ろく

青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ないのろくのレビュー・感想・評価

3.5
題名からは「下品」しかないんだけど(この題名で損をしている)中身はSF+恋愛という涼宮ハルヒばりの展開に吃驚。ただしSF部分は正直、既存のSFからなんの逸脱もないんで想定レベル。そこらへんは山本弘あたり読んでくれればいいんじゃないって思うけど、そこに見事な恋愛ものを入れたんでそこに拍手。全13話もストーリーは大きく分けて5話。最初の話の出来がとにかくいいんで三話までなら絶対見るレベル。

1~3話★★★★★
ネタはシュレディンガーの猫。最後は世界の中心で愛を叫んだけものか(まあ作者もそこは想定済)。とにかく「自己が消える」という切なさを見事に表現できているのは拍手。バニーガールは別にしなくてもいいんじゃねえって思う気持ちもぬぐえず。まあ客寄せバニーか。

4~6話★★★
ラプラス。あとはタイムループ。まあSFの世界でもやりつくしたネタなんでそこまででも。この手の「元気な後輩」はお約束。最後愛が破れるのもお約束。これくらいの時間では見事にまとめたか。

7・8話★★★★
ドッペルゲンガー現象。SFだとホラーになるのが普通だけど(法条遥の「バイロケーション」とか)今回はそれを綺麗にまとめる。最後の花火のシーンも嫌いでない。メガネ頭いい女子は実際にはあまりいない。

9・10話★★★
定番ラブコメとしての妹キャラ。今回は人格転移。転校生的なストーリーももはや慣れているのかあまり驚いてない。もっと驚けといいたい。うまく兄弟のストーリーにしたのは評価。

11~13話★★
最後納得いかず。「アルジャーノンに花束を」的なストーリー。消えた人格に関しもう少し言及すべきだったのではないか。そこが不満。謎の狂言回し(映画で活躍するのだけど)少しうっとおしい。

とにかく1~3話が最高だったのでそのまま見続けたけど、全体としてはそこまでではない(それは僕がすれっからしのSF好きだからかもしれないけど)。よくあるSFの意匠を借りているので「中高生向けリライトでしょ」って後半なってしまった。まあ僕が色眼鏡で見ているのもよくないのかも。1~3話なら星5でいいと思ったけど全体ではこんなもん。でも映画は見る。
ろく

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