最終話良かった。ただそれ以上にその直前の12話の山田パートが良すぎた。あの話ずっと観たい。そして思い出してしまうのは『スタァライト』のまひるちゃん。ずっと俺の頭の中にいるんだろうな。あと最終回はさらさより委員長が素晴らしかった。前話の山田との階段のやり取りが効いてくる。終わり方がしっかり閉まりつつ彼女たちの前進(進撃とすら言いたい)は続いていく……という集合写真のラストカットは素晴らしかった。その一方で、このメンバーを過不足なく描いていくのがやや性急に感じてしまって、後半二話はどんどん盛り上がりながらもAパートBパートで二人描かなくてはならない忙しさも感じた。
ずっとハマって見ていたわけではないんですが、視点が変わったのは9話。最初は妹のために入学を一年延期するってなんだよ、ってモヤモヤしてたんですけど、もう最後の方はね……尊いってこういう感情なんですね……「尊い」「推す」ことから彼女たちが向こう側の「推される」世界に生まれ変わっていくのは序盤の数話でしっかり描いていたのがこれまた後から効いてくる。ただ、「アイドル」と「歌舞伎」と「宝塚」という色とりどりの歌劇文化への批評的目配せは興味深いながらも、そこにちょっと物足りなさもあった。やっぱりさらさ周りの話としてはもっと歌舞伎の「お家騒動」的な話をドロドロと2〜3話やって欲しかった気持ちもある。この春に『俺の家の話』を観てしまった身としてはやっぱり物足りない。まぁ学園の中に焦点を当てていく流れなのもわかるけど。でも、隙あらば差し込まれるさらさの仮面のような、そこにいないかのような一瞬(それは奈良っちだけが知っている)が浮かび上がっていく流れも丁寧だったと思う。続編やるんだろうと思うので楽しみです。
追記 ……やっとわかった、さらさのキャラクターに覚える既視感、『邦キチ』だ。影がなくて話聞かない感じというか。試しに読み返してみたらやっぱり超似てる気がする……この口角が上がる感じとか。
