1931年、禁酒法時代のニューヨーク。フィーロ・プロシェンツォは悪い予感を抱いていた。そしてその不安は的中する。 幼馴染みのガンドールファミリーの縄張りに、見慣れない連中が幅を利かせるようになってきたからだ。ラック・ガンドールは その対策として、殺し屋「葡萄酒(ヴィーノ)」をニューヨークに呼び寄せる。しかし、シカゴからニューヨークに向かう大陸横断急行のその車内でも、 一筋縄では行かないトラブルが発生していた。一方、ガンドールの縄張りを脅かしていたルノラータファミリーのグスターヴォ・バジェッタはボスから 一つの命を受けていた。富豪ジェノアード家の次男坊にして無軌道な不良少年、ダラス・ジェノアードを捉えよ、と。 しかし、彼の妹イブ・ジェノアードもまた兄の行方を探していた。かくして、いかれた奴らたちのBaccano!(狂宴)が今ここに始まった!
仮装強盗のカップル、アイザックとミリアは、ゴールドラッシュの夢を追いかけ、カリフォルニアにいた。 しかし一向に成果の上がらぬ金鉱掘りに業を煮やし、列車強盗を企てる。ふたりが乗車するのは、シカゴ発 ニューヨーク行き大陸横断特別急行フライング・プッシーフット号。しかしこの列車には奇遇にも一筋縄では 行かぬ連中が集結しつつあった。入墨顔の少年ジャグジー率いる不良グループ、殺し屋ラッドを中心とする いかれたマフィア軍団、そして黒一色を身に纏った謎の楽団。とても一人旅にふさわしいとは思えぬ 年頃の少年チェス。彼らの目的は何なのか、そして出発した列車に広がる奇妙な噂「レイルトレーサー (線路の影をなぞる者)」とは? いかれた奴らと各々の無鉄砲な計画を乗せて、大陸横断鉄道は出発する。
チャイナタウンの路地にその新聞社はあった。表向きは新聞の発行、だが裏では情報の売買を 生業としている情報屋、デイリーデイズ新聞社。やって来たルノラータのマフィアは、英語版の デスク、ニコラスに情報提供を求める。後刻、ジェノアード家の令嬢イブもまたここを訪れる。 両者が求めるのは同じ情報。それはダラス・ジェノアードの行方だった。 時は一年遡る。イーストビレッジの倉庫で、バーンズは「不死の酒」の完成品の醸造に成功する。 ところが、突然倉庫が火事に襲われてしまう。二本の酒を持ち出して逃げたバーンズは、地元の 不良少年たちに因縁をつけられ襲われる。そのグループのリーダーこそダラス・ジェノアードであった。 一方、大陸横断鉄道の車内では、今まさに各々の計画が実行に移されようとしていた!!
ルッソ・ファミリーのドン、プラチド・ルッソはその日、すこぶる機嫌が悪かった。仮装強盗の二人組と顔に刺青を入れた 不良少年のグループに、ファミリーの威信を汚されたからだ。そんな折、甥で殺し屋のラッド・ルッソが提案した。シカゴ 発N.Y.行きの大陸横断特急フライング・プッシーフット号をハイジャックして、身代金をふんだくってやろうと。しかし、 ラッドには真の目的が別にあった。それは、乗客たちを快楽のためだけに、ただひたすら殺して回ること―。 列車に乗り込み、計画を開始したラッドとその仲間たち。しかし、彼らはまだ知らなかった。この列車に潜む「レイル トレーサー」(線路の影をなぞるもの)という存在を―。
様々な思惑を乗せて大陸横断特急は闇夜をひた走る。遡ること24時間前、シカゴ郊外の工場街に響く泣き声。 顔に刺青を入れた不良少年グループのリーダー、ジャグジー・スプロットは、対立するルッソ・ファミリーの 構成員と対峙していた。時はさらに遡る。セラード・クエーツのアジトで目覚めたバーンズは、自分と同じ 立場の老人たちに見守られ、主人と同化してゆく。“不死の酒”の情報とともに――。 一方、蜂蜜専門店「アルヴェアーレ」の地下、マルティージョ・ファミリーの集会所では、フィーロ・プロ シェンツォの幹部への昇進の儀式が厳かに執り行われていた。儀式の締めくくりは命をかけて幹部の一人と 対決をすること。ナイフを持ったフィーロの前に立ちはだかったのはファミリーの出納係、マイザー・ アヴァーロだった――。
ガンドールファミリーの事務所を訪れたダラス・ジェノアード。プライドを傷つけたフィーロ・プロシェンツォに復讐するため、ガンドール三兄弟に手助けを求める。しかし、フィーロと懇意である兄弟がそんな話に乗る筈もなく、ダラスとその手下たちは事務所から放り出されてしまう。バーンズから奪い取った木箱を残して。 1年後、兄を探すイブ・ジェノアードは、DD新聞社からと名乗る電話を受けていた。兄についての情報が手に入ったとの由、すぐに新聞社へと向かうイブとサマサ。その目の前に現れた者たちは──。 一方、ニューヨークへひた走る大陸横断鉄道。血まみれの車掌室から戻るジャグジー・スプロットと仲間たちは、貨物室で黒服に捕らえられていたニックを救出する。仲間との再会に安堵したのも束の間、隣の貨物室に広げられた惨劇の跡を目の当たりにするのだった。それこそが“レイルトレーサー”の爪痕である事も知らずに……。
1711年、新大陸を目指し、大西洋上を進むアドウェナ・アウィス号。閉ざされた空間、行方不明者の続出に怯える 錬金術師たち。前夜、船内はマイザー・アヴァーロが行うと提案した、一つの儀式を巡って騒然としていた。 錬金術師の悲願である大いなる万能薬の精製には、悪魔の存在が欠かせないと主張するマイザー。黒魔術の 範疇に入る悪魔召喚を認めようとしないセラード・クェーツ。だが、議論の末、儀式は行われた。そこに召喚された 悪魔とは?大いなる万能薬の正体とは?そして、それが彼らにもたらすものとは?
連邦捜査局の特別捜査官ビル・サリバンとドナルド・ブラウンは、複数の州にまたがっておきている 連続強盗事件の容疑者を追っていた。これまで美術館のドアやチョコレートなど小さなものしか盗ま ず、連邦捜査局の捜査対象となることなどなかった容疑者が、富豪ジェノアード家の遺産をそっくり 奪うという大胆な行動をとったのだ。その容疑者こそ、仮装強盗のアイザック・ディアンとミリア・ ハーヴェントのカップルだった。
フライング・プッシーフット号が到着したニューヨーク。デイリー・デイズ新聞社社長は、列車に乗っていた情報屋の無事の帰還を喜んでいた。 時は少々遡る。大陸横断鉄道の車内では「葡萄酒(ヴィーノ」ことクレア・スタンフィールドが、行動を開始した。 皆に恐れられる殺し屋とは一体誰なのか?謎に包まれた作業着の女の目的とは何なのか!?そして、伝説の怪物レイル トレーサー(線路の影をなぞるもの)の正体とは?
ニューヨークの拘置所。拘束されている「レムレース」のリーダー、ヒューイ・ラフォレットを訪ねたのは合衆国上院議員の マンフレット・ベリアムだった。ベリアムはヒューイに「レムレース」の無条件降伏を要求する。しかし、ヒューイから発せ られたのは意外な言葉だった。混乱した列車内。チェスから20万ドルの報酬と引き換えに、乗客を皆殺しにするよう打診された ラッドは、チェスの余裕な表情を目にし、ためらいなく引き金をひく。一方、グスターヴォから逃げ出すことに成功したイブは、 ダラスの失踪にガンドール兄弟が関わっているとの情報を得るのだった。
大陸横断特急の屋根の上。シャーネ・ラフォレットと「レムレース」の関係を知ったラッド・ルッソは、 シャーネに襲い掛かる。そこに割って入ってきたのは、自分を不死身だと豪語するクレア・スタンフィールド だった。一方、セラード・クェーツは、マイザー・アヴァーロから「不死の酒」の調合法を手に入れようとアル ヴェアーレに乗り込む。
騒然となった列車内。ジャグジーは最後の敵にむかってゆく。ラッドと対峙するクレア。 縛り付けられたチェス。そして、アルヴェアーレでマイザーに襲いかかるセラード。 ダラスに銃口を向けられるフィーロとエニス。果たして彼らの運命は――!?
シャーネの前に立ちはだかるクレア、グースに立ち向かうジャグジー、ラッドとルーア、 マイザーとセラード、そしてフィーロとエニスの運命は!? それぞれが答えを求め、それぞれが最後の戦いに挑む!! そして、全てが決着した後、フライング・プッシーフット号はニューヨークに到着する。 最後に笑うのは誰だ!?
2025年 16本目
物語 : 2.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 2.0
デュラララ!!が超絶苦手だった私にとって覚悟はしてたけど、やっぱキツかった〜。禁…
(C)Ryohgo Narita・Ascii Media Works/Project Baccano!