東野圭吾のミステリ小説は、謎解きの中で浮かび上がる、深遠な人間ドラマが、人気の秘密だろう。
この「麒麟の翼 劇場版・新参者」は、東野圭吾のベストセラー小説を原作にした、連続テレビドラマ「新参者」の劇>>続きを読む
ルイス・ブニュエル監督の「小間使の日記」は、最もブニュエル監督らしく、また最も彼の作品と異なっているように思える。
淡々としたストーリーのなかに、彼独特のエロティシズムと死の匂いがある。
フランス>>続きを読む
この映画は、フロリダ北部の開拓地で暮らす一家の厳しい生活を描いたヒューマン・ドラマで、ひとりの少年の成長の物語。
原作はピュリッツァー賞を受賞した小説で、11歳のジョディを演じたクロード・ジャーマン>>続きを読む
この映画の題名にもなっている「ヒンデンブルグ」とは、飛行船の名前で、もともとはドイツ・ワイマール共和国の大統領の名前で、彼の名にちなんで命名されたものだ。
このヒンデンブルグ号は、第二次世界大戦の直>>続きを読む
日活映画「野良猫ロック」シリーズでブレイクした梶芽衣子は、日活のロマンポルノへの転向に伴い、東映に移籍する。
そして、東映での主演第1作「銀蝶渡り鳥」に続く主演作が、この映画「女囚701号 さそり」だ>>続きを読む
この映画は、主力選手の流出と予算制約に悩まされたメジャーリーグ球団、オークランド・アスレチックスで、1997年にジェネラル・マネージャーとなったビリー・ビーンが、邪道扱いされていた統計的な「セイバーメ>>続きを読む
この映画「日本の黒い夏 冤罪」は、ジャーナリスティックなテーマに果敢に挑み、重厚な社会派映画を得意とする熊井啓監督の秀作だと思います。
熊井啓監督は、1964年の彼のデビュー作となる「帝銀事件・死刑>>続きを読む
この「ことの終わり」は、天上的な愛を体現するジュリアン・ムーアの見事な演技を堪能する映画だと思います。
映画「ことの終わり」の原作は、イギリスのカトリック作家でスパイ小説の名手のグレアム・グリーンで>>続きを読む
この映画「サイコ2」は、アメリカ映画史上に残るスリラーの傑作「サイコ」の続篇。
あの映画で、"サイコ"という言葉を一般通用語にまで広げた犯人役をアンソニー・パーキンスが演じています。
彼が、精神病>>続きを読む
「映画に愛をこめて アメリカの夜」は、フランソワ・トリュフォー監督自身が演じる、映画製作についての映画だ。
ニースの撮影所で製作されている映画が完成されるまでを描いた映画で、女優が妊娠したり、スタッ>>続きを読む
この映画「セブン・イヤーズ・イン・チベット」で、ブラッド・ピット扮するハインリヒ・ハラーは、実在のオーストリア人の登山家。若き日のダライ・ラマの家庭教師を務めた人物だ。
このハラーは、ヒマラヤ山脈の>>続きを読む
原田眞人監督の作品では多いのですが、役者が台詞を「人ごと」のようにしゃべる、台詞の棒読みをするのがいつも気になっています。
これは、脚本が悪いのであり、カンバセーションではなく、状況や知識の説明をと>>続きを読む
この坂口安吾の傑作ミステリの映画化作品の「不連続殺人事件」は、山奥の豪邸における、奇怪な連続殺人事件を通して、敗戦直後の人間の頽廃、狂おしさ、真情を描いた秀作だ。
当時、日活を拠点としていた曾根中生>>続きを読む
この映画「スローターハウス5」は、現代アメリカ文学を代表するカート・ヴォネガット・ジュニアが、1969年に発表した彼の戦争中の体験に基づく、半自伝的なSF小説の映画化作品だ。
そして、この作品は、人>>続きを読む
「自由の幻想」という、いかにもいわくありげな題名と、「今度は完全に自由な映画を作るつもりだ」と語ったと言われているルイス・ブニュエル監督自身の意図からして、これは一見すると何やら小難し気な作品であるか>>続きを読む
この映画「球形の荒野」は、松本清張の同名の推理小説を忠実に映画化した、社会派サスペンス・ミステリーだ。
久美子(島田陽子)は、新聞記者の添田(竹脇無我)との婚約を亡き父に報告するため、父がこよなく愛>>続きを読む
このアンジェイ・ワイダ監督の「地下水道」は、第二次世界大戦下のポーランドのワルシャワの地下の暗闇での、レジスタンスの絶望的な戦いを描いた問題作だ。
1944年9月、ワルシャワのポーランド軍は、対岸に>>続きを読む
若い哲学講師のマルチェロ(ジャン=ルイ・トランティニャン)は、13歳の時、彼を犯そうとした同性愛の男をピストルで射殺し、それ以来、罪の意識に悩んでいた。
そして、少年時代の悪夢から逃れるため、彼はフ>>続きを読む
「ビッグ・ウェンズデー」は、ジョン・ミリアス監督が、サーフィンに明け暮れた、自らの青春時代をモデルにした、自叙伝的な青春映画の佳作だ。
カリフォルニアの海岸にたむろする三人の若者の、1962年から1>>続きを読む
世界ミドル級チャンピオン、ジェイク・ラモッタの自伝を基に映画化したのが「レイジング・ブル」だ。
打たれたら打ち返す、激しいボクシング・スタイルで、チャンピオンとなりながら、私生活は、酒に溺れ、妻への>>続きを読む
「ある愛の詩」や「ラ・マンチャの男」などの映画を撮った、アーサー・ヒラー監督が、ジーン・ワイルダーのとぼけた個性をうまく生かし、娯楽映画監督としての腕前をフルに発揮した、ワクワクするほどの面白さに溢れ>>続きを読む
この映画「キング・オブ・コメディ」の主人公は、例によって偏執狂(パラノイア)的な人物で、映像は、それに対応して、妄想や想像と、現実的な知覚との間を往復するのだが、「ミーン・ストリート」で、すでにお馴染>>続きを読む
この「マンディンゴ」は、アメリカ南部の奴隷制度に潜む、階級社会と人間、その文化的な歪みを描いた問題作だ。
このリチャード・フライシャー監督の「マンディンゴ」は、アメリカ最大のタブーである、アメリカ南>>続きを読む
「家族の庭」は、家族とは何かという根源的な問いかけに、老いと孤独を絡ませた、マイク・リー監督の秀作だ。
監督が「秘密と嘘」や「ヴェラ・ドレイク」のマイク・リーなら観ないわけにはいかない、いや、何が何>>続きを読む
アメリカの古い犯罪映画や、黒澤明監督の「天国と地獄」を念頭に置いて、カメラを回したという、是枝裕和監督の「三度目の殺人」。
この作品で、福山雅治が切れ者の弁護士を演じている。
同期生だった吉田鋼太郎>>続きを読む
この映画「アウェイ・フロム・ハー 君を想う」は、アルツハイマー病に冒された妻を、老後介護施設におくる夫の心境を描いた作品。
カナダ、オンタリオ地方の雪の世界。
そこに、老後の生活をおくる夫婦にも静か>>続きを読む
この東映映画「帰って来た 女必殺拳」は、ご存知、志穂美悦子主演の「女必殺拳」シリーズの第三作目の作品だ。
かつての緋牡丹のお竜の現代版とも言うべき、カラテの名手・李紅竜(志穂美悦子)が暴れまわる痛快>>続きを読む
この映画は、ジェシカ・チャスティン主演の銃規制に関するロビイストの活動を描いたものですが、 銃規制に反対する陣営の主張も楽には退けることのできない難しさが、よく描かれていたと思います。
自分のことは>>続きを読む
この映画「ジャスティス」は、「夜の大捜査線」の名匠ノーマン・ジュイソン監督が、裁判の世界に材をとった熱血あふれる作品だ。
主演は、アル・パチーノ。「セルピコ」でも一途に正義の道を通し続ける警察官の姿>>続きを読む
銃がこんなにも魅惑的でエロティックな存在だなんて、今まで全然知らなかった。
そして、一人の人間の運命ぐらい、あっさりとねじ曲げてしまうほど妖しく美しい武器だということも。
このキャスリン・ビグロー監>>続きを読む
この映画「スカイ・ハイ」は、「燃えよドラゴン」から2年、不世出の天才ブルース・リー(李小龍)を擁して、文字通り、香港映画界のみならず、世界を席巻したゴールデン・ハーベスト社の大製作者レイモンド・チョウ>>続きを読む
FBI訓練捜査官のオニールは、ある日、上司のバロウズに呼び出され、定年間近のハンセン特別捜査官の下について、彼を密かに監視するよう命じられる。
しかし、ハンセンには怪しいところはなく、逆にハンセンと>>続きを読む
貧しさゆえに忍びの世界に入ったカムイだったが、明け暮れる殺戮の日々に嫌気がさした彼は、この世界から抜け、裏切り者として追われる身となる。
そんな中、偶然、命を救った漁師の半兵衛一家のもとに身を寄せる>>続きを読む
氣、水、土、火の4つの王国が均衡を保っていた世界で、火の国が他国を侵略する。
人々は4つのエレメントを操ることができる救世主・アバターの出現を待ちわびていた。
そんなある日、水の国の少女・カタラは氷>>続きを読む
一点ものの控え目なルビイの指輪のように、愛らしくてキラキラした、ハッピーな映画。
映画オタクの和田誠監督の描くイラスト人物画のように、簡潔でスマートなファンタジーが楽しめる作品ですね。
若かりし頃の>>続きを読む
マイアミでマフィアの借金の取り立て屋をしているチリ(ジョン・トラヴォルタ)は、大の映画好き。
対抗するヤクザの幹部と喧嘩をした後、取り立てに行った洗濯屋が、実は飛行機事故で死んだと思われたのを幸いに>>続きを読む