キタサンとテイオー、ダイヤとマックイーンそれぞれの師弟模様は、親友でありライバルの熱い気色を引き継ぎながら、次世代へと着実にバトンが繋がっている実感も得られて色々感慨深かった。
コミカルパートの変顔やギャグのレパートリーも安定的で、お祭り娘の相談係として神輿に担がれるネイチャの姿も面白かった。
作画的迫力には少し欠ける気もしたけれど、レース場を駆け回るカメラワークがダイナミックで見ごたえは十分で、闘志剥き出しのOPも熱かった。
個人的にキタサンブラックが好きで、気性もそうだけれどビジュアルとして、赤黒半被と紅白綱の雄々しさと、下駄スタイルでやんちゃな足元の賑々しさ、ルームウェアまで統一された和テイストがエネルギッシュでとても良かった。
内容的にも、サトノのジンクスを打ち破ったダイヤの姿と、有馬でのほんのり群像劇など、多くの見どころがあったけれど全体としてはやはりキタサンを台風の目としたストーリーに終始しているようだった。
なにより、２期のように故障や意志の挫折という壁でなく、ウマの「引き際」を巡る切なさを伴うクライマックスである分、ウマ娘とそれを見守る人たちという、競馬場にある普遍的ドラマ、競馬場にしかない熱気や感動に包まれており、ある種競馬賛歌とも言えるようなエモーショナルを感じた。
いつかまた自分もその熱狂を肌で感じてみたい。
