ニャーすけ

推しが武道館いってくれたら死ぬのニャーすけのレビュー・感想・評価

4.0
ネトフリでの配信が今日までだったので、シーズン通して見直してしまった。

とにかく本作は、推し活のために収入と人生のすべてを捧げるあまり、服は高校時代のジャージしか着れなくなった限界オタク(a.k.a. フリーター)である主人公・えりぴよの一挙手一投足が人として終わりまくっていて最高。握手会で推しに切りかかる無敵の人も、裏アカでメンバーやファンの陰口ばっか書き込んでる不良アイドルも、地下アイドルを性的搾取するクソプロデューサーもいない理想化されたやさしいせかいの物語でありつつ、「ドルオタはキモい」という辛辣な視点だけは徹底されており、悲しいかな、“人を傷つける笑い”ってやつは結局一番面白いのである。えりぴよ役のファイルーズあいちゃんも奇跡のハマりっぷりで、マジで全編声出して笑っていた。

冷静に考えてみると、キャラクターもイメージカラーも美味しすぎるポジションである舞菜ちゃんが圧倒的不人気ってのは現実だと考えづらいんだけど、だからこそえりぴよと舞菜ちゃんとのすれ違いのもどかしさと尊さが活きてくる。最終話、それまでは人見知り故の塩対応でえりぴよをやきもきさせ続けていた舞菜ちゃんが、ついに素直な気持ちをえりぴよに伝えられた場面では、いつも少し泣きそうになってしまう。この後に続くエンディングの演出が憎いんだ、また!
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