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機動戦艦ナデシコのHALのレビュー・感想・評価

機動戦艦ナデシコ(1996年製作のアニメ)
4.4
『機動戦艦ナデシコ』第16話まで来た。だんだんと……ってかいきなり木製蜥蜴の正体が明らかになってきて、超面白いです。まさかゲキガンガーがここまで物語の根幹に食い込んでいるとは……そしてこの、すべての余韻を破壊する次回予告がまた堪らんのよね。

17話、まさかのプラモデル回。なんかロボアニメ界のこち亀みたいな作品だな。メタメタな展開も厭わず、いざとなればギャグで押し進む。

21話、記憶連結マージャン回。めっちゃよかったな……時系列シャッフルの物語構成がギャグよりもミステリーの空気を醸成し、ナデシコの外部の作戦行動と艦内の人々の傷やトラウマが結びついていく脚本は見事。ナデシコは各回の脚本の質が本当に高い。ずっと不真面目な空気があるのに無駄な回は全然ない。敵AIが記憶とデータを混同していたというオチも好き。やっぱりエヴァと通じるものがあるし、この時代のロボットアニメの両端を観ているような気持ちになる。批評的にアニメが作られているし、もちろん視聴者も批評的に観ていたのだろう。

23話、劇場版パトレイバーみたいな展開になってきちゃった……企業と軍隊の狭間で、市井の人間に戻ることはできない。メグミの声優説明がここに来てこんなに刺さるとは。味わい深い展開だ。軍用ヘリが哨戒している下でルリルリとゴートが屋台のラーメンを食べている。

観終わってみて、かなり怪作な気もするが、一方で陽性に振り切ったエヴァンゲリオンというか(エヴァの半年後に放送してるのね)、ロボットアニメのまたひとつの極としてすごい作品だと思った。女性の扱いとか下ネタっぽいのもたくさんあるのは時代といえど少し残念ではあるけど……劇場版がすごいすごいとみんながいうから、早めに観ないとなぁ。
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