コンフィデンスマン、平たく言えば悪人のみを標的にした詐欺集団の話。
“悪人を懲らしめる義賊”という構図としては頗るポピュラーというか、誰もが親しみ深い古典的なジャンルのお話ではある。
その上でチャプター毎に各々のキャラクターを主旋に据えてドラマ性を付与しているのが本作のミソ。
繊細な部分もあるが、基本理屈や考証を度外視にエンタメ性全振りの思い切りのいい作風。そう、要するに面白ければそれでいいの精神。はい正義ー。
ただひとつ難癖をつけるなら、ストーリーの肝であるローランのバックボーンやドラマ性が一番弱い(雑い)気がしてオラちょいモヤっただよ。
しかし、騙し騙され死屍累々のコンゲームの行き着く果てのテーマが「赦し」ってのは、ちょっとした感慨があるよね。
人ひとりが手にできる富や名声なんてものは、所詮張りぼての高層ビルみたいなもんで、何時どんな拍子に崩れ去ってもたぶんおかしくはないんだろう。
きっと人生なんて“真面目”に生きるだけの価値はないんだろうな。良い意味でも悪い意味でもなく、ただ純粋にそう思った。
馬鹿げた世界を馬鹿みたいに面白可笑しく生きれたなら、死ぬ時もきっと楽しく笑っていられる気がするね。
でもまぁ、どんな大義がそこにあったとしても、根本的に人様を騙すって行為はロクなもんじゃねぇよな。そう思うだろう？アンタも。←(唐突なスクライド)
