ニャーすけ

魔王城でおやすみのニャーすけのレビュー・感想・評価

魔王城でおやすみ(2020年製作のアニメ)
4.0
物語のかなり序盤から、スヤリス姫が牢屋を出て魔王城内を好き勝手歩いてても魔物の皆さんはそれが当然とでもいうように姫に呑気に挨拶したりするし、そもそも「魔族」っつってんのにみんなただのお人好しのイイ人たちでしかない(姫に人質である自覚を持たせるためにやることが暴行ではなくただの無視で、しかも罪悪感に押し潰されてそれすら失敗する)というツッコミ所満載のやさしいせかい。
このゆるい世界観にノれるかノれないかがすべてだが、自分は所謂「なろう系」等の王道ファンタジー設定にまったく興味が無いので、本作のようにメタギャグに特化した膝かっくん作品のほうこそ好物だったりする。

姫の牢屋の鍵を管理している「でびあくま」(テディベアみたいな可愛いくまちゃん)がブラッシングだけでいとも簡単に姫に懐柔されたり、姫が人間界の低周波枕を買うために城を脱走する際の服装が完全に学校の体操着というギャグも面白いが、いろんなサブカル作品のパロディが多いのも楽しい。
自分が気づいたものは「ドラクエ」のあるあるネタや『タッチ』や『ジョジョ』の台詞引用、OP曲での聖飢魔II(「お前も寝具にしてやろうか?」)辺り。その中でも特に笑ったのは、姫が寝心地の良いシーツを作るために、布状の魔物を片っ端から大きなハサミで屠って回る際の姿がもろ「クロックタワー」のシザーマンだったところ。おばけふろしきくん、RIP……。
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