ーcoyolyー

ハンドメイズ・テイル/侍女の物語 シーズン1のーcoyolyーのレビュー・感想・評価

4.5
原作は長らく興味持ちつつも未読でありますが、こういう話で主演がエリザベス・モスってところがまずエッジ効いてる。私エリザベス・モスとは『ザ・ホワイトハウス』以来の長い付き合いなんですよ。だからエリザベス・モスとサイエントロジーの関係を知っていたらどうしたって「信仰とは」や「宗教とは」ということを観ながら考えざるを得ないわけで、これ日本でいうなら石原さとみが統一教会から脱出しようとする祝福2世を演じてるみたいなもんでさ。

この世界観はどこか遠いSFのディストピアではなく、あああそこの国や地域や宗教でこういうことありますね、という実在の要素を持ち寄って再編成しているので、そしてそれはたとえば死刑制度とか日本にもこういうことありますね、というものも持ち寄っているので我々のすぐ隣にある生々しさを感じなければならないものです。多くの日本人はあまり意識してないようだけどいまだに死刑制度存続していてそれを国民の8割超が支持しているって立派なディストピアですからね。日本すごい。とってもネガティヴな意味で日本すごい。

そんなこんなを考えつつ話が進んで行くとそこにはもうそのまま統一教会の世界がみるみるうちに広がって行きました。我々が2022年の7月まで無視していたすぐ隣にあるディストピアでありまして、だからこれはもうあそこで流れが変わらなかった日本の数年後の姿であったんですよ。あのままなら日本はこうなる確率が高かったという嫌なリアルさがのしかかってきて、主人公が仕えている家の奥様がもうそのまま三浦瑠麗みたいなキャラクターで、私ずっとその人出て来る度に三浦瑠麗だ三浦瑠麗だ本当に三浦瑠麗だつくづく三浦瑠麗だと思ってシーズン1全部観終わって現実に帰ってきたら三浦瑠麗の夫が逮捕されてて、今ちょっと現実に対してリアクション取れないでいます。現実世界と物語世界がカオスになってる。
ーcoyolyー

ーcoyolyー