無料公開のタイミングで原作を読み、待望の12巻が出たので観てなかったアニメ版を観た。いやぁ……これはすごい。現時点のCGアニメの最高峰なんじゃないかと思う。宝石たちの表現としても世界観や設定との噛み合わせとしてもバッチリハマっていて素晴らしい。とくに最初原作読んだ時は彼女/彼らたちの色や個性を判別するのに苦戦してしまったのだが、アニメ版は色と声がつくことでよくわかるだけでなく崩壊/拉致に対する感情の揺さぶりにおいても絶大な効果を放っている。
しかし内容はやっぱり『進撃の巨人』を思い出してしまうというか、残酷な世界観というだけでなく、主人公が世界そのものを疑い、敵に回していかなくてはいけないという壮絶さが実に10年代の作品という感じがする。しかし面白いね……個人的には「アンタークチサイト」の回の冬の雰囲気(フォスが決定的に変わってしまう転換点としても強烈)が好きだけれど、アニメのシーズン1は起承転結がフォスとシンシャの関係軸に貫かれていて、原作の壮絶さとは別のベクトルのエモーショナルを生んでいる。百合アニメとは文脈が異なるだろうけど、最近見返した『少女革命ウテナ』や『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』、『水星の魔女』あたりも思い出した。
