あんへる

失われた未来を求めて À la recherche du futur perduのあんへるのレビュー・感想・評価

3.4
【2014年秋アニメ作品{全12話}】

エロゲ原作のSF青春ストーリー。
シリアスなラブファンタジーだった。
まあ、その、、なんか虚しくなるお話だよね。

「劣化版シュタゲ」とか言われてる。

確かに似てるけども。。
あんまり比べんとき、可哀想だから。

正直、全体的に安っぽいアニメという印象が強い。
作画やカット割りなんかは特に雑。
設定の描写不足も目立つ。まず奏は何で当たり前の様に佳織の家に住んでんの??
そこら辺の説明不足が気になる人はこの時点で気持ちが離れる。
明らかな不親切設計。
諸々の低予算感が否めない。

そもそもエロゲやノベゲを映像化するのって、本来とても難しい事。
基本的に複数ルートが存在するゲームのシステムをそのままアニメ作品に落とし込むのは至難の業、と言うよりそもそも無理がある。
要素を取捨選択しながら、必要なものだけを抽出する。その上で一本道のシナリオに再構成しなきゃならない。(例外もあるけど)
物凄く手間、その上一歩間違えればストーリーが簡単に破綻する。
相当構成を練らないと作品として成り立たない。


確かにシュタゲなんかの良く出来たループ物とかと観比べちゃうと、あぁ…ってなる感じも分かる。
でも、駄作と簡単に切り捨てるには少し勿体無いとは思う。光る箇所も沢山あった。
物語のテーマ自体は凄く好きだし、一つ一つのファクターには十分に魅力がある。
それだけに余計アニメとしてのクオリティが残念に感じるんだけど、なんでか嫌いになれない作品ってあるよね。まさにこれがそれ。

エロゲ原作なだけあって、キャラデザには気合い入ってる。
女性キャラはみんな可愛い。♂ウケは絶対良い。

本作の結末は万人へ向けてのハッピーエンドじゃない。
どのヒロインにどの程度感情移入するかで恐らくラストの受け取り方は違ってくるだろう。

個人的にはゆいと愛理がね…。
それで本当にいいのか?と奏に問い詰めたくなる気持ちは残る。

決して有名とは言えないエロゲ作品にそこまでの尺もコストも掛けられないのはわかるが、もう少し丁寧に作品作り出来ていれば化ける可能性があった気もしないでもない。
そんな少しだけ不憫なアニメ。


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[主題歌]

OP
佐藤聡美「Le jour」

ED
佐々木佳織(高田初美)・古川ゆい(友永朱音)「明日また会えるよね」

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