ーcoyolyー

ジェイン・オースティンに恋してのーcoyolyーのレビュー・感想・評価

3.8
文学少女の頭の中をそのまま映像化した作品。最初と最後にちょろっとだけ出てくるリジーの圧倒的主人公感、笑うというかこれぞリジー!よく分かってんな!と感心した。それに比べて主人公はモブなんだよ。やっぱモブ。脳内で主役になってたってやっぱそこはリジーなんですよね。リジーには勝てないというか押しのけることはできない。リジーが見切りをつけスタスタと旅立った時代、場所、パートナーをリジーと入れ替わることで手に入れたならもうそれは大団円だよ。あそこから立ち去ることができるリジーとリジーが捨てたものにしがみつくモブ文学少女の対比がお見事。原作読むと一心にヘイトを集めるウィッカムのナイスガイへの改変も良かったですね。原作に書かれていないところで補う分には問題ないですからね。原題『Lost in Austin』ってこういうことだよね。邦題だとピンと来ないところもある筋書きですが原題わからとしっくり来ます。これ前提としてジェイン・オースティンの原作、BBC版『高慢と偏見』(コリン・ファースのダーシーがイギリスで社会現象を巻き起こしたやつ)、『ブリジット・ジョーンズの日記』を押さえているかどうかで楽しめ方がだいぶ違ってくると思う。逆にいうと鑑賞する側にある程度の素養が求められるのでそれを持ち合わせてないと楽しめるのかどうかは不明です。いずれにせよ私は楽しかった。
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