2021年もたくさんの映画、アニメ、漫画、ドラマ、ゲームに触れてきましたが、その中でも今作が最も素晴らしく、まさにオールタイムベストな作品でした。異次元へ漂流してしまった少年少女たちが現実の世界へ戻ろうとするSF人間ドラマです。
“うる星やつら2ビューティフルドリーマー”や“インセプション”、“エヴァ”にも負けない斬新で唯一無二の演出と、哲学的な世界観、及び設定がとても衝撃的でした。さながら“碇シンジ”並みにヘタレでひ弱な主人公の成長を見事に描き切っていたし、各エピソードのあらゆる面が全て興味深く、ストーリー、脚本、作画、演出、キャラクター像、演技、音楽、音響のどこを取っても今作は完璧に作られています。少ししか活躍しないようなキャラも、心の揺れ動く様を一瞬で的確に見せていて、監督のずば抜けた演出力が光っていました。SFアニメだけど中身は人間ドラマで、そのギャップも素晴らしかったです。また、今作は実験的な要素が強く、いろんな意味で尖っていたのも個人的には好きでした。
どんなジャンルでもそうですが、オールタイムベストに加わるような作品は一年に一本も出会えません。そんな中で、今作みたいな素晴らしいアニメーションに出会えたのは本当に良かったし、きっとこの先何十年も心に残り続けると思います。本当に文句の付け所がない作品です。普段アニメを見ない人でも、食わず嫌いしないで今作を鑑賞することを強くオススメします。
因みに評価基準は映画と同じです。
