あんへる

恋は雨上がりのようにのあんへるのレビュー・感想・評価

恋は雨上がりのように(2018年製作のアニメ)
4.2
【2018年冬アニメ作品{全12話}】

眉月じゅんの同名漫画をアニメ化した作品。
後に実写映画化もされている。

冴えない中年男性に想いを寄せる女子高生の恋模様を描いた作品。


うまく言えないが、とても良く出来た作品だと思う。
難しい人間の感情や情緒を巧みに切り取って、アニメ的な表現にわかりやすく変換している。

感情表現が下手なあきら、年齢や立場で自然と壁を作ってしまう店長、不器用同士のもどかしい距離感や食い違いが愛おしく感じる。
王道的なラブストーリーではないからこその、切なさと爽やかさを内包した優しい物語という印象。

モノローグや会話の間は特に時間をかけて繊細に描かれている。
丁寧な作画で形作った美しい映像表現も相まって、ストーリーをより叙情的に彩っている。

安易な恋愛話に物語を集約させないで、徐々に二人の成長物語にシフトしていく展開も好印象。
様々な観点から多角的に観て、味のある良作だと思う。

結末に若干の消化不良感は残るものの、ダラダラと間延びするよりかはずっと良いし、アニメの区切り方としては比較的美しいラストだったんじゃないかと。
ま、これ以上の補完は原作を読めってことですかね。w

あと作中を彩る音楽や主題歌が素晴らしい。
自分の場合、まず主題歌にやられた。
OPの CHiCO with HoneyWorks「ノスタルジックレインフォール」はコミカルで可愛らしく。
EDの Aimer「Ref:rain」はセンチメンタルにしっとりと。
それぞれの曲調が作品の持つ二面性を忠実に体現している。
あと純粋にめっちゃ良い曲。



「恋は雨上がりのように」

雨上がりに傘を閉じ、駆け出したくなるような、そんな素敵なアニメでした。


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[主題歌]

OP
CHiCO with HoneyWorks「ノスタルジックレインフォール」

ED
Aimer「Ref:rain」

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