ニャーすけ

ポケモンコンシェルジュのニャーすけのネタバレレビュー・内容・結末

ポケモンコンシェルジュ(2023年製作のアニメ)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

タイムリーなことに、先々月沖縄の某リゾートホテルに(人の金で)宿泊してきたばかりなので、そのときの非現実的な楽しさを思い起こさせる良作だった。
都会でのストレス過多な生活に疲れきった主人公が、自然に囲まれた〈ポケモンリゾート〉のコンシェルジュとして暮らしていくことで、人生の真の価値を学んでいく……とあらすじ自体は結構ステレオタイプだが、そこら辺の説教臭いテーマは作品の本質ではなく、あくまでも可愛く個性的なポケモンたちとの交流の可笑しさや和やかさに主眼が置かれているので、自分のように自己啓発やロハスの押しつけが大嫌いな人間も心穏やかに観られる。

準主役級の扱いであるアホの子代表コダックや、お気に入りの浮き輪を失くして泣いちゃうコイキング、リゾートから帰るのが嫌で子供みたいに拗ねるゴローン等々、どのポケモンも見ているだけで涎垂れてくるくらい本当にきゃわわなのだが、中でも一番やられたのが最終話に登場する陰キャのピカチュウ。蚊の鳴くような声でしか鳴けなかったり、高所恐怖症で木の上でガクブルしてたり、一挙手一投足がいちいちいじらしすぎる! 印象的なへの字口も、サンリオで言うとアイシナモロール(もうひとつの世界線の、あまり愛嬌の無いほうのシナモン)に重なる、お子様に媚びない大人向けの造形の素晴らしさ。
そんなピカちゃんの、最後の「ピカーーーーー!」におじさんは泣いた。
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