擬人化された動物たちの世界、全寮制の高校の演劇部を舞台にしたCGアニメなんて、なんてつまらなさそうなんだと敬遠してましたが、主要な漫画賞を総なめして、原作者が『グラップラー刃牙』の作者、板垣恵介の娘なんて枕詞は無用なほど評価の高い作品ということで見てみました。
あまりに面白くて、第1期の時点まででは完璧です！
ジェンダー問題、人種問題、いじめなど、人種や能力、個性の違いから起こる問題を肉食と草食が共存する世界に置き換えて、本来ならば捕食者と非捕食者であるハイイロオオカミとドワーフウサギの恋愛模様を主軸に、全動物の頂点であるビースターを目指す演劇部の花形スター、アカシカのルイや、裏の世界を牛耳る獅子組など、動物同士の世界の面白さと、現実世界の闇や問題を織り交ぜ、剥き出しで描き切っています。
本来肉食動物が草食動物を捕食することは悪では無いのですが、この物語の世界では忌むべき行為として描かれています。この設定が現実世界の本音と建前、平穏な社会を送るため、共存するための暗黙のルールの見事な置き換えに成功していますね。
それでいて学園モノや恋愛モノ、アクションとしてのベタな表現の楽しさもあり、ハルの描き方も女性にのみ押し付けられた都合のいい理想像や処女性はなく、1人のキャラクターとして極端なほど強く描かれてるのも素晴らしい。
個人的にはぎこちなさがまだあるCGや、キャラクターデザインは好みでは無いですが、そんな事は全く気にならないほど面白い。もちろんこのハイクオリティな原作に見合った丁寧なアニメ化には好感は持てます。
なにより、レゴシとハルのキャラクターがいい。
こんな動物学園ものなんて、アニメでなければ描けないという点でも、この作品の意義を感じます。
最後までこのクオリティを維持して走りきってほしいです！
2期がこれから毎週の楽しみになりますね！
