垂直落下式サミング

BLEACH 千年血戦篇-訣別譚-の垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

BLEACH 千年血戦篇-訣別譚-(2023年製作のアニメ)
5.0
ブリーチっ!
いちばんみたかったのは、二枚屋王悦が鞘伏せで親衛隊を全滅させるところ。シンプルな対面戦闘で、クソゲー能力持ち集団がそれを使う前に叩き殺す。相手がカッコつけて喋ってるのに、御託ガン無視で容赦なく斬りかかるというブリーチ世界のレギュレーション違反をおかしながら虐殺するのが、逆にオサレ。
クソゲー強要してくる相手をどうやって攻略するか?ってのがブリーチの見物だったけれど、後半になるにつれてその面白さは薄まってしまったような気がする。
相手が能力の性質を得意げに説明しているときは、「こんなの勝てないじゃん!」ってすごく強そうでドキドキするのに、「相手より地力が上回る」か「実はピンポイントメタできます」みたいな都合のいい解決法が多くなっていくのは、ずっと不満だった。
藍染の完全催眠とか、もう強すぎてもて余しちゃって、結局最後は高火力の押し付けあいに収束してった印象。ただ、敵のボスは常に山じいを対策してから乗り込んでくるから、やっぱ小細工よりも流刃若火みたいなバカパワーがイチバン強いんだと思う。
アランカル編の大味なインフレーションの激しさと、見開きいっぱいにつかってみせる一枚絵の力が、ブリーチの最大の魅力だと言って差し支えないくらいには受け入れられているし、最早これはこれで愛すべき個性だと言えるような領域である。
連載中は、ぱっとしなかったフルブリンガー編とかクインシー編は、超インフレをやりきった後で本格的な異能力バトルに立ち返ろうとしている久保帯人先生の意図がわかって、読み返してみると興味深かったなあ。
打ち切りで人気なくなったから、最後はテキトーにアニメ化みたいな在庫処分売りしなくて本当に良かった。たくさんの人に待ち望まれてる今だから、このクオリティが実現したのじゃ。
最終章の映像化で見物は、やっぱりここへきて最推し登場なバンビちゃん!バンビエッタ・バスターバイン!声に出して言いたいお名前。気が強くて威勢のいい女を容赦なく叩きのめして苦しめる描写すきだよね師匠。
バンビちゃんが平子の逆撫を攻略するところは、原作よりもしっかりと戦闘していて楽しめた。「相手の知覚の上下左右前後を入れ換える」っていうクソつよ神経攻撃系に対して、じゃあ上下左右前後ぜんぶ攻撃すればいいじゃんって、かわいい女の子による脳死なパワー系キャラ対がポイント高め。
それにくらべて、復隊した「仮面の軍勢」の人たち、平子以外は揃いも揃って見せ場ないのなんとかかなんなかったのかなぁ。
「拳が触れているあいだ炸裂し続ける」能力なのに相手の息の根を止める倒すまえに吹っ飛ばしちゃうとか、「音楽でもって相手に幻術をかける」んだぜってタネ明かししたせいで対策されて負けるとか、ホント無能も大概にしてほしい。
二人ともあれで死んだことにすればよかったのに、マユリ様に助けられてんのが、余計に惨め…。生き恥だろ。最終回とか、よくあの澄まし顔で出てこれたよな。
そんなこんなで、僕らはみんなブリーチがだいすきっ!平子の卍解とか、千手丸の卍解とか、初代十三隊隊長の名前がわかるとか、10年以上前に終わった作品なのに、いまだに新情報でドキドキできるのうれしいなっ。


※原作未登場卍解
逆様邪八宝塞(さかしまよこしまはっぽうふさがり)
娑闥迦羅骸刺絡辻(しゃたつからがらしがらみのつじ)