるという>>続きを読む

劇場版 仮面ライダーリバイス バトルファミリア(2022年製作の映画)

2.7

 令和仮面ライダー第3作目『仮面ライダーリバイス』の初単独劇場長編作品。(おそらく)TVシリーズ後の世界での主人公・五十嵐一輝/仮面ライダーリバイたちの新たな戦いが描かれる。日本特撮界をハイレベルなア>>続きを読む

暴太郎戦隊ドンブラザーズ THE MOVIE 新・初恋ヒーロー(2022年製作の映画)

3.0

 スーパー戦隊シリーズ46作品目『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』の劇場版作品。スーパー戦隊シリーズの中でも異色な立ち位置を確立しつつあるドンブラザーズだが、その肝はスーパー戦隊のフォーマットを用いて毎話シ>>続きを読む

ソー:ラブ&サンダー(2022年製作の映画)

3.6

 さすが世界のキャラクタービジネスを牽引するMCUだけあって、今作もキャラクターの魅せ方が上手い。例えば、本作で新生マイティ・ソーとしてカムバックを果たすヒロインのジェーン・フォスターは戦闘時に過去作>>続きを読む

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

3.2

 1970年代アメリカ、サンフェルナンド・バレーを舞台に、アラナとゲイリーの青春と恋愛模様を描く作品。登場人物たちも無鉄砲なら、ストーリーも行き当りばったりで、とにかく衝動的に駆け抜けていくような作品>>続きを読む

わたしは最悪。(2021年製作の映画)

4.3

 人生の方向性が定まらない女性・ユリヤの、20代後半から30代前半の悲喜こもごもを描いた作品。どうしようもない人のどうしようもない精神性を丹念に解きほぐすことで、その中にある普遍的な悩みや葛藤を描き出>>続きを読む

バズ・ライトイヤー(2022年製作の映画)

3.7

 トイ・ストーリーシリーズのメインキャラクター、バズ・ライトイヤーをメインに据えたスピンオフ作品。トイ・ストーリー本編ではおもちゃとして登場するバズが、どういった世界観の作品のキャラクターなのかが紐解>>続きを読む

エルヴィス(2022年製作の映画)

3.5

 世界的ロックスターであるエルヴィス・プレスリーの半生を、彼のマネージャーであったトム・パーカー大佐との関係に焦点を当てて映画化した作品。伝記映画と呼ぶにも、音楽映画と呼ぶにも、ヒューマンドラマと呼ぶ>>続きを読む

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.7

 赤ちゃんポストに預けられた1人の赤ちゃん:ウソンの新しい親を探すため、ブローカーの男・サンヒョンとドンス、赤ちゃんの母親ソヨン、孤児のヘジンが旅をするロードムービー。子供を産んだ責任や親としての義務>>続きを読む

PLAN 75(2022年製作の映画)

4.2

 75歳から安楽死を選択することができる政策「PLAN 75」が施行され、これを政府が推奨するようになった日本を舞台とした作品。作品設定から尊厳死をテーマにした作品のように思われるが、どちらかと言うと>>続きを読む

真実(2019年製作の映画)

4.0

 大女優である母親ファビエンヌと脚本家の娘リュミールが、同じく天才女優であった代母サラの早逝によって抱えていたわだかまりを、ファビエンヌの映画撮影を通して徐々に埋めていくまでが描かれる作品。主人公のフ>>続きを読む

万引き家族(2018年製作の映画)

4.4

 東京下町のオンボロ家屋に住む家族の日常が淡々と描かれる本作。主人公の家族、特に、リリー・フランキーと安藤サクラが演じる治と信代は、タイトルにもなっている万引きを始めとして、未成年者略取、車上荒らし、>>続きを読む

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

4.3

 14世紀のフランスを舞台にした歴史ミステリー。騎士カルージュの妻マルグリットがカルージュの旧友ル・グリに強姦されたことを訴えたことから始まる決闘裁判の顛末を描いた物語。カルージュ、ル・グリ、マルグリ>>続きを読む

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

4.0

 1967年放送の特撮TVシリーズ『ウルトラマン』をベースに現代的解釈を加えた作品。庵野秀明、樋口真嗣を始めとする主要スタッフの顔ぶれからして、どうしても2016年公開の『シン・ゴジラ』を受けての作品>>続きを読む

ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022年製作の映画)

3.7

 天才魔術師ドクター・ストレンジの活躍を描くMCU最新作。魔術によって時空間が捻じれ合い絡み合う、いわば観るドラッグとも言うべき視覚表現がウリだった前作と比較すると、本作ではそういった刺激的な映像表現>>続きを読む